十日町PのDTだったら何が悪い!

無料で読める【ミスター味っ子】うーまーいーぞー!通!少年料理人が工夫をこらす料理エンターテイメント!




料理マンガは今も昔も人気ジャンルのひとつですが、アニメ化もされ、確固たる地位を築いているのはミスター味っ子でしょう。

若い人は知らないかもしれませんが、今読んでも面白さは色あせません。

そんな料理マンガ【ミスター味っ子】を今回はご紹介いたします。

こんな人におススメ

ミスター味っ子はこんな人におススメです。

  • 手軽にマンガを読みたい人
  • 謎解きが好き
  • 努力している人が好き

真剣勝負はあっても暗くはならない世界観

ミスター味っ子は少年料理人、味吉陽一(あじよしよういち)が、数々のライバルたちと料理勝負を通じて、料理の腕をみがき、成長していくストーリーです。

悪い組織として味将軍グループが登場したりしますが、それは作品中からするとほんの少しです。

多くは知り合いのお店に競合店が現れ、売り上げが減り、「陽ちゃんどうしよう~っ?!」となったところで、助っ人に乗り出すというパターンが多い。
その世界のなかではギスギスとした雰囲気はなく、楽しく読めるエンターテイメント料理マンガになってます。

陽一は日之出食堂を営んでいるので、いわゆる何でも屋。興味がある料理なら、ジャンルを問わず首を突っ込んで、作り方が分からなくても自分で学んでものにしているからすごい。

長く修業が必要なお寿司やうなぎも、執念の修行で普通以上の物を作れるようになるから大したもんです。

一つのストーリーが3~4話程度で構成されていて、サクサク読めます。1巻にだいたい2つのストーリーが収められているので、複数巻にまたがることが少なくストーリーを読み切ることが出来ます。

登場人物は作中通して出てくる人もいますが、味皇(あじおう)様、丸井のおっちゃん、堺一馬(さかいかずま)あたりを抑えておけば、特にわからないことはありません。
全19巻なので複数回出てくると言っても、3回くらいしか出てこれなかったりします。

たまにギャグっぽくなることもいいアクセントですね。

謎を絡めて次回に続くことが多い

というか、ほぼそういう構成になっているかと思います。
「あの白い粉は何だ?!」
「陽ちゃんどうするの?!」
「こいつはいったいどうやったんだ?!」
という感じで次回に続きます。

連載当時のマガジンの作品を見ていると、割と謎を次回に引き継いで終わるようなものが多かったような気がします。
興味を持ってもらって、次号も買ってもらうというのは当たり前なのですが、一週間も答えを待たせられたので、余計にそんな印象が強いですね。

工夫はこういう仕掛けなのさ!という説明を読んですっきりするのは、何も金田一少年の事件簿のような事件ものの特権ではなく、料理というジャンルでもふんだんに取り入れられています。

なので、謎→解決という流れが好きな人は受け入れられるのではと思います。

戦うために料理をせず、人のために料理をしている

陽一は成り行きで勝負を受けることがほとんどですが、困っている人を助けるために勝負しています。

料理を食べることで幸せになれるように、問題解決ができるように料理を通じて努力しています。
誰かのために頑張る姿を見るのは気持ちがいいですね。

大人になってから見方が変わったシーン

最序盤の頃の話でいわしグラタン対決というものがありました。

同級生の江川の体が弱く心配した陽一が家に呼んで料理をふるまいますが、そこに江川の母親が現れます。
江川の母親は汚い大衆食堂で息子が料理を食べることにケチをつけ、それにカチンと来た陽一が自分の方があんたよりもうまいグラタンを作れるぜ!といきまいて料理勝負になるという話です。

試食係は同級生の江川。
江川の試食中のひと言に「母さん、おいしいよ」というものがありました。
その次のコマで江川の母親が本当にうれしそうな顔をしていることに最近気がついて、親が子を思う気持ちというのをこのマンガはきちんと描いていたんだと思いました。

自身が子供の頃はそんなことに全く気が付かなかったし、そこまで気が回らずにいましたが、読み返してみるとそういった細かい表情に気が付くことが出来ました。
もし子供の頃に読んだ切りの人がいたらもう一回読んでみると新しい発見があるかもしれません。

味吉陽一の料理にかける思いはどのジャンルにも通じる

先に陽一じゃなくて味皇様の言葉を引用しちゃいますけど。
「料理の工夫にこれでいいという事はない。さらなる工夫が料理を高めるのだ」
すみません、今手元になくてうろ覚えですが。

現状に満足しないでさらなる高みを目指す、という行為はどの分野でもある事だと思います。
もういいや、と思わずに、もっとよいものを作るにはどうしたらいいか、と考え続ける力、継続する努力、そういったものを料理を通して表現しています。
すばらしいですね。

今度は陽一の言葉。
「食べてくれなかったのはオレの料理がまずそうだったからさ。次は食べてくれるようにがんばるよ」
これもすみません、うろ覚えです。

出産後にお乳が出なくて、栄養食を食べさせようとしたけれど、嫌いなものがたくさん入っていて箸をつけてもらえない時に言った言葉。

努力した結果が駄目でも、次こそはと思って、諦めたりしない。
結果がでなくてもあっけらかんとしてどんどんと挑戦していく陽一にたくましさを感じます。
自分の努力がうまくいかなくても相手に受け入れられるにはどうしたらいいかだけを考える姿勢がまぶしい。

確かそんなに大きなコマじゃなかったと思いますが、印象深い一コマです。

アニメは過剰演出が大うけ

うーまーいーぞー!
世間的にはアニメで「ミスター味っ子」を認識している人の方が多いかもしれません。

アニメ版は監督の今川泰宏さんが独特の演出を付け、味皇様が巨大化したり大阪城を壊したりというのは、もう当たり前。
食べて体のどこかが光らない方が違和感があるくらいのものになりました。

味っ子のアニメを見た作者の寺沢大介さんもその演出に影響を受け、サンドイッチ対決の時に陽一に「ペガサス流星拳」を打たせたり、いい意味で逆輸入されていました。

ぼくは地方出身なので、テレ東の番組は早朝にしかやっていなかったので、味っ子を見るためには朝6時に起きる必要があり、あんまり観れていません(笑)
Youtubeやニコニコ動画などに演出が上がっていることもあるので、気になる人は見てみるとよいでしょう。

無料で読めるサイト

TORICOが運営するスキマという無料マンガサイトでは、ミスター味っ子が56話まで無料で読めます。

ただ、一気に読めるわけではなく、全て読むのには時間が必要です。
ログインして読むためのチケットをもらうタイプのサイトですので、時間がある時に少しずつ読み進めるようにすると長く楽しめるのではないかと思います。

スキマのミスター味っ子紹介ページ

最後に

寺沢大介先生の作品は「将太の寿司」やドラマにもなった「喰いタン」など面白いものがたくさんありますので、他の作品も読んでみることをお勧めします。
もちろん、WARASHIも好きですよ。

ミスター味っ子 全10巻完結


将太の寿司(1) (週刊少年マガジンコミックス)