密輸に失敗したら何が悪い?
タイから覚醒剤およそ50キロ、末端価格で30億円相当を密輸したとして、イラン人の男らが逮捕された。覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されたのは、イラン国籍のオミディアン・アリレザ容疑者と韓国籍の妻。警察や税関によると、オミディアン容疑者らは先月、覚醒剤およそ50キロ、末端価格で30億円相当をタイから貨物船で横浜港に密輸しようとした疑いが持たれている。2人は今月7日、税関が覚醒剤と入れ替えた岩塩を所持した麻薬特例法違反の疑いで逮捕されていた。調べに対し、オミディアン容疑者は「覚醒剤を輸入していません。何も知りません」と容疑を否認しているという。警察は、背後に密輸組織が関わっているとみて調べている。
出典: www.news24.jp
何が悪いかはわかりませんが、例えばこれが個人事業主ではなく、麻薬シンジケートの一員だとしたら、イラン国籍のオミディアン氏は消されてしまう可能性が高いのでしょうね…。合掌。
ところで、夫はイラン国籍、妻は韓国籍。
婚姻関係と国籍は関係ないの?
婚姻関係を結んだら国籍ってどうなるの?と思って調べてみました。
結婚したら国籍はこうなる
ちなみに、日本で婚姻届けを提出する場合を想定しています。
外国籍の男性と外国籍の女性が結婚する場合
日本では婚姻関係を結ぶだけでは国籍は付与されませんので、外国籍の男性も外国籍の女性もその国籍のままです。
日本国籍を取得する場合は帰化申請をする必要があります。
日本人の男性と外国籍の女性が結婚する場合
日本人男性の国籍は変わりません。相手方の国籍を取得する場合はその外国において国籍取得手続きを行わなければなりません。
日本人女性と外国籍の男性が結婚する場合
このパターンがいくつか分岐します。
1.相手の国の国籍になる
外国の一部では婚姻に際して「妻となる者は夫の国籍を取得する」と規定している国があります。
この場合は相手方の国籍を自動的に取得するために一時的に二重国籍状態になります。
そのため、どちらかの国籍を選択して届け出をしなければなりません。
届け出をしないと(22歳以前に二重国籍になっていて)22歳になってから、または二重国籍を取得した日のどちらか遅いほうから2年後までに国籍を決定しないと法務省から催促の通知が届き、それを放置していると1か月後に日本国籍を失うことになります。
ちなみにこの「妻となる者は夫の国籍を取得する」と規定している国は以下の国です。
アフガニスタン、イラン、エチオピア、サウジアラビア、ヨルダン、ジンバブエ
2.相手の国の国籍を選択できる
これは1番と同じようですが、強制的な取得がありません。選択式です。
何もしなければ自動的に取得されますが、拒否できるわけですね。
拒否すると日本国籍だけになりますので、手続きがいりません。
以下の国では自動的に国籍が付与されますが、拒否もできます。
ソマリア、ガボン、セネガル、コートジボワール、中央アフリカ、チャド、トーゴ、ドミニカ共和国、マリ、ルワンダ
3.特に変わらない
その他の国のお相手とは婚姻関係を結んでも国籍の取得には至りませんので、特に手続きは必要ではありません。
逆に相手方の国籍が欲しい場合は国籍喪失届や、国籍離脱届の提出が各市町村役場や、外国ならば大使館・領事館に届ける必要があります。
国籍喪失届を提出(外国籍の選択)する場合
当該外国籍の国で国籍を選択した後、国籍選択を証明する書類と国籍喪失届を市区町村役場や大使館・領事館に届け出ます。
国籍離脱届を提出(日本国籍の離脱)する場合
外国籍を有する事を証明する書類と国籍離脱届を市区町村役場や大使館・領事館に届け出ます。
子供の国籍はまた別
子供の国籍はまた考え方が変わります。
生地主義
両親の国籍にかかわらず、生まれた国の国籍を取得するという考えです。
血統主義
両親の国籍を受け継ぐという考え方ですが、これには二通りあります。
父系優先血統主義
父親の国籍を取得する
父母両系血統主義
父親、および母親の両方の国籍を取得します。
具体的に考えるとこんな感じになります。
相手国が父系優先血統主義
日本人女性と外国人男性の間に生まれた子は、日本国籍と外国国籍の二重国籍となります。
日本人男性と外国人女性の間に生まれた子は、単一の日本国籍となります。
相手国が父母両系血統主義
性別に関わらず日本人と外国人の間に生まれた子は、日本国籍と外国国籍の二重国籍となります。
子供を産んだ国が生地主義
性別に関わらず日本人と外国人の間に生まれた子は、生地主義国で生まれればその国の国籍と日本国籍の二重国籍となります。
国籍の届け出方法
日本国籍を取得する場合
外国国籍喪失届を提出(外国籍の離脱)する場合
当該外国籍の国で国籍を離脱した後、国籍離脱を証明する書類と外国国籍喪失届を市区町村役場や大使館・領事館に届け出ます。
国籍選択届を提出(日本国籍の選択)する場合
日本の国籍を選択して外国の国籍を放棄するという内容のの国籍選択届を市区町村役場や大使館・領事館に届け出ます。
外国籍を取得する場合
国籍喪失届を提出(外国籍の選択)する場合
当該外国籍の国で国籍を選択した後、国籍選択を証明する書類と国籍喪失届を市区町村役場や大使館・領事館に届け出ます。
国籍離脱届を提出(日本国籍の離脱)する場合
外国籍を有する事を証明する書類と国籍離脱届を市区町村役場や大使館・領事館に届け出ます。
国際化が進んで国際結婚もそんなにないとは言えない時代になりました。
面倒なことになる前に手続きを済ませておきましょう。
うーん、ぼくはそんな事態はいつ来るのでしょうか…。