とは言いつつも、これに関しては「私も苦手」という方がいるんじゃないでしょうか。
なるべくなら出たくない、なんなら営業時間中は電話が鳴らないでほしい・・・とまで思う人がいるかもしれませんね。
ある程度の人数がいる会社では、電話応対専用の方がいらっしゃったりするようですが、そうではない会社では個々で応対するしかありません。
その時、全く出てくれない人がいたりするものです。そういった方にも電話応対してもらうためにはどうしたらいいか見ていきましょう。
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電話に出ない人のタイプ
電話応対してくれない人は、いろんな理由で出てくれないわけですが、その理由を理解すると、対処方法が見えてくるかと思います。
考えられるタイプは以下の四つです。
・時間当たりの単価が高い人
・電話をとるのが仕事に含まれていないと考えている人
・電話をとる必要がないと考えている人
・電話をとるのが怖い人
時間当たりの単価が高い人
単価が高いとなぜ電話に出ないのかしら・・・?
時間当たりの単価が高いという事は、その人は価値の高い仕事をしないといけないと考えている場合があります。
自分の仕事内容と電話応対を比べて、電話応対の価値が低いと感じていると自分の仕事を優先してしまいます。
一時間あたりの単価が6万円の人は、1分間で1000円の価値を生み出していると思っています。
一方で、1時間当たりの単価が3万円の人は、1分間で500円しか価値を生み出していないのだから、電話応対はその低価値の人がやればいい、という考え方です。
電話をとるのが仕事に含まれていないと考えている人
例えばですが、派遣社員やアルバイトの方で、「俺の仕事じゃない」と考えている人がいるかもしれません。
派遣社員などは仕事の範囲が定められているので、契約書に「電話応対」と明記されていなければ、電話をとらなくてもいいと考える人がいますし、もしかしたら派遣元から「とらなくていいです」と指導されていることがあるかもしれません。
電話をとる必要がないと考えている人
他力本願な人で、「誰かがとるから自分がとらなくても大丈夫」と考えている人で、周りを気にしない人だったりします。
そして、多くの職場では「3コール以内に取る」といったように早めに電話に出ることを推奨しているので、誰も出ない状態が続くと
これはいけない!
と思った人が良心の呵責に耐えられずでてしまうという、ある意味、鳴る電話を前にしてどこまで出るのを耐えられるかという電話チキンレースになっていたりします。
そんな事に頓着しない強心臓の人のみが電話を無視し続けられるということに。
職場でこのタイプの人がいましたが、一回部内で問題になった直後ちょっと出るようになりましたが、その後はまた元通りになりました…。
電話をとるのが怖い人
このタイプが一番多いのではないでしょうか。
なぜ怖いのかというと
- わからないことを聞かれるのが怖い
- わからないときに怒られるのが怖い
- 間違いがあった時に怒られるのが怖い
ということがあります。
電話の向こうの人は、こちらが割とすべての事を把握していると思ってかけてきますが、こちらは完璧でないことなんていくらでもあります。
そんな体制ってどうなんですか?
と思うかもしれませんが、新規に配属された人が部署に来たばかりの場合は、仕事の状況や近くにいる人の顔や名前を把握していないこともあります。
大きな会社ならそんなことはないかもしれませんが、中規模くらいの会社ではよくある事でしょう。
小規模な会社なら大体の事は目に入る範囲で収まるので知らないことがそれほど多くなりません。
それはさておき、ではどうやって電話をとるようにさせたらよいか見てみましょう。
電話をとらせるための方法
では、電話にどうやったら出てもらうことが出来るのでしょうか。
時間当たりの単価が高い人に対して
ちょっと矛盾してしまいますが、実はこのタイプの人にはとってもらわない方がよいです。
電話の取次ぎは他の人に任せて専念してもらうことが全体としての利益は上がります。
そんなの不公平じゃないか
と思われるかもしれませんが、仕事の結果に差があるならば待遇が変わることもある、という事を覚えておくとよいと思います。
例えば、社長がグリーン車やビジネスクラスで長距離移動しても、それに見合っていると考える人は多いですよね。
それほどの仕事をしていると考えれば、不満は出ません。
逆に言うと、時間当たりの単価が異なっている人と同じくくりで済ませてしまっている人員配置が問題かもしれません。
時間単価の高い人は電話を取らせないようにする
電話をとるのが仕事に含まれていないと考えている人に対して
まずは、実際に電話をとることが仕事に含まれているかという事を確認しましょう。
仕事に含まれていないのなら、強要することはできません。
また、含まれていないという事を当人以外に周知することが必要です。
状況が分かっていないと同じ部署にいる人は同じ仕事をして当然と考えます。
しかし、派遣社員の人が同じ待遇で働いていないという事は理解はできます。
そしてそのうえで、仕事に含まれていないことを説明できれば納得することが出来ますよね。
ここで、もし仕事に含まれていた場合はきちんと指導をして積極的に電話に出るように教育しないといけません。
ここでの教育は下の「電話をとるのが怖い人」の欄に書いておきますので、そちらを参照ください。
電話をとる必要がないと考えている人
このタイプの人が一番改善が見込めないタイプです。
とらなくても何とかなっているというのが一番の厄介どころで、何とかなっているのは他の人のおかげなのですが、そこを理解できていない場合があります。
ここで、この電話をとらない人をAさんとしますが、Aさんあてにかかってくる電話を他の人にとってもらう事はあっても、Aさんが他の人あてにかかってきた電話をとることはないわけです。
そうなると、不公平と思ってしまうかもしれません。
ならば、Aさんあての直通電話があれば事足ります。
もしくはナンバーディスプレイの導入です。
Aさんが出たくないのは無駄な事はしたくないという気持ちが根底にあります。
なので、出る価値のある電話だということが分かれば出てくれる可能性は高くなります。
普段はそんなに出てくれないAさんでも協力会社に電話をした後に、その会社からすぐに折り返しが帰ってきた場合は率先して出ていました。
この電話は自分あての電話だということが分かれば、他の人から取次してもらう行為が今度はムダなことになってしまうからです。
という訳で、個人直通かナンバーディスプレイを検討してみてはいかがでしょう。
えっ、じゃこのAさんの態度を改めることはできないの・・?
はい。この手のタイプは電話に出ないことが自分にとってマイナスになることがはっきりするまで、改善されることはありません。
得かどうか、で行動するかどうかを判断しているなら当然のことですね。
意識改革を行うには個別指導が必要になると思いますが、そんな時間もないかと思います。
もし可能性があるなら、電話で仕事をする時間がとられてしまっていつも残業になってしまう、などを訴えかけると気の毒に思って出てくれる場合もあります。
とは言いつつ、改善は難しいですね。
電話をとるのが怖い人に対して
このタイプだけは実は具体的な方策がたてられます。
なぜなら、電話に出ない理由が気持ちではないところにあるからです。
わからない、失敗したくないという事が原因なのであれば、わかるように、失敗しないように教育することで改善が見込めます。
- 周囲の人の名前を覚えさせる
- かかってきそうな相手先候補を伝えておく
- いったん出てすぐに替わることを覚えてもらう
配属されたばかりの時は身内の取り次ぐべき相手がわからない事があります。大きなフロアだったりするとどの部署がどのあたりかということが分からないこともあるでしょう。
その時は、事前に名前と席順が分かるような座席の一覧を用意しておくとわかりやすいですね。
一覧になっていれば、電話の後に復習することもできます。
次はかかってきそうな相手を伝えておくことも大事です。
電話に出るのに緊張していると、うまく聞き取れないこともありますし、何回も聞き返すのが悪いと思ってしまう事もあります。
かかってきそうな相手の名前が分かっていれば、うまく聞き取れなくても「あ、この会社なんだ」と思って情報を補完することが出来ます。
最後に、かかってきた電話に出てもらってすぐに交代するという事も有効です。
電話に出たくないというのは慣れていないので失敗するという事が大きな原因です。
とりあえず出てもらって、「電話はそんなに怖いものではない」ということが分かれば、電話に対する恐怖は減っていきます。
習うより慣れろ、の精神ですね。
実際、コツをつかんでから電話に出るのが苦じゃなくなる人も多いのです。
以上の点を気をつけてみましょう。
電話でしてしまいがちな事
ぼくの体験談になりますが、相手に聞き返すのが悪いと思ってしまって、なんとなくそのまま話を聞いてしまって、あやふやなまま電話を交代してもらうことがありました。
相手先がよくわからないというのは一番よくないのですが、代わりに出てもらった人がしっかりした人だったので問題が大きくなることがなかったです。
聞き返すのが悪いと思っても、話が通じないまま話が進んでしまうと、あとでお互いが損をする事になりかねません。
少しお電話が遠いようですので、もう一度おうかがいしてよろしいですか?
相手のせいにせず、電話のせいにして聞けば腹を立てる人はそんなにいないでしょう。
また、繰り返してきくと、相手の方も
あら、こっちの発音が悪かったのかしら・・・?
と思って、聞き取りやすいように改善してくれることが多いです。
電話はかける方と受け手がいるのですから、どちらかだけの責任という事はなく、お互いが聞き取りやすいように相手を思いやることが大事です。
- はっきりしゃべる
- ゆっくりしゃべる
このふたつを心がけてみましょう。
わからなくてもそんなに怒らせない方法
電話をかけてくる用事というのは、目当ての人としゃべりたい、もしくは問題が起こっていることを解決したいのどちらかでしょう。
電話一本ですぐさま解決!という事を望んでいる人は半数くらいでしょうか。
そこで、電話を受けた人本人がその場で解決できなくても、解決までの進展が見られればかけた方としては納得がいきます。
××の件でお伺いしたいので担当者のAさんに連絡を取りたいのですが
この時に、××のこともわからず、Aさんも不在だったとしたら、どうしたらよいでしょうか。
・××の事に詳しい人を代わりに呼ぶ
・Aさんに連絡がとれるようにする
上記のように、この場では対処できないけれど、解決に向けて取れる手段を示せばかけてきた方は納得してくれますよね。
直接の解決にはならないけれど、解決に近づく方法を示せればそんなに怒ることはありません。
まとめ
ぼく自身電話応対が苦手に感じている部分があり、それでも以前よりはなんとかやれるようになりました。
なるべくなら出たくないという気持ちはありますが、仕事なんだから出ないといけないよなと思う事もあります。
何度も電話に出ているうちに、「怒りながら電話をかけてくる人はほとんどいない」ということが分かりました。
仕事の環境にもよりますが、ぼくの職場ではそうだったので、電話に出るのがずいぶん楽になったように思います。
もし怒鳴り込んでくることが日常茶飯事のような職場ではこうはうまくいかなかったもしれません。
とりあえず出てもらって、あとは慣れている人がフォローする。
これをとりあえず試してみてください。