その昔、中学生くらいの頃、父や母が日が変わるころには寝ていることが多かったので「なんでそんなに早く寝るのかな」と思っていましたが、自分がその年齢になってみると、確かに眠い!起きていられません。徹夜とかもう無理ですね。
人は1日8時間寝ているとしたら、人生の3分の1は寝ていますよね。
つまり、それだけの時間を費やさなければならないほど重要な行動なのです。
そして、睡眠をおろそかにしていると、日々の生活のパフォーマンスにもつながってきます。
睡眠の役割をよく知って、正しい睡眠をとっていきましょう。
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人の睡眠時間の遷移
引用:2015年 国民生活時間調査報告書 NHK HPより
NHKの公表している「2015年国民生活時間調査報告書」によると、年々睡眠時間は減り、平日の睡眠時間は1970年と比べると約40分ほど減少しています。土曜はそんなに変わらないですね。
1995年で調査方法が切り替わったので、本当は単純比較できないのですが、傾向はつかめるかと思います。
ところで、日曜日は他の曜日と比べて寝ている時間が長いことに気が付いたでしょうか。
これはつまり、本当はこれくらい寝ていたいのですが、平日は時間がなくて睡眠時間を減らしているという事になります。
本来欲している睡眠時間より少ない睡眠時間しかとれていないので、睡眠不足を感じている人が多くいる事でしょう。
1970年 | 2015年 | |
平日睡眠時間 | 7時間55分 | 7時間15分 |
土曜睡眠時間 | 7時間55分 | 7時間42分 |
日曜睡眠時間 | 8時間40分 | 8時間03分 |
引用:平成28 年 国民生活基礎調査の概況 厚生労働省HPより
上記の睡眠時間を踏まえて、その睡眠時間で疲れが取れているかというアンケートの結果、一番下のバーを見てもらうと20歳以上では23%の人が十分な休養をとれていないと感じています。
5人に1人が「睡眠では疲れが取れていない」と感じています。
特定の年代を見てみると、30-39歳の人では4人に一人、40-49歳では10人に3人が十分な休養をとれていないと感じています。
30歳から50歳と言えば、働き盛りの人たちであり、この人たちの疲れが取れていないとなると、全体として大きなパフォーマンス低下になることが分かりますね。
もし、睡眠の方法を改善することでこれらの疲れが少しでも取れたら、日々をもっと元気に暮らしていけるはずです。
睡眠の効果
睡眠には以下の効果があります。
・脳の休息と回復
・体の休息と回復
・精神の安定
・記憶の整理・定着
えっと、体の休息と、脳の休息は別物なんですか・・・?
体を横たえて、何もしないでいる状態でも脳は動いている状態があります。
逆に起きていても脳が休息している状態の時もあります。
脳と体の休まるタイミングは別なので、別物です。
以下の働きを睡眠を通してぼくたちは毎日行っています。
そう考えると、睡眠は欠かすことのできない行動だということが分かりますね。
脳の休息と回復
脳は体へ動きの指示を出していますので、起きている間は絶えず動いています。
目から入ってくる情報だったり、耳から入ってくる音だったりを処理しています。
呼吸や心臓の動きもそうですね。
それに加えて、生活の中での判断だったり、仕事でのストレスだったりが増えてくると脳がフル稼働状態になって休まる暇がありません。
そうすると「疲れ脳」になってしまって、パフォーマンスが下がってきてしまいます。
また、疲れがひどくなってくるとうつ病になってきたりします。
正しい睡眠を行うことでこの疲れをとり、脳にとって健康な状態を維持できるようになります。
・脳は働きづめ
・働きすぎると「疲れ脳」になってパフォーマンスが落ちる
体の休息と回復
寝ている間に成長ホルモンがより多く分泌され、それにより体の成長と回復が行われやすくなります。
骨が伸びたり、筋肉が付いたり、傷ついた部分を治したり、代謝を促したりします。
代謝とはカロリーをエネルギーに変える事。
食べたものをエネルギーに効率よく変えるには睡眠が必要になります。
エネルギーがないと、うごくのがおっくうになったり、考えるのが面倒くさくなったりしますよね。
寝て明日うごくためのエネルギーを体の中に蓄積する役割が睡眠にはあります。
もう一つは免疫力の強化。
寝ている間に免疫力の維持・強化が行われます。
寝不足になっていると風邪をひきやすいというデータがありますが、これは寝不足によって免疫力が低下して、その結果風邪になってしまうというもの。病気にならないようにするために、健康的な睡眠が必要になります。
・成長ホルモンの分泌
・体にエネルギーを蓄える
・免疫力の維持・強化
精神の安定
眠れないとまず体が休まらないことにより、体調不良になりますが、それにより、絶えず不快感を感じることになります。
ヨッシャァ!今日は体がだるいから気分がいいなぁ!
とはなりませんよね。
起きたばっかりなのに疲れてる・・・。会社休みたい・・・
と思うようになり、不快感からストレスがたまるようになります。
また、睡眠障害に陥ることもあります。
眠れない・・・。寝なきゃと思うんだけど・・・寝付けない!
眠れないから寝ようとする気持ちと、でも眠れないということでストレスになり、そのストレスでまた眠れないという悪循環を引き起こすこともあります。
辛い気持ちが何日も続けば、それによってうつ病になる可能性もあります。
不眠症になることもあります。
このようなことが睡眠不足から起こる可能性もあります。
良い睡眠、快眠を得て、心の安定を心がけましょう
よく寝て以下の症状を減らします
・ストレス
・睡眠障害
・うつ病
記憶の整理・定着
経験したことや勉強したことの記憶の整理を睡眠中に行っています。
なので、徹夜で勉強し続けるというのは、知識を詰め込もうとしても定着していかず、残らないようなものです。
穴の開いたバケツで水を汲んでくるようなもので効率が悪くなります。
また、いやな思いをした記憶も捨てていってくれます。
・寝ることで知識が定着する
・嫌な記憶を消してくれる
寝れば寝るほど効果があるわけではない
寝ている間に上の4つの効果があるとはいえ、寝た時間に比例して効果が上がるわけではありません。
8時間以上寝たほうがいいと言われているみたいだけど、そんなに寝る時間とれません・・・
と悩んでいる方もいるかもしれません。
しかし、睡眠にも「質」があり、質が良い睡眠をとることが出来れば、短時間でも効果は上がります。
逆に、質が悪いと長時間寝ても体からうまく疲れが取れないなんてこともあります。
6時間睡眠でも、起きた時にすっきりしていれば問題ありません。
また、8時間以上寝ないと調子が出ないという人もいますが、それがその人の体調管理に適した睡眠時間という事になります。
最適な睡眠時間は人によって違うという事を覚えておけば、他人と比較して「睡眠時間が短すぎる」と嘆いたりすることはありません。
生活習慣に合った最適な睡眠時間と質を確保するようにしましょう。
睡眠の質を計る方法
どうやって質を計ったらよいのでしょうか。
簡単な計算式で基準を作ることが出来ます。
睡眠時間(s) ÷ 寝床に入っている時間(n) × 100
で、体を横たえている時間のうち、睡眠時間が占める割合を出します。
睡眠時間が7時間、寝床に入っている時間が8時間だとすると
7(s) ÷ 8(n) × 100= 87.5
で、87.5%が睡眠時間の割合です。
合格ラインは85%以上なので、上の睡眠時間は合格ですね。
この計算式を使って、みなさんも質を計ってみましょう。
まとめ
睡眠を行うことで寝ている間に4つの働きを行っています。
この働きが失われることで徐々に体の調子がおかしくなり、社会生活にも支障が出てきます。
次回からはどんなことに気を付けて睡眠をとっていったらいいのか見てみることにしましょう。