痛ましい事故が多くやりきれませんね。
加害者の方も被害者の方も事故なんて起こしたくないし、事故に遭いたくありません。
事故を完全になくすには車に乗らないようにするしかありませんが、現在の状況では難しいでしょう。
そこで、運転動作を見直すことで事故を起こす可能性を下げるようにしましょう。
ちょっとした気配りで誤運転を減らせるかもしれません。
Contents
高齢者の事故について
事故件数と割合の推移
特集「高齢者に係る交通事故防止」 I 高齢者を取りまく現状 より
上図によると、事故件数は横ばいですが、死亡事故に対する高齢者の割合が年々上がってきています。
高齢者になるほど死亡事故を起こしやすくなるという見方もありますが、人口の構成比も高齢者の割合が上がってきていますので、単純に考えるわけにはいかないでしょう。
高齢者と高齢者未満の人的要因の比較
特集「高齢者に係る交通事故防止」 I 高齢者を取りまく現状 より
人的要因の比率ですが、高齢者のほうが操作不備による事故比率が大きくなっています。
これは以下の要因が考えられています。
視力等が弱まることで周囲の状況に関する情報を得にくくなり,判断に適切さを欠くようになること
反射神経が鈍くなること等によって,とっさの対応が遅れること
体力の全体的な衰え等から,運転操作が不的確になったり,長時間にわたる運転継続が難しくなったりすること
運転が自分本位になり,交通環境を客観的に把握することが難しくなること
老齢になることによって衰えが様々な所に出てくることが原因になっているようです。
一つ一つの衰えは、大したことないかもしれませんが、運転中は体のいろんな機能を使っています。衰えが重なることにより、失敗をしてしまうことになります。
気を付けるべき運転動作
では、どうしたらよいのかというと
運転中は落ち着く
焦ることによって判断ミスが出てきてしまいます。後ろに車が並んだ状態で、信号で曲がるのを待っている時、早く曲がらなくては!なんて思ってしまうかもしれません。そんな時、まずは安全に運転するということを心がけるようにしましょう。
合言葉は渋滞が起きても事故が起きるよりは良いです。
一般道で異様に車間距離を詰めてきて圧迫するような運転者もいますが、あまり気にせず運転しましょう。
道を譲る場合でも、自分が停めやすい場所に来てから譲るようにすればよいでしょう。
バックで後ろを振り向くときは足元に注意する
車をバックさせる時に、運転席と助手席の間に体をひねり入れて後ろを確認する動作がありますよね。この状態の時、自分の頭の中にあるアクセルペダルの位置と実際のアクセルペダルの位置が食い違うことがあります。
ということは、ブレーキペダルも同様に間違えてしまうことにもなります。
NHKの特集の実験でやっていましたが、これは若い人でも高齢者の方でも、実際のペダルとイメージの間に食い違いがあることがわかりました。
アクセルとブレーキの踏み間違いによって重大な事故につながる場合が多いので、バック時には足元に対して十分すぎるほど気を配るようにしましょう。
駐車券等を取る動作の時はパーキングにする
駐車場の出入り口や、高速道路の出入り口で、車の窓から手を出して券を取る動作があります。
ブレーキを踏みながら体を伸ばして券を取るイメージでしょうか。
余裕で取れる距離に車を移動させることが出来ればよいですが、ちょっと離れてしまう事ってありますよね。
そのときは、無理に足に力を入れて頑張る必要はなくて、パーキングにギアを入れましょう。
券を取るのにパーキングにするなんてかっこ悪い。と思うかもしれませんが、出入り口で事故を起こす方がよほどかっこ悪いです。
それに、イメージしてもらうとわかりますが、ブレーキを踏む動作と券を取る動作の方向は逆ですよね。
体を外方向に動かすということは、ブレーキが弱まる要因になります。
なので、車が止まっている時はギアをパーキングに入れるという考えも時には必要です。
ギアをパーキングに入れるという動作が面倒くさいと思うかもしれません。ブレーキを踏む、アクセルを踏むというツーアクションなら、停車・発進が容易です。
ブレーキを踏む、ギアをパーキングに入れる、ギアをドライブに入れる、アクセルを踏むというフォーアクションにするのは面倒くさそうですね。でも、実際にやってみると1秒もかからない動作のはずです。
繰り返し行うと面倒くさいと思う気持ちも薄れてきますので、試してみてはいかがでしょうか。
もちろん、運転に自信がある場合は行わなくてもよいかと思いますが、歳を取ってきて、用心をしなくてはと思うようになってきたら実践してみてほしいと思います。
マニュアル車も検討してみる
現在、車を運転している方で、AT車(オートマ車)を運転している方のほうが圧倒的に多いのではないでしょうか。
ぼく自身もAT車に乗っています。実家に帰れば農作業のために軽トラックを運転することがあり、かろうじてMT車(マニュアル車)を運転する機会もあります。
仕事でMT車を使う人やMT車が好きでたまらないという人以外は、教習所で運転して以来、MT車を運転したことがないなんて人が多いかもしれません。
MT車は事故率が低い
MT車は、一般的には運転が難しいというイメージがあります。
それは、クラッチを踏んでギヤを変える時に失敗してしまうとエンストしてしまい、エンジンが止まって走行不能になってしまうからです。
もう一度、エンジンをかけて走ればいいのですが、焦っているとクラッチの切り替えがうまくいかず、ただただガックンガックンしているだけの物体になってしまいます。ぼくも最近そうなりました。焦るとよくないですね。
そのため、敬遠されることが多いのかもしれませんが、MT車は統計的にも事故率が低くなっています。
それは、AT車でブレーキとアクセルを踏み間違えて暴走してしまうというような場合でも、MT車ならエンストして車が止まりますので、ついうっかりあらぬ方向に行くということがないからです。
また、AT車はアクセルを踏むだけという簡単操作で走らせることが出来ますが、MT車はクラッチを踏んだりギヤを変えたり、アクセルを踏んだりと運転に集中しないとエンストしてしまって走らせることが出来ません。
結果として、運転に集中することになり、事故が起きにくくなると言われています。
MT車という車自体が事故防止の要因になっているわけですね。
MT車を運転できないなら免許返納の時期かも
AT車を運転していると、運転が簡単なため、自分の体の衰えが運転技術に関係してくることが少ないかもしれません。
一方で、MT車は自分の運転技術が衰えると、エンストが多くなり運転しづらくなってきます。
そうなれば、運転者としては自分の衰えを認めざるを得ません。
事故が起こるたびに高齢者の免許返納の話がよく出てきますが、年齢による制限などではなく、自覚しての返納ならば運転者としても納得して返納できるかもしれませんね。
まとめ
運転中は落ち着く
バックなどの前方を向いている以外の運転中は足元を注意する
停止中はパーキングにギヤを入れることを心がける
番外
AT車に乗っている場合はあえてMT車に乗ってみる
それでMT車の運転がおぼつかなくなって来たら免許を返納する
結局のところ、運転に集中することが大事なのですが、疎かになりそうな場面で安全運転の意識を保っていきたいですね。