出入国管理法改正案通過 ~外国人が入ってきたらどうなるの?~

2019年7月19日

空の勇者たち

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出たり入ったりしたら何が悪い!

ってことで出入国管理法改正案が衆議院を通過しました。

移民法案とも呼ばれて、外国人の移民が日本に多く流入してくるのではないかという不安と、若い世代が少ないため、次代の労働力不足の解消という期待が持たれていますが、ざっくりと解説してみます。

今回の法改正のポイント

日本で就業する外国人に対して

特定技能1号
特定技能2号

の2種類の区分をを新設することが目玉となっています。

特定技能1号は在留期間が通算5年で家族帯同を認めない、つまり労働者本人しか滞在してはいけませんというくくりの人たち。

特定技能2号は熟練した技能を持つ労働者に対して家族帯同を認め、条件を満たすことで事実上の永住(在留期間の更新が出来る)も可能になりますよというくくりの人たちです。

何が問題になりそうなのか

問題や心配ごとがなければすんなり通るものですが、問題になりそうなことを挙げてみます。

外国から人がやってくる

当たり前ですね。でも、これは「日本に住んでいる外国人を雇う」というのとは訳が違って、「日本のことを知らない外国人を雇う」ということです。

前者は、ある程度日本のことがわかっていると予想されますが、後者は日本の事はわからない。ぼくたちも入ってくる外国人の方のしきたりなんかはわかりません。

そこで、トラブルが生じる可能性があります
ささいなことだと思っていても当人にとってみたら大変なことかもしれません。

例えばハンドサインなども意味は世界共通ではなく、その国固有の意味があります。ピースを表すVサインや人差し指と親指で輪を作るオッケーのハンドサイン、ヒッチハイクの時やいいね!の時に使うことのある親指を立てるハンドサインでさえ、侮辱や卑猥な意味を持つことがあります。

宗教もそうです。
日本では無宗教または、家が何となく仏教という方が多いのではと思います。宗教によって、行動が制限されることはほぼないのではないでしょうか。

外国の方は宗教が、行動や思想のバックボーンになっていることが多いです。そこを理解しないと、宗教的に酒がだめな人に酒を勧めたり、肉がだめな人に肉を勧めたりして摩擦が生じるかもしれません。

このように、育った環境が違う人たちの流入によって、軋轢が生じる可能性が高くなります。

コミュニティを形成する

特定技能2号に認定された技術者は家族を伴って来日します。
技術者は働きにでるからいいとして、その家族は何をするでしょうか。日本の社会に溶け込むでしょうか?

いや、完全にはそうはならないでしょう。
例えば、語学留学で海外に行ったとして、言葉が不自由なのに外国のコミュニティにとけ込めますか?

無理ではないでしょうか。
その土地で仲間を見つけると思います。
同じ留学生、同じ日本人、日本語をしゃべれる人…。
コミュニケーションがとれる人たちで固まり、集団を形成するはずです。

それはそれでよいと思いますが、外国人の方が集まり、コミュニティが大きくなってくると権利を主張し始めます。
そして、意見が通らないとしたら、集団ボイコットなどもあるでしょう。
労働力を外国の方に頼っていた場合、業務がたちゆかなくなる場合もあるはずです。

そういうことも加味して労働をお願いしなければなりません。

人数が把握できなくなる

不法滞在をしている方を見つけて、本国へ送り返す為の人員はどれくらいになるのでしょうか。

外国人労働者の方が家族も含めて100万人以上になったとしたら、きっと入国管理局員の人数が足りなくなるのではないかと思います。

入国管理局員は総数で4000人足らずです。
増員したとしても対応が大変になることは想像に難くありません。
より多くの外国人を受け入れるとなると、さらに増員が必要になります。
不法滞在の人が多くなっても分からなくなってしまう(追跡しきれない)のではないでしょうか。

犯罪を犯す人が一定数出てくる

これは母数が大きくなればなるほど出てきます。
働きに来たけれど、たちゆかなくなってしまう人も出てくると思います。
でも、その時に「本国に帰る」という選択肢はないわけです。

仕事がなくて日本に来たので、帰っても仕方ない、または生きていけるかわからないので、なんとか日本でやっていくしかない。
でも、仕事はうまくいかない。ならば…。
みたいな感じでしょうか。
受け入れ先がちきんと対応して行く必要があります。

日本人の給料が減る

これは経営者の意識にもよりますが、外国人労働者が仕事を覚えてほぼ日本人と同等の働きが出来た場合、日本人の給料が減るかもしれません。

外国人労働者の方は20万でも満足!となる方がいるかもしれません。本国の賃金と比べたら高く、日本人からしたら薄給でも十分な額だからです。

そんな時に、「ふむ、頑張っているから日本人の額と同じにしよう」とはならないはずです。
逆に「外国人の方と同じ仕事なんだから、そんなに高くなくてもいいのか?」と思って下がる可能性もあります。

最悪、非正規雇用の方は解雇されてしまう場合も…。

と言うように悪そうな事ばかり書いてしまいましたが、そういった面もあることを理解しながら法案の成り行きを見守っていきたいと思います。

最後に

他国から働きに来てくれる外国人の方が悪いわけではありません。

お互いを尊重しあってうまくやっていければそれが一番なのだと思います。
出入国管理法改正案が今後どうなるか気にしていきたいですね。

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