人に何かをしてもらった時は、感謝を感じて、お礼に何かをしなくちゃと思うことが多いかと思います。
長い休みの時は、周囲の人が旅行に行ったりしてお土産を買ってきますよね。その時に何か返さなくてはと思っても、何を返したらいいのかわからなくてもやもやしたりします。自分も旅行に行っていれば、お土産を渡せてもやもやすることはありません。
好意を受けた時に返さなくちゃという気持ちは「好意の返報性(返報性)」といいます。
今回は好意の返報性を見ていきましょう。
Contents
好意の返報性について
とある日のオフィス
おはようございます
おはよう、あれ?その紙袋は・・・?
めざといですね。旅行に行ってきたのでお土産です
え、おみやげ?
新潟限定の柿の種です。どうぞご賞味ください
ありがとう。いただきま~す。ぼりぼり
たべましたね?
えっ
好意を受け取ったんだから、労働で返してもらいますよ。好意の返報性の法則です
(その解釈は間違っていると思う・・・)
好意の返報性とは
好意の返報性とは、好意を寄せられた相手に対して、好意をもつという心理です。
お返しをしたくなる心理に通じるものがありますね。
ビジネスや恋愛でも欠かせないテクニックとなっています。
好意の返報性が使われている場面
好意の返報性は広く知られていますので、様々な場面で使われています。
職場
職場では、周囲に好意を示すことで好意を返してもらい、コミュニケーションを円滑にすることができます。
一緒に仕事をしたくない、と思われると仕事のいろんな場面でネックになることが出てきます。
そうならないように、周囲から「いい人だ」と思われておけば、働きやすくなります。
実際にいい人かはわかりませんが、周りに気を遣って仕事ができる人は、貴重な人材だと言えるでしょう。
試食など
スーパーなどで売り子さんが試食どうですか?と進めてくる場面があります。
美味しいソーセージはいらんかね?
結構です
試食をしたいと思っていても、「食べたら買わなくちゃ」と思う思考が邪魔をして、試食を断ることがありますよね。
試食をさせてくれた
↓
感謝
↓
お返しに買う
この流れを受け入れられれば、試食をするし、受け入れられなければ食べないという選択をしてしまう事になります。
ちなみに売り子さんがいなくて、試食品だけが置いてある場合は、返報性を気にしなくてよいので、さくっと食べられるというのは誰しも経験があることなのではないでしょうか。
お返しを前提としたイベント
まぁ、バレンタインデーとホワイトデーですよね。
もらったんだから、返さなくちゃという事ももちろんありますが、「好意」を大っぴらにしてもいいというところがバレンタインデーのうまいところだと思います。
接客
お店に行った時に店員さんが親切に教えてくれたりアドバイスしてくれたりすることがあります。
服のお店だったり、家電のお店だったり、わからないことを聞いて教えてもらうとありがたいなと思います。
そして、その気持ちが店員さん個人に向くこともありますが、その「お店」に対して向くこともあり、「いい買い物をさせてもらったから次回もこのお店で買う事にしよう」と思わせられます。
関係改善に用いる
職場や周囲に「気に食わない人」というのはいるものですが、その人に対しても好意の返報性は有効です。
この場合は、相手の嫌な所はとりあえずスルーして、こちらから好意を表現していきます。
「ありがとうございます」
「たすかりました」
「お世話になりました」
言葉にすると相手に気持ちが伝わります。
相手を罵る言葉ではなくて、感謝する言葉を繰り返し伝えることで、相手の気持ちを変えていくのです。
これは「相手の嫌な所を見ないで感謝を伝えていく」というように自分の行動を変えることによって相手を変えていく方法になります。
単純接触の原理と合わせて使うとよいでしょう。
好意はきちんと届かないと返報性を発揮しない
好意が好意として伝わることが必要で、相手にとって「好意」と感じられなかったら、返報性がありません。
以下の二つのパターンがあります。
・自分にとっては好意のつもりだけど相手には伝わらなかった
・行為を感じているけれど、他の事で阻害されている
みていきましょう。
自分にとっては好意のつもりだったけど、相手には伝わらなかった
これはすれ違いや善意の押し付け、の時に発生します。
お土産でおそばを買ってきてみんなに渡したとします。そのうちの一人がそばアレルギーで、そばは食べられないという事があった時は、渡した本人は
食べてほしいな
と思っているかもしれませんが、渡された方は
そば、食えねーし
と思っているかもしれません。
この時は、好意が伝わらないですよね。
このように好意でやったことが裏目に出てしまうことがあります。
好意を受け取っていないので、お返しの感情も生まれません。
好意を感じているけれど他の事で阻害されている
優しくて仕事ができてイケメンの人に好意を向けられたら、コロッと落ちてしまいそうです。
それって俺の事?
違います。
けれど、服装がだらしなく、時折出る発言が空気読めなかったりしたら少し敬遠されてしまうかもしれません。
これは先輩の事ですね
うるさいよ
大きなマイナス要素が横たわっている場合は、返報性が発揮しづらくなっています。
マイナス要素を取り除ければ大きな好意のお返しができるかもしれませんので、このパターンの場合は改善箇所がないか調べてみましょう。
好意以外の影響力
好意の返報性は「好意」に対して嬉しいとかありがたいとか、そういった感情が沸き起こり、それによって行動を返していますよね。
好意に影響を受けているとも言えます。
では、それ以外に影響を受けやすいものは以下の通りです。
・希少性
・権威
・約束と一貫性
・社会的証明
希少性
数が少ないという事ですが、数が少ないものには価値が生まれることがあります。
欲しいと思っている人が多くいても、全ての人が手に入れられるわけではない場合は価値が高まります。
これを人に当てはめると、
・全国1位の人
・大物youtuber
・誰もやったことがないことを成し遂げた人
など
ですね。
この方々は他に並ぶ人がいないので、言う事が特別なように感じられ、影響を受けやすくなります。
権威
東大卒の人、官僚の人、お医者さんなどなど。
一般的に高い位にありそうな人の言葉には影響を受けてしまいます。
これは希少性とも被るところがあります。
高い位というのは、全ての人がなれるわけではないからです。
大学教授になりたくても、数に限りがあるためにすべての人が教授になれるわけではありません。
そういった点が希少性と似ていますね。
約束と一貫性
「言ったことをきちんと守る」という事なのですが、きちんと守られていなかったりする人は多いですよね。
守りたいと思っていても約束破りになったりすることがありますので、難しいものです。
この、約束を守り通していると、信頼が生まれます。
例えば、進学塾などで「東大合格100人!」とうたっている塾があるとして、その結果、毎年100人を超える人が東大に入っていると、言ったことと行動が伴っているので信頼できると考えます。
これが「東大50人、ほか有名私大200人超が合格!」という実績になると、目標を達成できていないので、少しイメージが落ちますよね。
言ったことを有言実行し続けることで影響力を持つことが出来ます。
社会的証明
社会的証明とは、提唱したことが実際に使われてその正当性を実証されることですね。
「サラリーマンの昼食は700円以下である」という説があったとして、実際に周りの昼食代が700円以下ならこの「サラリーマンの昼食は700円以下である」は本物として認識されて、支持されるという事です。
例がまずかったので、全員に影響があるとは言えません。
ランチが1000円以下なんて羨ましい・・・
と言ってしまうほどに、昼食が高くついている人がいる地域では、社会的証明はされていませんね。
まとめ
好意の返報性について書いてみました
・好意を寄せられると好意を返したくなる
・恋愛やビジネスなどで広く用いられている
・相手が「好意」として受け取らないと効果を発揮しない
・感謝の言葉をかけ続けると「好意の返報性」で相手も変わる(かもしれない)
それほど難しい事ではないのでできることからやってみましょう。