ついうっかりが命とりだったら何が悪い!
ついうっかりは誰にでもあります。
「ついうっかり」
「ちょっとだけ」
「きっと大丈夫」
大丈夫じゃありません。
夏の日差しが降り注ぐ車内は、危険が多いのです。
ぼくたち大人は、暑い車内にいることはほとんどありません。なぜなら車は用事のある時にしか乗らないし、暑かったら空調を調節して、快適にする方法を持っているからです。
ただ目的もなく車内にいるということがないから、暑い車内は危険という事を身をもって知る機会がないのです。
今回は、夏場の車内についてみていきましょう。
Contents
夏の車放置実験
炎天下の車内温度、対策はできる?【JAFユーザーテスト】
※youtubeへのリンクになります。
車内温度の検証実験です。
実施日 | 2012年8月22日・23日 |
場所 | 彩湖・道満グリーンパーク駐車場(埼玉県戸田市) |
天候 | 晴れ |
気温 | 35℃ |
動画の中での車(白色)の中の温度は以下のようになりました。
平均 | 最高 | |
車内 | 47℃ | 52℃ |
ダッシュボード | 66℃ | 74℃ |
車体(ルーフ) | 42℃ | 47℃ |
サンシェード装着時
平均 | 最高 | |
車内 | 45℃(-2℃) | 50℃(-2℃) |
ダッシュボード | 48℃(-18℃) | 52℃(-22℃) |
()内は無対策時との比較
窓開け時
平均 | 最高 | |
車内 | 42℃(-5℃) | 45℃(-7℃) |
ダッシュボード | 66℃(+-0℃) | 75℃(+1℃) |
()内は無対策時との比較
エアコン作動時
平均 | 最高 | |
車内 | 26℃(-21℃) | 27℃(-25℃) |
ダッシュボード | 53℃(-13℃) | 61℃(-17℃) |
()内は無対策時との比較
動画の中での車(黒色)の中の温度は以下のようになりました。
平均 | 最高 | |
車内 | 51℃ | 57℃ |
ダッシュボード | 70℃ | 79℃ |
車体(ルーフ) | 49℃ | 63℃ |
・開始時は車内は25℃だったが、10分後には10℃以上上昇
・ダッシュボードはエアコンを入れても危険な暑さに
・サンシェード装着時は最大温度が抑えられた(でも高い)
・エアコンをかけた時以外は、車内は40℃以上になり、危険な状態に
エアコンが切れていると15分で危険域に
エアコンがついている状態なら、車内温度は管理されていますが、何かしらの原因でエアコンが止まってしまうと車内温度がぐんぐん上がって行ってしまいます。
そして、15分程度で熱中症指数が危険にまで跳ね上がります。
また、こういうグラフを見ると最上位の危険部ばかり見てしまいますが、その下の厳重警戒域には10分足らずで到達してしまいます。
「ちょっと買い物をしてくる」
「ほんの少しだから大丈夫」
と思っているかもしれませんが、「ちょっと」や「ほんの少し」は行動している側の体感時間であって、実は結構時間が過ぎていることがあるものです。
スーパーに買い物に出かけるにしても、大きいスーパーでぐるっと一回りしたら5分くらい経ってしまいますし、ちょっとレジが混んでいたらそれも5分くらい経ってしまいます。
・真夏の車内は15分で危険な状態に
・「ちょっと」や「ほんの少し」は行動している側の体感時間
子供やお年寄りは特に注意
車内放置の被害に遭う方のニュースは大体が小さいお子さんだったりします。
これは、子供は体が発達していないため、体温を調節する機能(発汗作用)が十分に発達していないことが挙げられます。
体温調節ができないと体内の温度がどんどん上がっていき熱中症になってしまいます。
同様にお年寄りの方も、体温調節機能が衰えてしまってうまく汗をかくことが出来なくなっている場合もあり、危険になってしまいます。
ただ、お年寄りの方は自分で判断して行動することが出来ますので、小さい乳幼児よりは、事故に遭う危険性が低くなっています。
寝ているのを起こすのは可哀想と思って車内に残されていく方もいるかもしれませんが、赤ちゃんは寝ている間も代謝が活発で、体温が高くなっています。
そのため、気温が上がるとそのまま体温が高くなりやすいのです。寝ている状態からそのままぐったりして反応が出来ない状態になってしまうかもしれません。
どんな状態であっても車内に残しておくことは危険という事を認識しておかなければなりません。
・子供やお取りよりは体温調節機能が十分でないことがあり、熱中症になりやすい
高温になると車内の物も危険物に
車内温度も体を危険にさらすことになりますが、車内に置いてあるものも危険物になる可能性があります。
通常使用している温度よりも高温になると、破裂や変形などが起こることがあります。
車内に防水用のスプレーを置いたり、タバコを吸う人はライターを置いたりすることがあるかもしれませんが、これらは熱によって破損する可能性があります。
特にダッシュボードに置かれた100円ライターは実験でひび割れたり、破裂して粉々になった例もあります。
発火の原因にもなりえますので夏場は車内に必要ではないものは置いておかないようにしましょう。
車内に放置しないようにしたいもの
・スプレー缶
・ガスライター
・ノートパソコン・携帯電話
・電池
・未開封のペットボトル
・未開封の炭酸飲料
・化粧品
・食料
車内を少し涼しくする小技
炎天下に停まっていた車に乗り込むと暑くてたまりませんよね。手軽に暑さを少しだけ軽減する方法を紹介いたします。
ドアを使って空気を押し出す
・助手席の窓を開ける(押し出した空気の逃げ道)
・運転席のドアを開閉する(完全には閉めないで車内を扇ぐイメージ)
これだけです。
車内が暑いのは空気の逃げ場がなく、熱され続けていたためですよね。
外の空気のほうが幾分温度が低いので、暑い空気を逃がして、外の空気を取り入れようという考え方です。
運転席側のドアを勢いよく開け閉めして、ドアに負担がかからないように注意です。
外気導入をうまく使う
うちの車とちょっとデザインが違うなぁ
って、絵が下手なのは勘弁してください。
こんなイメージのアイコンってことです。
走行始めは、「外気導入」にしておきます。車の窓も全開です。
その後、少し車内が涼しくなって来たら「内気循環」に切り替えて窓も閉めて、エアコンをつけましょう。
上のドアの開閉と同じく、空気を入れ替えるという事を目的にしています。
ドアをパタパタする時間がない時はこの方法を試してみましょう。
水をかける
家の周りに水場とバケツがあるなら水を汲んで車にかけちゃいましょう。
気化熱で多少は涼しくすることが出来ますよ。多少ですが。
まとめ
夏場の車内は本当に危険な状態になっています。
そこに放置しておくのは命の危険すら出てきますので、くれぐれも注意するようにしてください。
ほんのちょっとだけ、という認識が事故につながることもあります。
火事が起きている家の中に家族を置いていけないでしょう。
それと同じことです。
車の形をしているだけの危険な場所なのです。
危険意識を持って、家族を危険から守るようにしましょう。