いや、悪くないですよね。恐らく、子供のやりたくないことランキングがあったとしたら、勉強はトップ10には入る事でしょう。
他は、嫌いな物を食べる、家のお手伝い、習い事、学校、いじめ…。ああ、これでは自分の嫌いなものランキングになっていたかもしれませんね。
でも、実は勉強は楽しい(こともある)んですよ。
知識を得ることによる快感や出来なかったことが出来るようになる達成感などは独特のものがあります。
大人になってから「学生時代にもっと勉強しておけばよかった」という思いに駆られる人はかなりいるのではないかと思います。
そうはいっても、学生時代は知識によって解決しなければならないことは、テストや受験勉強がほとんどです。
しかも、それは半分強制的なもので、これまた学生がよく言う「学校の勉強は社会に出て役に立つのか?!」という言葉からもわかるようにその効果は半信半疑な事が多いです。
だから、なかなか能動的に動くことは難しいのではないでしょうか。
好きなことなら勉強できる
勉強はなかなか進まなくても興味のあることは率先して調べて、知識を増やしていきますよね。
趣味、ゲームやアニメ、アイドル、テレビ、芸能人…。例えに凄く偏りが出てしまいました。
小さい子供は図鑑を渡すと細かい名称まできちんと覚えています。繰り返し見ているのもありますが、興味を持って接したものは習得するのが早いってことです。
会社での教育はルールを教えること
前置きが長くなりましたが、本項で述べる教育というのは知識の獲得ではなく、ルールの浸透といった方がいいかもしれません。
会社に入ると、研修と称して、入社前に合宿があったり、入社後に数ヶ月程度かけて各部署を回って各方面の仕事を体験したりします(会社規模により異なります)。
この時に、基本的なことを学んでもらい、いざ、本格的な業務に就いたときに、会社のルールで働いてもらうことになります。
同じルールで働いているから、やりとりがスムーズになり、仕事の効率があがります。
ところが、今はやりの(?)OJT(On the Job Trainingの略、仕事を通じてトレーニングをするということ)を導入しているところだと、必要になったら教えるというスタンスを取っている場合があります。
今必要ない事を教えても、必要になったときには忘れてしまっているから、やる必要が出来たときに体験をかねてやってもらう、ということです。
OJTは向き不向きがある
OJTは、体験を通じてしか獲得できないような能力を成長させる場合は納得できます。
漁師や料理人、絵描き、陶芸家、刀鍛冶…。いわゆる技術職の人たちでしょうか。
これは時間をかけないと、能力が上がっていきませんから、やった時間に比例して上達して行くものです。
同じ仕事を50年やった年配の方でも、「完璧な出来には程遠い」なんて発言をされることもあって、手に職を持っている方の研鑽の日々は長いのだなと思わされます。
これが、書類の書き方だとか、お客さんとのやりとりだとか、施錠のやりかただとか広い会社だと、社内の場所だったりとか、基本的なルールすら、OJTにしてしまうと問題が起きます。
同一の課の人たちなら、この人はこの仕事はまだわからないという事がわかっているかもしれませんが、外の人は、きちんと出来ることが当たり前だと思っています。
そうすると、(周囲からの)期待と、現実のギャップが生じます。頼んでおいたことがきちんとできていなかったなんて思われてしまいます。具体的には申請などに必要な書類を頼んだとして、その書類を作成して提出したとき、書類に不備があると、注意されたり、運が悪いと怒られてしまいます。
出した本人としては、きちんとやったとしても、評価を下げられてしまいます。
また、必要に迫られて作業を行う場合というのは緊急だったり、失敗が出来ないような場面だったりすることもあるはずです。
そんなシチュエーションでちゃんとこなしてもらいたいと思ってもうまく行かないことの方が多いでしょう。
そんなことが続くと会社に対して不信感を抱いて、そのうち離職する原因となるのです。
いつまでも繁忙期ではないと思いますので、新人がきたときに、すぐに理解できるようなマニュアルと教育の仕方を用意してほしいと思います。
教育は時間を節約するための投資である
失敗しないにしても、作業効率に影響するような知識というのも存在します。
ちょっとしたコツを教えるだけで1時間かかっていたものが10分で終わったりとかよくあることです。
それをOJTといって、コツの習得を本人の気づきに任せていると学ぶまで何時間もロスすることでしょう。
しかも、その新人だけにとどまらす、これから入ってくる新人全てが時間をロスすることになります。
今忙しいから教育は後回しといっていると結局は気づかないうちに大損していることになりかねません。
長く勤めている人は、そういった大局観を持って教育していただきたいと思います。