運転中にスマホをこっそりいじっているあなた!罰則が厳罰化されるから気を付けて!-道路交通法改正案-

2019年7月19日

空の勇者たち

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片手でスマホを操作できなかったら何が悪い!
いやほらおじさんですし、後発組なのでそんなに若い人みたいにパパッと操作できないのです(言い訳)。

スマホ(スマートフォン)は便利ですよね。
携帯電話が普及して、ガラケーを持つ人の割合が増えてきました。
そしてさらにスマホに切り替えたりして、スマホを所持している人も年々増加しています。

その一方で、車の運転中にスマホを操作してしまう「ながら運転」も増え、ながら運転中の事故も増加しています。

その事態を重く見て、道路交通法を改正し、ながら運転の罰則規定が厳罰化されました。

どのくらい厳しくなったのか見ていきましょう。
その前に茶番が入ります。

とある日の運転中の車内

dummy

あー、今日ヒマしてたんだ。誘ってくれてありがとね。

dummy

いやー、たまにはご飯でもいいでしょ。
美味しいお店あるらしいけど、一人じゃ行けなくて(笑)

dummy

そうだよね。女の子一人メシはまだまだ厳しいご時世だよね…。
どこに連れていってくれるの?

dummy

うん、このあたりにおいしいラーメン屋さんがあるみたいなんだけど…。
詳しくはわからないから調べてみるね。

dummy

えっ?!運転中はスマホ危ないよ!

dummy

大丈夫、いつもやっているからお姉さんに任せなさい!

dummy

前見て!赤信号!

dummy

あっ…?!

dummy

……!!!!

dummy

…ぶなかったぁ。ギリセーフね☆

dummy

スマホよこせ


どうでしょうか。
事故には至らなくても、こんなヒヤリハットな場面を経験した方も多いのではないでしょうか。
事故に至らないだけで、潜在的な運転中のスマホ使用ユーザーというのは多いかと思います。
もし、このような行為をした場合はどのような罰則になるのでしょうか。

携帯電話使用等に係る交通事故発生状況(平成30年中)

携帯使用中の事故について

いわゆる携帯電話やカーナビに気を取られて事故を起こしてしまった件数です。

引用:警視庁「やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用」

携帯電話使用中の事故が年々増えていることが分かるかと思います。
同じくらいカーナビでの事故も増えているのですが、カーナビはあまりやり玉に挙げられていませんね。
カーナビ等のほうが事故件数が多いにしても表のタイトルは「携帯電話等に係る~」になっています。

携帯電話等を使用している場合の致死率が使用していない場合に比べて2.1倍も多くなっています。

これは、画面を見ていたために衝突物に気づくのが遅くなり、減速をするのが遅れたり、減速をしなかったことが原因と考えられます。

車の秒単位での走行距離


引用:警視庁「やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用」

2秒換算になっているのでわかりづらいかもしれませんが、1秒間に時速60km/hの車は16.6mも進むことになります。

これだけの距離があれば、人をひとり事故に遭わせるには十分な距離だと思いませんか。

取り締まり状況


引用:警視庁「やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用」

dummy

はい、前の車、路肩に留めてくださーい。はい。そう。
あっ、こら!逃げらんねぇぞ!

というように、昨年(平成30年)、路肩に停めさせられて、捕まってしまったのが598万5802件。
そのうち、携帯電話使用等の理由で取り締まられたのが84万2199件で全体の14%にものぼります。

みんながながら運転しなければ、この84万件余りの人件費は削減できたのね…。
それはさておき。

スマホをこっそり使用しているつもりでも、実は結構な数が検挙されているという事を覚えておいてください。

実際の事故について

14日午前10時15分ごろ、愛知県西尾市内の県道を徒歩で横断していた高齢女性に対し、交差進行してきた乗用車が衝突する事故が起きた。女性は死亡。クルマの運転者はスマートフォンでゲームをしていたという。

出典: response.jp


2018年4月14日の事故についての記事です。

事故は16年10月26日午後4時10分ごろ、一宮市内の市道交差点で発生した。トラックを運転していた男が、助手席に置いたスマホでポケモンGOを操作し、集団下校で横断歩道を渡っていた敬太君をはねた。

出典: www.nikkei.com


2016年10月に起きた事故の記事です。

※たまたまポケモンGOをプレイしていただけで、ポケモンGOが悪いわけではないです。

スマホに夢中になっていると、通常ならありえないような事故も起きてしまいます。
両方とも、横断中のところに車が突っ込んできています。

詳細は書かれていませんが、横断中という事は、車に対する信号は赤だったことでしょう。
信号が赤なのに突っ込んでくる車に対しては歩行者は無力です。回避する方法がありません。

赤信号では止まるという交通ルールが無視されているからですね。
当たり前のことが当たり前にできていないと安心できません。

つまり、ながら運転はそういう意識がなくてもルール無視を助長してしまう行為であり、加害者になる確率を高めてしまう行為であることも覚えておきましょう。

ながら運転の定義

厳密にはながら運転というのはどこからどこまでを指すものなのでしょうか。
道路交通法第71条五の五で次のように規定されています。

五の五 自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百二十条第一項第十一号において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。第百二十条第一項第十一号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第十六号若しくは第十七号又は第四十四条第十一号に規定する装置であるものを除く。第百二十条第一項第十一号において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。

出典: matome.response.jp

dummy

わかりづらいっ!!

自動車やバイクを運転中に停止している時以外(走行中)は手で操作するような無線通信装置(スマホやガラケー)を使って通話したり、車内に設置された画像表示用装置(カーナビやスマホ)を注視してはいけない

※ただし、けが人のため(傷病者の救護)の連絡や、事故があったりした時の通報(公共の安全の維持)などは除く

上枠の通りになります。

dummy

えっ、じゃあ「その全部又は一部を手で保持しなければ」ってことは、車内に組み込まれたタクシー会社が使っているような無線とか、ハンズフリーの機能を使って携帯電話で通話をするのはオッケーという事?

手を使って持って操作したり、その操作のために画面を見ることをしなければ大丈夫そうですが、それは道路交通法上でのお話。

都道府県ごとに条例を定め、携帯電話の使用やヘッドホン(イヤホン)の使用を禁止しているところもあるのです。

携帯電話・ヘッドホンの都道府県別禁止状況

都道府県名 携帯電話 禁止年 ヘッドホン 禁止年
北海道 2012年 2012年
青森県 2008年 2008年
岩手県 2008年 2008年
宮城県 2009年 2009年
秋田県 2008年 2008年
山形県 2012年 2012年
福島県 2009年 2009年
茨城県
栃木県
群馬県 2001年以前
埼玉県 2009年 2009年
千葉県 2009年 2009年
東京都 2009年 2009年
神奈川県 2011年 2011年
新潟県 2012年 2012年
富山県
石川県 2012年 2012年
福井県 2011年 2011年
山梨県 1972年
長野県 2009年 2009年
岐阜県 2009年 2009年
静岡県 2009年 2009年
愛知県 2012年 2012年
三重県
滋賀県 2009年 1978年
京都府
大阪府 2008年 2008年
兵庫県 2008年 2008年
奈良県 2012年 2012年
和歌山県 2009年 2009年
鳥取県 2011年 1992年
島根県 2011年
岡山県 2011年 2011年
広島県
山口県 2009年 1979年以前
徳島県 2008年 2006年以前
香川県 2009年 2009年
愛媛県 2009年 2006年
高知県 2009年 2006年
福岡県 2012年 2012年
佐賀県 2011年
長崎県
熊本県 2009年 2002年以前
大分県 2009年 2009年
宮崎県 2009年 2009年
鹿児島県 2009年 2009年
沖縄県 2009年 2009年

引用:自転車による自己抑制のための携帯電話及びヘッドホンの使用禁止に関する研究より

道路交通法では「停止している場合を除き」とあり、信号待ちなども「停止している状態」という見解ですが、それでも各都道府県で禁止としているのは「信号待ちは走行中の動作のひとつで一時停止の状態」というスタンスだからです。

運転中とは加速・減速が速やかに行われなければならない状態です。

スマホに夢中になって、信号が青になっても走り出さない車がいたりしますが、こういった状態も健全な運転とはみなされないからですね。

こんなケースも

とはいえ、取り締まる側の解釈にもよりますので、不利な行動をとっていた場合にそこで捕まってしまっても仕方がないです。

・メールをちょっとだけチェックした
・カーナビを少し長く見続けた
・スマホを手元に引き寄せた

どれも、捕まってしまう可能性があります。
これらのちょっとした行為で反則金18000円を払うことになってしまったら痛いですよね。

罰則について

携帯電話使用等に関する罰則の強化

改正前 改正後
携帯電話使用等により交通の危険を生じた場合 3月以下の懲役または5万円以下の罰金 1年以下の懲役または30万円以下の罰金
携帯電話の使用等(保持) 5万円以下の罰金 6月以下の懲役または 10万円以下の罰金

 

携帯電話使用等に関する反則金限度額の引上げ

改正前 改正後
携帯電話使用等により交通の危険を生じた場合 ・大型車 2万円
・普通車 1.5万円
・小特等 1万円
非反則行為となり違反者には
刑事罰が適用される
携帯電話の使用等(保持) ・大型車 1万円
・普通車 8千円
・小特等 6千円
・大型車 5万円
・普通車 4万円
・小特等 3万円

 

dummy

えっと…これってつまりどういうこと?なんで二つもあるの?

dummy

ざっくり言ってしまうと反則金を払うことで一応の決着をつけようとすることだよ

どんな違反でも事件として扱って決着をつけることが出来ます。赤信号無視や一時不停止なども事件として扱うことが出来ます。

でも、それで裁判を開いていたりしたら警察も裁判所も時間と人員が足りません。

そこで、軽微な交通違反は簡略した手続きで処理することで取り締まる側とドライバーの双方の負担を減らそうという事です。

つまり、まず反則金を払うことを求めますが、払わなかったり、裁判で争って刑が確定した場合は罰則のほうの処罰になります。
ちなみに罰則のほうは刑事罰なので前科が付きます

前科一犯…信号無視 とか逆にすごい気がします。

限度額と規定額は異なります

dummy

この表でスマホの使用反則金は8000円って書いてあるけど、私、この前スマホ使用で捕まった時は6000円だったよ?警察が間違えたのかな?ラッキー☆

dummy

いや、ここで規定しているのは限度額だから、それぞれの違反については細かく反則金が設定されているよ
(それより、もうつかまっていたのかよ…)

反則金
携帯電話使用等により交通の危険を生じた場合 ・大型車 1.2万円
・普通車 9千円
・小特等 6千円
携帯電話の使用等(保持) ・大型車 7千円
・普通車 6千円
・小特等 5千円

現在の規定されている反則金は上の通りです。

これが改正後は「携帯電話の使用等(保持)」の場合、普通車6000円→18000円、大型車7000円→25000円と大幅増になる予定です。

非反則行為の追加

dummy

携帯電話使用等により交通の危険を生じた場合の所の非反則行為ってなんなのかしら…?

dummy

これはつまり、前科まっしぐらという事だね

携帯電話使用等により交通の危険を生じた場合、改正前は反則金を払うことで罰則には至りませんでしたが、改正後はすぐに罰則の対象になってしまい、前科が付きます

また、携帯電話の使用等(保持)の罰則規定の中にも懲役がこっそり盛り込まれていてより厳しくなったことが分かります。

スマホのチラ見で懲役になる可能性もなくはないのです。

いつから施行されるのか

改正案は承認されたので、改正されることは決まっていますが、具体的な日時はまだ不明です。
2019年12月頃または2020年になってすぐというのが今のところの大まかな予想となっています。

まとめ

・罰則・反則金が厳しくなった。
・反則金 普通車6000円→18000円、大型車7000円→25000円
・携帯使用の罰則に懲役が付いた
・携帯使用時の危険運転は非反則行為になり、すぐに罰則
・施行は19年12月ごろ
・携帯チラ見で18000円の可能性もある

こういった携帯使用の厳罰化は事故を起こさないようにという理念があるわけですが、運転中は運転に集中し、事故を起こさず、捕まったりしないようにしましょう。

また、実際の施行までに時間があるので、スマホをいじりながら運転する癖がある方はそれまでに直すように心がけましょう。


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