十日町PのDTだったら何が悪い!

マンガ【鬼滅の刃】哀しみが漂う大正剣戟奇譚。ちょっとしたくだらない考察もあります。

バトルマンガは数あれど、相手の気持ちをこんなにも思う剣士が他にいたでしょうか。

今回は【鬼滅の刃】を紹介します。

ちなみにですが、大正剣戟奇譚は「たい・しょう・けん・げき・き・たん」と読みます。

大正は大正時代の事。
剣戟とは刀の事を指しますが、刀を使った戦いの事もさします。
鬼達は刀を使いませんが、炭治郎たちは日輪刀を振るって戦っているので。
奇譚は「珍しい話・不思議な話」を指します。
鬼滅の刃は、稀有(けう)な作品になりましたので、奇譚は鬼滅の刃を表している言葉かも知れませんね。

こんな人におすすめ

鬼滅の刃はこんな人におススメです。

  • 人との絆を感じ取りたい人
  • 人のやさしさに触れたい人

※ただし、かなり暴力表現があるので、グロ表現が苦手な方は注意です

寒村ともいうべき村から物語は始まります。

貧しいながらも幸せに暮らしていた竈門(かまど)一家に鬼が襲来。
妹の禰豆子(ねずこ)以外はすべて皆殺し。禰豆子も怪我を負って生死の境をさまよう・・・と思いきや、鬼となってしまいます。

そこへ、鬼を退治するための鬼殺隊の一員、冨岡 義勇が現れて、炭治郎(たんじろう)と対峙する。というのが第一話。

登場人物は、炭治郎が会うほとんどすべての人が初対面では、厳しい言動を放ちます。
でもそれは、鬼が存在する厳しい世界だからこそ、厳しくならねばならないから。

甘い言葉をかけても、鬼に食われてしまえばそこで終わり。
ならば、無謀な考えや行動は無理にでもやめさせるという考えが彼らの根底にはあります。

それは優しさからくるものであり、それまでに鬼に食われてしまった人たちの事を思い無念をかみしめていたことにも由来します。

この厳しさの奥の本当の気持ちを感じ取った時に、読者は心を動かされるのではないかと思います。

作中にて後悔の念を持っている多くの登場人物がもうこんなことはさせないと、誰かのために戦っていきます。
果たせなかった夢を代わりに果たすという気持ちを抱き、日々過酷な鍛錬をしていきます。

苛烈な言葉の裏にはこうした体験があったのだと納得できるようなことばかり。

炭治郎がその想いを感じ取った時に、彼らの思いに応えようとする絆の物語だと思います。

炭治郎のやさしさにときめく

主人公の炭治郎ですが、敵である鬼にも情けをかけます。
鱗滝いわく「思いやりが強すぎて決断できない 鬼を前にしても優しさの匂いが消えない 鬼にすら同情心を持っている」とあるように、相手の心情をくみ取る描写がいくつもあります。

でも、この炭治郎のやさしさにこそ、この作品の魅力があるような気がします。
自分の家族を殺されて、復讐に燃える主人公でもよかったかもしれない。

でも、非道を働く相手にも、情けをかけ、こうなってしまった事情があったのだろうと悲しんでくれる。
鬼には人間だったころの記憶が曖昧でなぜ鬼になったのかを忘れてしまった者もいますが、鬼になる過程で辛いことを自身も経験していることがほとんどです。

人を手にかけたことは許されないけれど、最後の瞬間に救われてほしいと願う炭治郎の心は純粋でおそらくなかなかその境地に至れないからこそ輝いて見えるのかもしれません。

なぜ禰豆子は正面からの蹴りのカットが少ないのか

話はぐるっと変わります。
かわいらしい禰豆子が覚醒し、一緒に戦ってくれるのは作中では胸が熱くなる展開ですね。
剣戟奇譚なので、登場人物はほぼ刀を持ち、徒手空拳、いわゆる素手で戦う鬼殺隊の隊士はいません。

なので、格闘技を使って戦うのはほぼ禰豆子のみですね。

禰豆子の蹴りのシーンは横向きが多い

そんな禰豆子ですが、蹴りを入れるシーンを見ると、結構横からのカメラ割が多い事に気が付きます。
もちろん正面からの蹴りの場面も見ることが出来ますが、割合としてはそんなに多くないですよね。

女性格闘家が出てくるようなマンガでは、いわゆるパンチラがサービスショットとして出てくることが多いです。

ダイの大冒険のマァムや、ヨザクラ四重奏の面々などは、惜しげもなく見せてくるわけですが、禰豆子はそんなお色気カットはありません。

少年誌だから配慮しているのかというと、他の連載マンガでもっと過激な事をしているので、そんな配慮は無用でしょう。

物語の時代が「大正時代」なのがキーポイント

恐らくですが、物語の時代が大正になっていることがキーポイントではないかと思っています。
なぜかというと、大正時代はパンツをはく習慣がほとんどなかったからです。

力を込めて何を言っているんだこいつは・・・。と思うかもしれませんが、実際に大正時代には着用率が低かったのです。
当時はパンツというものではなく、ズロースというものが下着として使用されていました。

こんなイメージです。

着用率が低く、また、竈門家も裕福でなく、都会から離れているため、ズロースの着用の可能性はないでしょう。
ということは、禰豆子はノーパンなわけですね。

ノーパンですよ。

となれば、自然と陰部を描くことは避けられてしまうことになります。

なので、完全に正面からの蹴りの描写はないんですね。

作者がお色気要素を封印しようとしているだけなのでは・・・

はい、その可能性もありますが、可能性としては低いと思います。
なぜなら、甘露寺 蜜璃が胸チラをしているからです。

胸を出す必要はないのは、胡蝶 しのぶが同じ女性隊士なのに、胸を出していないことからもわかります。
でも、あえて胸チラをして、温泉で裸をさらすカットがあることから、隙あらばお色気要素を盛り込むのに問題はないと考えている証でしょう。

とはいえ、禰豆子がノーパンなのは作者がきちんと時代考証を考えていると思えば不思議ではない話、ですね。

アニメもすごいらしい

ぼくはまだみていませんが、評価が高いようです。
特に、19話が評判がよいらしく、作者の吾峠さんも「20回も繰り返してみた」というくらい素晴らしかったそうです。

アニメの消化ペースとしては、26話で単行本6巻までを終了したところ。
7,8巻分の話は劇場用アニメとして2020年に公開される予定です。

これだけ丁寧に話を進めるという事は、全話アニメ化もあるかもしれませんね。
端折ってアニメ化されることが多い中、これはすごいです。

鬼滅の刃の今後

2019年11月現在、17巻まで発行されていますが、物語としては終盤の様相を呈しています。

敵のボスである鬼舞辻 無惨が現れ、鬼殺隊の全勢力でもって決着をつける流れになっています。

幹部である十二鬼月と戦い、各個撃破をしつつ話が展開していく最中です。

意外と早く総力戦になったな、というのが感想で、十二鬼月と順番に戦い、なんなら欠番の出たところを補充して長く話をつないでいくのかと思いましたが、このままの戦いで完結しそうな勢いです。

もちろん、それまでに相当数の巻数を使う事になると思いますが、必要なだけの話を描いて終わることになると思います。

ジャンプでは人気作品の終了を終わらせないように話を長くして続けさせる手法をとることがありますが、この鬼滅の刃ではそんなことがないように、作者の方の望む形ですっきりと終るといいなと思います。

おわりに

今現在、新潟県上越市では人気すぎて、鬼滅の刃の本が本屋にないそうです。
甥っ子情報なので本当かわかりませんが、それほどの人気の作品ってなかなかないですよね。

今後もストーリーを追って行きたいと思います。

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