というわけで、囲碁の最年少プロ棋士として仲邑菫(なかむら すみれ)さん(9歳)が平成31年4月1日付で採用されることになりました。
今年の4月1日からプロ棋士として採用される見込みです。
このニュースを見た時に「英才特別採用推薦棋士制度」という言葉が気になりましたので調べてみました。
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英才特別採用推薦棋士制度とは?
今回の採用の方法として使われた英才特別採用推薦棋士制度とは、日本棋院によりますと、
<趣旨>
棋道の継承発展、内外への普及振興を目的とし、囲碁世界戦の優勝を目指すなど、最高レベルの棋士となるべく、英才特別採用推薦棋士制度を新設した。
とあります。
ざっくばらんに言いますと、
囲碁界のために才能のある若い人を採用し、英才教育して囲碁を盛り上げるぜ!
ということですね。
英才特別採用推薦棋士制度の選考方法
選考方法も日本棋院からの引用になりますが、以下の通り。
<採用基準>
候補者の実績と将来性を評価し、日本棋院の現役7大タイトル保持者および、ナショナルチーム監督とコーチ3分の2以上の賛成により、審査会及び常務理事会を経て決定する。
尚、日本棋院の棋士2名以上の推薦があるものを候補者とする。
<採用年齢>
原則として小学生とする。
採用基準を読んだだけですと、実技テストはなく、過去の実績を考慮して推薦によって決まるようですね。
そして、原則、小学生の頃に実力を発揮した者だけが採用される仕組みです。
とはいえ、推薦されるだけの実力、審査会で納得してもらえる成績がないといけませんので、対局による試験がないとは言っても、そこまでに血のにじむような努力が必要なことはわかります。
それも、小学生でいる間に成し遂げなければならないので、四六時中囲碁漬けになりそうだということは想像に難くありません。
通常の採用試験
日本棋院と関西棋院がありますが、どちらも採用試験として、応募者同士で対局をし成績上位の者を採用しています。
複数名とのリーグ戦のような形になるので、試験期間は長くなります。
詳しくは日本棋院のプロ棋士志願者募集ページをご覧ください。
特別推薦棋士から正棋士になるには
英才特別採用推薦棋士制度で採用された棋士は特別推薦棋士とされ、通常の採用試験を通過してきた正棋士とは異なります。
では、特別推薦棋士が正棋士となるにはどのような方法があるのでしょうか。
ただしここで採用された棋士は特別推薦棋士としてあつかわれ、正棋士になるためには以下の条件を満たす必要があります。
正棋士になる条件
五段に到達する
リーグ入りする
タイトルを獲得する出典: yuki19925704.com
小難しいことはなく、精進して実力を身に付けていけばなんとかなりそうですね。
仲邑菫さんの実力
平成31年1月6日に井山裕太五冠と対局がありました。仲邑さんはほとんどハンデのない「先番」で挑戦。
中盤まで井山五冠を圧倒していましたが、その後形勢は逆転し、最後は対局予定時刻を過ぎて「打ち掛け」(時間切れによる対局終了)の引き分けとなりました。
対局後のインタビューで井山五冠は
「菫さんのこの1年の成長速度、努力に驚いている。9歳の年齢でこれだけの実力があるのは本当にすごいこと。今まで見たことがないし、自分の9歳のときとは比べものにならない」
「すごい棋士になるのは間違いない。近い将来、本番でやられると思うので、今日はがんばろうと思った」
と絶賛されていました。
将来、囲碁の強い中韓に対抗しうる人材として期待が持てそうです。活躍が楽しみですね。
ほかの分野でも若手育成の動き
今回は囲碁の若手育成でしたが、スポーツの分野ではよく耳にする話です。
ただ、それもメジャーな競技に限ったことでマイナーな競技ではそういった動きは見られません。
若い人たちにとって自分と歳の近い人が頑張る分野というのは、それだけで興味の対象になりますし、また応援したくなるものです。
囲碁だけにとどまらず、各方面で若手育成の動きが活発になると、それぞれの分野が注目され成長著しいことになりそうです。
若い人を育てることがその業界の未来につながると信じて、教育指導していきたいものですね。
2019年7月8日追記
史上最年少でプロ入りした囲碁棋士の仲邑菫初段(10)が8日、大阪市で行われた第23期ドコモ杯女流棋聖戦予選で田中智恵子四段(67)に勝ち、公式戦2戦目でプロ初勝利を挙げた。
10歳4カ月での達成で、藤沢里菜女流3冠(20)=女流本因坊・同立葵杯・同名人=が持つ最年少勝利記録(11歳8カ月)を大きく更新した。
出典: www.jiji.com
二戦目で初勝利という事でそれまでの最年少勝利記録を大きく更新したそうです。
孫とおばあちゃんのような対局ですが、どちらも真剣勝負。田中智恵子四段も侮ることなく序盤から攻め、87手目で仕掛けていきましたが、それをかわされ逆転につながったようです。
最終的には146手で中押し勝ち。仲邑菫初段の強さをうかがわせる対局となりました。