十日町PのDTだったら何が悪い!

水難事故にご注意!(その1)-大人と子供では大人のほうが危険?! 原因と予防-





毎年、夏になると海の賑わいを見せるニュースをよく見かけます。
家族連れや恋人同士、友達と出かけてとても楽しそうですね。

しかし、一方で水難の事故のニュースも耳にします。
朝元気だったのになぜ…。
という周囲の方の気持ちを考えると本当に悲しいです。

水難事故がなぜ起こるのかを考え、できる予防をしていきましょう!

水難事故の傾向について

死亡者比率

平成30年における水難の概況によりますと、平成30年の水難者数は1529人で、そのうち死亡・行方不明者は692人となっています。

実に約45%もの方がなくなったり行方不明になったりしています

単純比較はできませんが平成30年の交通事故43万0601件のうち、死亡事故は3449件となっており、死亡率は約0.8%。
水難の死亡率が高いという事が分かるかと思います。

水難事故年齢の構成比


水難者の年齢構成を見てみると、なんと約87%が高校生以上の大人になっています。

子供がよく事故に遭っているようなイメージがあったかもしれませんが、実際には大人の方が多く事故に遭っているのです

水難者の約45%が死亡・行方不明
大人のほうが子供よりも事故に遭っている

大人だから大丈夫、というのが通用しないばかりか、むしろ大人のほうが危険な目に遭っているという事を大人の人は認識しましょう。

水難事故の原因

水難事故の原因としては以下の通り。

・離岸流
・飲酒
・身体能力の過信
・危険度の認識不足

一つずつ見ていきましょう。

離岸流


離岸流とは波打ち際から沖へ戻っていく波の流れです。

通常、海側から海岸に向かって波が押し寄せてくるので、波の流れに乗っていれば、流されることはないと思うかもしれませんが、波のぶつかり具合や、その時の風の状況、気候によって変化します。

速い場合は秒速1mにもなり、泳ぎに慣れた人でさえもその流れに抵抗するのは難しいです。

この離岸流に流されて沖に流されてしまい、水難事故に遭う人が多いです。

脱出方法


対処方法としては、流れに逆らわずに、海岸線と平行に泳ぐという事です。
平行に泳いで離岸流の流れが弱くなってきたところで、そこから改めて岸に向かうという方法です。

離岸流に巻き込まれて「戻らなくちゃ」と思って海岸のほうに泳ごうとしても、波の力には逆らえません。
オリンピック級の選手でも無理です。
岸にたどり着けないばかりか、体力を消耗して水難事故に遭ってしまいます。

予防

離岸流の脱出方法を、海に入る前に周りに教えておきましょう。
また、流されてもすぐに発見してもらえるように監視員のいる場所や人の多いところで海水浴を楽しみましょう。

・海岸から沖に向かう流れがあることを知る
・離岸流に巻き込まれたら岸と平行に泳ぐことを周知する
・人目のあるところで泳ぐ

飲酒


浜辺に付いたら駆けつけ一杯!という方もいるのではないでしょうか。
子供が遊んでいる姿を見ながらクーラーボックス内のビールをあおる…。
至福の瞬間ですね。

しかし、その酔った状態で海に入ると、まず体が思うように動きません。
そして、やばい!と思った時の判断力も通常時より落ちていますので適切な行動がとれないことがあります。

川岸で飲酒した場合は、酔った勢いで川に飛び込む方の事故が多く起きています。
海の場合は大抵は遠浅で、いきなり足がつかない!なんてことがあまりありません。

しかし、川の場合ははたから見ていて水深がどれほどのものかわかりづらいことが多いです。

予防

お酒を飲みすぎないことと、酔った時の体はあてにならないという事を自覚することです。

特に家族連れで、守るべき子供がいるような場合は自分の楽しみよりも家族の安全を優先しましょう。

・飲酒時は身体能力が落ちる
・飲酒時は判断力が鈍る
・守る人がいる場合は酒を飲まない

身体能力の過信


溺れそうになっても泳げるから大丈夫!と思っている方もいるかもしれません。
大丈夫じゃありません
人の身体能力は基本的に20歳をピークにして徐々に下がっていきます。
20歳以降の年齢の方は昨日の自分より今日の自分のほうが身体能力は劣っているのです。

特に、若いころに運動をしていたような方は、その時のように体が動くイメージでいるかもしれませんが、全然動けません。

日常的に泳いているような方はいないと思いますし、日々の運動をしていないかもしれません。まして、水中での行動は陸での行動よりはるかに困難です。
ですので、自分の体がどう動くのかをきちんと見極めていきましょう。

予防

徐々に慣らしていくのが良いでしょう。
いきなり川に飛び込んだり、海で遠泳をしたりせずに安全が確保してある範囲で行動する。

もしくは、水辺に来たけれど水に入らないというのも選択肢の一つでしょう。
海や川に来ても仲間と来れば雰囲気だけでも楽しいものです。

せっかく来たんだから入らなくちゃ!

という気持ちもわかりますが、焦ってはいる必要もありません。ゆっくり入っていきましょう。

・自分の身体能力を把握する
・今日の自分は昨日より劣っている
・水に入らないことも選択肢に入れる

危険度の認識不足


海や川は怖いという認識は自然の脅威という事にさらされていないと実感としてわきにくいかもしれませんね。

台風や豪雨になった時に「こりゃやばい」と思うことは多々あります。
これは何度も経験しているからであり、体験をもとにして自然災害の大変さを感じています。

でも、海や川の脅威というのは内陸部で生活しているとなかなか実感できません。
子供の頃に川遊びをした経験があっても、川に潜るような人はそんなに多くないのではないかと思います。

潜れるような川遊びができる場所が少ないからという事もありますしね。

水が関連する経験と言えば学校でのプールですが、学校のプールでは波も立たないし水の流れもありません。
なので、水の怖さというものを感じることは少ないでしょう。

海や川はそうはいきません。同じ水中でも勝手が違うのです。

プールでの経験をもとに海や川を想像してしまうといざという時にパニックになってしまいます。
大波にさらわれて体がもっていかれる感覚、強い水流が自分の体に当たる感覚を知ると自分の力ではどうしようもない事を思い知らされると思います。

また、絶えず激流の川なら飛び込むことを考えたりしませんが、穏やかな状態の顔を見せていたら入ってみようと考えるかもしれません。そして、急に流れが速くなったり、水かさが増したりするという事もなかなか想像できないものです。

予防

想像ができない分、知識として詰め込んでいきましょう。

・台風などが来て高波の時には海岸に行かない。
・川辺で遊んでいても天候が崩れてきたら川から離れる。
・危険と書かれているところには立ち入らない

海や川に行く際には、天気を見て変わりそうなら予定をずらすくらいの用心深さがあってもいいと思います。
過剰なくらい用心していきましょう。
用心しすぎということはありません。

次回

次回も水難について書いてみたいと思います。
海よりも川のほうが危険なのか?!
続きます。