十日町PのDTだったら何が悪い!

水難事故にご注意!(その2)-海より川のほうが危険?! 川が危ない原因とは-





水遊びというと、海もそうですが、川もよく行きますよね。

バーベキューなんかしているのは川辺のほうが多いイメージです。
でも、その川も危険がありますので、川の近くに遊びに行く際は要注意。

川の危険性

・浮きにくい
・水が冷たい
・流れがある
・川底や川の中が一定でない
・水や水流の変化が大きい
・構造物の近くは流れが複雑になる
・溺れていても気が付きにくい
・救助が難しい

浮きにくい

川は真水の事が多く、海と比べて浮力がありません

海は塩分があるので浮力があって浮きやすいことは想像ができるかと思います。
対して、川は真水でプールくらいの浮き方になる…のとは違う場合があります。

川の水は流れていて、その途中で空気を含む場合があります。
川の流れを見ていると、落差のあるところでは泡立っていることがあるでしょう。

気泡が水に含まれています。そのような箇所では、空気によって水が軽くなり、浮力がさらになくなってしまいます。

より人が浮きにくい状況になっているのです。

・川は海より浮きにくい
・気泡があるところはさらに浮力が減る

川の水は冷たい

川の水を触ってみるとヒヤッとしていることが多いかと思います。
ぬるい川の水って記憶の中ではないのですが、川は山間部にあったり一か所にとどまったりしていないので温まらないのではないかと思います。

川の水が冷たいという事は、その中に入ると体の体温も下がってしまうことになります。

体温が下がると体の運動性能が下がります
または体力が早く奪われてしまいます。

こういったことはあまり意識しないことなので寒くなってきたら川から上がるのがよいでしょう。

・川の水は冷たい
・冷たい水で体を冷やすと運動能力が下がる
・運動能力が下がることは意識にのぼらない

川には流れがある

当たり前の事ですが。
水の流れがあると行きたい方向に行くことが出来ません。

流れるプールってあると思いますが、そのプールで流れに逆らって泳いでみると全然進まないんですよね。

危なくない程度にゆるい流れのプールでもうまく進めません。
それが実際の川になると調整なんてしてくれませんから、流されるがままになってしまいます。


また、川の流れは一方向ではありません。
途中で水の流れが回転しているところもあります。

横方向だけではなく、縦方向の流れも存在しますので急に沈み込んでしまうこともあるのです。

流れが急な所では注意しましょう。

・川には流れがある
・流れに逆らって進むのは困難
・流れは一方向ではなく、縦方向の流れもある

川底や川の中が一定ではない

川の岸を整備してあることはあっても、川の中まで整備していることはあまりありません。

そして、川の中の状態というのは川の外からではわかりづらいものです。

石がころがっていてもその表面に苔が生えているかどうかなんてわかりませんし、どこまでが一つの石かもわかりません。

他には泳いでいる時というのは前方に注意を向けているので、足元の注意がおろそかになってしまいます。
そうなると、急に大きな石があっても気が付かず、ぶつかって足を怪我したり、または足が挟まって動けなくなることもあります。

普通の状態ならそれくらいではどうってことないかもしれませんが、水中にいる時の不測の事態というのはとにかく焦ってしまいます。

焦ってしまうと水を飲んでしまったりしてまた余計にパニックになってしまいます。

移動するときはゆっくりと移動するのが良いでしょう。

・川の中の状態は一定ではない
・足元には注意が向かない
・滑ったり足が挟まることがある
・ゆっくり進んで安全な場所を確保して進む

水や水流の変化が大きい

雨が降った後の川の増水は都市部に住んでいても実感できることかと思います。
でも、それに気づくのは本当に土砂降りだったりした時ではないでしょうか。
あるいは長く雨が降って川が増水しても、次の日だったり、降ってから半日後だったりします。

でも、山間部の河川は本当にあっという間に水位が上がってしまいます。

「雨が降ってきたな」と思って1時間もしないうちにかなり増水することもあります。

特に中州になっている部分は増水すると水没してしまうことのほうが多いので、中州に陣取って何かするというのは快晴でない限りはやめておいた方がよいでしょう。

・カミナリが鳴る
・上流から木や土砂のゴミが流れてくる
・サイレンが鳴る

などの事が起きたら、一旦その場を離れて様子を観ましょう。

構造物の近くは流れが複雑になる

画像の引用:水辺の安全ハンドブック 河川財団
水制

川の曲がり角などで、水流によって川が削れないように置いてあるブロック。
この内部や周辺では複雑な水の流れが発生しています。


橋脚

橋脚の周りにも複雑な水の流れが発生していることがあります。
また、橋脚の周りにゴミが集まりストレーナーとなっているので、体が捕まってしまうことがあります。

ストレーナー…漉し器という意味ですが、ここでは「からめとるもの」の意味です。


床止工(護床工)

川の流れによって、川底が掘り返され深くならないようにするために設置しています。
足を取られたり流れに巻き込まれたりします。


取水口

農作業用の取水口は流れが速く取り込まれてしまいます。
また、早い水流によって入口の策に張り付けられて脱出できなくなります。

取水口の先は暗渠(外から見えないようになっているトンネル)になっているので、見つけることが難しくなります。

安全そうに見えても構造物の近くには近寄らないようにするのが良いでしょう。

構造物の近くでは上図のような水流が生まれ、脱出しにくくなっているので、注意が必要です。

溺れていても気が付きにくい

テレビで溺れている光景というのは水面近くでバシャバシャしていることが多いと思いますが、溺れている人は毎回そのような行動をとるわけではありません。

沈んでしまうと、水によって声が出せなくなります。
また、沈んで意識がなくなると体を動かすことが出来なくなりますので、バシャバシャとすることが出来ません。

加えて、段差のある川や流量のある川に行くと水の流れる音が結構大きく、小さな物音をかき消してしまいます。
また、海やプールと違って視界を遮るものが多いので、ほんのちょっとの先でも見えないことがあります。

少し大きな岩だったり、少しくぼみが大きくなっている川底だったり、川が曲がりくねっていたり。

特に小さなお子さんというのは普通の街中でも見失ってしまうものですから、川に来た時は絶対に目を離してはいけません。

海やプールと違って川には監視員がいないので、溺れている人を見つける目が絶対的に足りません。

・溺れる人は音もなく沈む
・周囲に雑音がかなりある
・死角がたくさんある
・監視する目が少ない

救助が難しい

川でおぼれた際に救助を難しくしているのは、溺れた人がそこにとどまっていないということでしょう。

周囲には死角があり、流された方向が分かっても、見失ってしまったり人が容易には行けないようなところ、行ったとしても危ないところへはなかなか行けません。

また、海やプールのように事故を想定して救助用具を事前に準備しておくことが難しいことも挙げられます。

救助のプロがいたとしても、その方々も装備や道具がなければ、簡単に救助には行けないのです。

救助後も、そこが山奥ならば、最寄りの病院まで時間がかかってしまうこともあります。
そういった時間的な問題が発生することもあります。

・溺れた人はそのままそこにはいない
・救助用具がないことが多い
・プロでも救助には道具が必要
・救助しても病院の搬送までに時間がかかることが多い

川で安全に遊ぶために

・ライフジャケットを着用する
・深いところには行かない(浅い川で遊ぶ)
・流されるようなものを持ち込まない
・天気に注意する

ライフジャケットを着用する


ライフジャケットという言葉を聞いて「なにそれ?」という人はいないほど言葉としては浸透していると思います。

しかし、実際に着用しているかというとそうではないこともしばしばあります。

特に、ライフジャケットを使用していない世代だと、使わせようという発想がないかもしれませんね。
特にぼくの世代はまだライフジャケットを身に付けたり、学校で習ったりしたことがない過渡期の世代だったので、知識としてあってもなじみがありません。

ライフジャケットは高いものでも5000円しない程度なので買っておいて損はありません。

ライフジャケットを身に付けることで、自分の力を使わなくても頭を水面から出すことが出来、呼吸ができるようになります。

ただ、ライフジャケットを着ていても絶対に安全という訳ではないので、そこは認識違いをしないでいただきたいところです。

深いところには行かない(浅い川で遊ぶ)

危ないところには行かないという発想ですね。
川は海と違って急に深くなる場所があります。

もし、子供と一緒の場合でしたら、大人が先に川に入ってみて、「ここから先は行ってはダメ」というように範囲を決めておくとよいでしょう。

もしくは、最初から深いところがある川にはいかないという選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。

お風呂で溺れる人がいるように、人はほんの少しの水でも溺れてしまいます。洗面器一杯の水があれば人は溺死してしまうのです。

また、腰より高い水位まで来たらそこは危険地帯という認識でいましょう。

流されるようなものを持ち込まない

子供にとって、自分のものが流されていってしまうというのは一大事です。
お気に入りの物かもしれないし、買ってもらったものを流してしまったら怒られるかもしれない…。

なので、持ち物が流されたらそこが危険かどうかにかかわらず追いかけていってしまいます

浮き輪やサンダル、ボール、帽子…。いろいろありますね。

なるべくならそういったものを持ち込まないようにしておきましょう。
または持ち込んだとしても大人の目が届く範囲で遊ばせるようにしましょう。

天気に注意する

何度も書いてしまいますが、天気が変わることで川の流れが変わってしまいます。
雨が降ってきたなと思ったらすぐに川から上がるようにします。

あるいは曇ってきて降りそうになったら少し様子を見るというくらいの用心深さがあってもいいです。

一番は天気が悪くなりそうな日は予定を変更するですね。
危なそうなところには近づかないようにしましょう。

次回

次回は水難に遭った時の救助について書いてみたいと思います。