十日町PのDTだったら何が悪い!

時間がない時に電子レンジで解凍する時、よりよく解凍する方法とは?




前回のお肉の解凍方法で、電子レンジでの解凍は、うまみが逃げてしまうというお話をしましたが、それでも時間がなくて電子レンジを使う方も多いと思います。

冷蔵庫解凍がいいのは分かったけれど、時間がないから電子レンジ解凍になっちゃうんだよ!

便利な機能であることは間違いありませんので、電子レンジ解凍時になるべく味を損なわないように解凍ができるか調べてみました。

時短料理でもやっぱりおいしいものを食べたいですからね。

電子レンジ解凍でおいしさを損なう仕組み

水と氷で加熱速度が違う

電子レンジの中では、マイクロ波が照射され、それによって水分子が振動し、熱を生み出しています。

寒い時に手をこすり合わせて摩擦熱を生み出したことがあると思いますが、そんなイメージです。

水分子が振動するので、水分子がないものに対しては、発熱の効果がありません。

水分に対して温かくなる効果があります。

また、同じ水分でも、水(液体)になっている状態と氷(固体)になっている時では、加熱速度が違います

水になっている時のほうが、氷になっている時よりも、約8000倍も急速に温まります。

加熱速度が違うから解凍ムラができる

マイクロ波は、均一に照射されるように計算されて電子レンジが作られていますが、大抵は右側から、といったように、ある特定の方向から照射されます。

また、温める対象もほとんどが不均等な形状をしているため、それぞれの場所に当たるマイクロ波も不均等になります。

そのような場合、冷凍肉を解凍する時、多めにマイクロ波が当たる部分から氷が解けていきますし、なおかつ外側から氷が解けていきます。

すると、表面に水分がところどころついた状態になります。

この水分が付いたところが急速に温められ、解凍ムラが発生してしまいます。

解凍ムラで氷の結晶が大きくなる?

解凍ムラができるということは急速に温められる部分とゆっくり温められる部分ができることになります。

家庭用の冷蔵庫の冷凍室は、JIS規格で-18℃以下という事になっていますので、解凍するという事は-18℃からどんどん温度が上昇するという事です。

この時、-5℃から-1℃の温度帯を最大氷結晶生成帯といい、この温度帯では水分を集めて氷の結晶が大きくなろうとします

氷の結晶が大きくなると、結晶がお肉の細胞を傷つけてしまい、細胞が傷ついていると、細胞が包んでいる肉汁(ドリップ)が流れ出てしまいます。

この最大氷結晶生成帯を素早く通り抜けることが重要になります。

電子レンジ解凍の流れとしてはこんな感じ

・水分が付いたところが急速に温められ加熱しすぎの部分が出来てしまう
・最大氷結晶生成帯(-1~-5℃)で氷の結晶が大きくなる(細胞を傷つける)
・肉汁(ドリップ)が逃げてしまう(うまみが損なわれる)
・水分が逃げてしまう(ぱさぱさになる)

では、どうしたらいいのかみていきましょう。

電子レンジ解凍のコツ

完全に解凍しない・半解凍にする

解けて水分になってしまうと、うまみが流れていってしまうのですから、じゃあ解かさなければいいんじゃない?という発想です。

半解凍状態にすることでうまみを保ったまま調理(切り分けなど)することが出来ます。

半解凍状態にするには様子を見ながら電子レンジを使う必要があります。

慣れてきたら、時間の感覚が分かるかもしれませんが、電子レンジに入れて、少ししたら確認、固かったらまた電子レンジへ。確認→電子レンジ→確認…といった流れで半解凍状態にしていきましょう。

クッキングペーパーを使う

表面に水分が付くことでムラが出来ますから、クッキングペーパーを敷いておくことで、解け出た水分をすぐに吸わせるようにします。

そうすることでムラが抑えられ、均一な解凍に近くなります。

お肉をある程度解凍したらひっくり返すとより均一に解凍できます。

調理を兼ねて急速加熱する

素材のお肉が調理用に切り分けられていて、あとは加熱調理するだけという状態ならば、「解凍」にしないで普通に加熱します。

最大氷結晶生成帯をすぐに通り抜けることで、結晶が大きくなることを防げますし、細菌が活動する温度帯にいることもなく、調理を完了させることが出来ます。

その他の時短解凍方法


鍋を使うことで、急速解凍することが出来る技が紹介されていました。

1.鍋をひっくり返す。
2.ラップに包んだ肉を鍋の底面の上に置く
3.その上に鍋を置く

これで解凍できます。

理屈としては、鍋(金属)は熱伝導率が高いため、肉の温度(冷気)を鍋底に伝え、その冷えた鍋底が外気で温められるという事を繰り返します。

動画では細かい説明はありませんでしたが、素材と金属が接している面を大きくする事でより早く冷気を鍋底に伝えています。

また、接する面を大きくすることで均一に解凍するという意味もあります。

均一に解凍することが出来れば、ドリップの発生を抑えることが出来ます。

電子レンジの記事なのに電子レンジ使ってないじゃん

そんなことは些細なことですよ。

まとめ

電子レンジで解凍する際においしさを減らさないようにするには、結局手をかける事になります。

お肉の様子を見たり、ひっくり返したりと少しあわただしい感じになりますが、解凍時間を短いままおいしく解凍できますので、少しの苦労を買ってみましょう。