十日町PのDTだったら何が悪い!

マンガ【100万$キッド】夢は世界一のギャンブラー!おいらはヒロシ・ニカイドー!

ギャンブルマンガと言えばいまや「カイジ」が有名ですが、その昔、幅広くギャンブルを扱ったマンガがありました。
その名も「100万$キッド」。
とある界隈で連載終了後も熱狂的な(?)ファンを生み出し続けている「MMR(マガジンミステリールポルタージュ)」の作者でもある石垣ゆうき先生のデビュー作です。

今回は【100万$キッド 】をご紹介します。

こんな人におススメ

  • ギャンブルの種類を知りたい人
  • 熱い勝負を楽しみたい人
  • トンデモバトルを楽しみたい人

主人公の二階堂ひろしは中学生で財閥の3兄弟の末っ子。親から1億円を渡され、これを最も有効活用した人物に当主を譲ると言われます。

兄二人は、株式や帝王学などにお金を使い、資産を増やそうとしますが、ひろしは得意のギャンブルで増やそうとします。
ここだけ抜き出すとダメ人間の香りがしますが、校内で日常的にギャンブルをするなど、「好きなこと」がギャンブルだっただけなのです。

ギャンブルをするために、海外へと飛び立ちます。勝負の場はカジノが多く、用いるギャンブルもカジノで運用されているものが多く出てきます。

・ポーカー
・ルーレット
・ブラックジャック
・クラップス
・スタッドポーカー

が作中に出てくるギャンブルですね。
少ないと思うかもしれませんが、作中では様々なプレーヤーが出てくるので、種類の少なさはそれほど気になりません。

また、ひろしもカジノでのギャンブルは初めてなので初回に説明が入り、ルールを知らない読者でもわかりやすくルールを理解することが出来ます。
どのギャンブルもそこまで複雑なルールではありませんが、言葉で説明されるよりはずっと楽に、楽しく覚えることが出来ますよ。

話は大体1話で完結するので、どこから読んでも楽しめます。対戦相手もガチで強いプレーヤーからイカサマを使ってくる相手まで多種多様で、ひろしがどうやって相手を倒すのかをみるのが楽しみな作品でもあります。

そして、イカサマトリックは論理的に説明されてはいますが、できるのそれ?!と思えるようなトリックがふんだんに使用されています。

ぼくが読んだのは子供の頃だったので、そうかなるほどと素直に信じていましたが、今ならありえない!と思ってしまうかもしれません。
でも、そういう非現実的な所がマンガのだいご味ではないかと思います。

勝負のタイプは2種類

ひろしと対戦相手の勝負に用いているギャンブルは数種類ありますが、敵の種類としてはガチで強い相手と、イカサマを使ってくる相手に分けられます。
ほとんどがイカサマ使いなので、ガチ勝負は少ないのですが、その分、ガチ勝負で戦ってくる相手はそれまでのどんな敵よりも強いような気がしたものです。

ガチ勝負は心理戦

ひろしは必殺技などを持っていないので、基本的には普通に勝負をするだけですが、チップをどのくらいかけるかによって相手を心理的に追い込む場面が多く出てきます。
ポーカーを使った勝負が作中では一番多いので、カードチェンジ後にどんな手になっているかがキーポイントになっています。
強い手が入っているのか、それともブタ(役なし)のままなのか、読者も知らないし、なんならひろしもわからない状況でカードをめくる時のドキドキ感はたまりません。
一度読んで結末が分かっていても楽しめます。

イカサマはどんなトリックを使っているか

一方、イカサマ使いとの勝負は、


なんかおかしい

トリックの看破

逆手にとって撃破

という流れがほとんどです。
ほとんどっていうか、全部かもしんない。

ひろしは戦っているから困っているけれど、読んでいる方はどんなトリックなんだ?ってことでワクワクが止まらないんですよね。
それでもイカサマ師としてプライドがあるのか、見破られちゃったら下手な言い訳をしないで認めちゃうところも潔いと言えば潔いかもしれない。

あっ、認めるも認めないも普通に勝負に負けているんでした。

で、このトリックが実になるほど、と思えるような雑学みたいなものだったので、読んでいる方も受け入れやすかったです。

石垣先生の絵は普遍的

これは石垣先生のどのマンガにも言える事なんですが、読みやすい絵と、どの時代でも受け入れられる絵柄による魅力が素晴らしいと思います。
きっと、今の子供たちが読んでもそれほど古臭いと感じないんじゃないかなって思います。

マンガとして大切な読みやすさ、理解しやすさってのを心がけて描かれているんじゃないかなとも思いますね。
最近はあまり描かれていないようですが、たくさん作品を発表してもらいたい作家のひとりです。