ひとりぼっちだったら何が悪い!
という訳ですが、多くの人は他の人と一緒にいると安心感が得られます。
家族だったり、友達だったり、職場の仲間だったりしますが、みんながしている行動についついつられてしまうもの。
今回は「他の人がしていることを自分もしたくなる」という観点から文章術を見ていきましょう。
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他の人と一緒になりたい
「他の人」といっても実は2種類あります。
・(周りの)大多数の人
・自分が「いいな」と思っている人
他の大勢の人がやっていることは「流行っている事」と認識します。流行っていることを自分だけしていないという状況は流行に乗り遅れているかも?という不安な気持ちが発生します。
一方、自分が憧れている人や感じがいいなと思っている人がやっていることをしたくなる時というのは、その人と同じカテゴリーに入りたい、仲間として見られたいという気持ちがあります。
大多数の人と一緒になりたい気持ち
多くの人と一緒になりたい、という気持ちはみんながやっていることは正しい事なのでは?という気持ちからきています。
行為自体が正しくなくても、他の人がやっているからやってもいいんだ、という許しを自分に与えていたりします。
例えば横断歩道で信号待ちをしていたとします。車は見えている範囲では全くいないので、渡るのは安全ですが、信号というルールを破って道路に飛び出すのは、ためらわれますよね。
そんな時に他に待っている人がまだ赤なのに横断歩道を渡り始めたとします。すると、「渡ってもいいんだ」という気持ちが頭の中に生まれ、赤信号だけど渡ってしまえと言う気持ちになることが多いかもしれません。これは、人数が多ければ多いほど影響を受けてしまいます。
みんなが渡ってるから事故なんて起こらないっしょ
そんな考えだと車が突っ込んできた時に死にますよ・・・。
ヒィッ・・・
他には、会社で定時を過ぎて、残業をしている場合。本当は定時になったらさっと帰りたいのに、周りが残業しているからぼくもやっていかないと・・・。という考えを持っている人もいるでしょう。中々帰りづらい雰囲気ってあるものです。
逆に、みんながさっさと帰ると、残業しなくちゃいけないくらい作業が残っていても「今日は切り上げて帰るか」と思って残業しないこともあるはずです。
よし、定時を過ぎたけどもうちょっと頑張るか
私はもう上がります。お疲れさま。
トオル先輩、みんな上がるんだから今日はもう帰りましょう。
お、おう。あれぇ?みんな帰るの?じゃ、帰ろうかなぁ・・・。
強い信念がなく、立場を決めかねている場合は他の人と同じ行動をする、という流れに乗りやすくなります。
みんながしているから安心という事もありますが、裏を返すとみんなと違う行動をしていることが不安とも言えますね。
安心感を得たい、不安から逃れたい、そういった意味でも人と同じ行動をとりたくなります。
「いいな」と思う人と一緒になりたい気持ち
芸能人、スポーツ選手、アーティストなど、憧れたり感じがいいなと思う人は何人かいるかもしれません。
そんな人たちと自分を重ねたい時に、同じ属性にいたいと思う気持ちがあります。
スポーツで日本代表が頑張っている時に、その競技のファンの人たちは選手たちと似たような格好をしますよね。
サッカーの日本代表が頑張っている時は、スタンドのサポーターたちは日本代表のユニフォームと同じシャツを着て応援しています。スタンドがブルーのユニフォームで埋め尽くされている光景はよく目にするでしょう。
「サムライジャパン」という言葉で日本代表を表現する時に、サポーターの方も同じ格好をして「サムライジャパン」として応援したいという気持ちが生まれてきます。
同じユニフォームを着ていると一体感あるよな
と考える人が多いように、自らの事を「サムライジャパンの一員」というカテゴリを自分の中に持つことで憧れの人と距離が近くなったような気がするからです。
あるいは、野球では「○○選手モデルのバット」「××選手モデルのグローブ」と言ったものもありますが、その選手が使っているものと同型の物を使用することによって、繋がりを感じたり、自分もその仲間と思えるようになります。
それぞれへのアプローチ
タイプが2種類あることはわかりましたが、どのようにアプローチしたら気持ちを動かされるのか見ていきましょう。
属性を意識して訴えかける
属性が分かればその属性に着目して相手に訴えかけることが出来ます。
・年齢
・趣味
・性別
・収入
属性はたくさんありますが、主な所は上記の通り。
統計などを利用して、大多数はこうだけど、というアプローチが出来ますね。
20代女性の平均貯蓄は200万?今からできる貯蓄術
などとすれば、平均貯蓄額より低い貯蓄の人は
えっ、私って平均以下なの?みんなどうやって貯めているのかしら・・・
と興味を持って読んでくれます。
「平均」の部分は「大多数は」と読み替えて読んでくれるところがありますよね。
大多数の人はこうなっているけれど、もうそうじゃなかったら、こうしたら改善できますよ、という流れにすることで他の人と一緒のようになれる、という気持ちを後押しできるのです。
こういった人をカテゴリー分けしたキャッチコピーを注目してみると、身近にたくさんあります。
・受験生なら必携の一冊!
・ハンバーグ好きがおススメするあの名店!
・コンタクトレンズが怖いと思っている方ばかりでした
ちょっといやらしい見方をすると、キャッチコピーの解釈は以下の通り。
・受験生なら必携の一冊!
↓
受験生はみんな持っているけど、あなたは持っていないの?じゃ、買わなきゃ。
・ハンバーグ好きがおススメするあの名店!
↓
ハンバーグ好きなら知ってるよね?え、知らない?それならハンバーグ好きとは言えないねぇ。知っておかないと
・コンタクトレンズが怖いと思っている方ばかりでした
↓
怖いと思っていたけど、多くの人はコンタクトに替えましたよ。あなたはまだ?怖くないですよ
言葉の外側で「みんなはこうしているけれどあなたはどうするの?」という問いかけが行われています。
そこで、みんながやっているならという気持ちが行動を起こさせます。
大多数の流れとは違う事をデータを交えて伝えてあげるとより説得力が増し、アクションする気持ちをゆさぶることになります。
「つながりたい相手と一緒」をアピールする
子供に大人気のYouTuberのHIKAKINさんが愛用しているグッズがあれば、子供たちにとって「HIKAKINさんが使っているもの」として、自分も同じものを持ちたいと思うようになります。
HIKAKINさんは子供の頃にこんな道具を使っていた?!便利な文房具まとめ
等としたら、「同じものを使っている」という気持ちと「同じものを使っていたらHIKAKINさんのようになれるかも」という、二つの面から購入という行動に走るかもしれませんね。
これがただ単に「便利な文房具まとめ」だけだったら、文房具好きな人には響くかもしれませんが、「HIKAKINさんは子供の頃にこんな道具を使っていた」を加えることで、HIKAKINさんに憧れる子供たちに、よりアピールすることが出来るようになります。
まとめ
横並びの行動をとってしまうのは以下のような理由でした。
・みんなと一緒という安心感が、同じ行動をとらせる
・みんなとは違うという不安が、改善行動を促す
・有名人や憧れの人とつながりたいと思う時に同じものを持ったり同じ行動をとりたがる
そこで、対象の属性に注目して、「他の人の多くはこうやっていますが、あなたはどうしますか?」という問いかけを行う事で、相手の行動を促すことが出来ます。
まずは、「持っている」「持っていない」、「達成している」「達成していない」などに着目して問いかけを作ると相手に訴えかける文章が作りやすくなります。