ってなんだか、外装がアルミ缶のように貧弱な何かのように感じ取れますが。
殺人事件などが月に1度くらいはニュースになっていて最近は怖い世の中になってきたなと思いますね。
そんな事件のニュースなどでたびたび現れる、「無期懲役」とはいったいどんなものなのでしょうか。
理由として「心神耗弱」が挙げられることがありますが、「心神耗弱」についても見ていきましょう。
Contents
無期懲役とは
無期懲役は懲役をする期間の定めがない事
無期懲役とは、その文字の通り、懲役に服役する期間の定めがない事を言います。
そもそも懲役って何をするのかしら?
懲役というのは、簡単に言うと刑務所内で作業をさせる事を指します。
懲役は内容によって2タイプに分かれます。
- 刑務所内での経理作業
- 製品を作る生産作業
簡単に見ていきましょう。
経理作業について
経理作業とは、刑務所内の炊事・洗濯といった、刑務所を運営するうえで必要な作業の事を言います。
刑務所は全部がそうという訳ではありませんが、服役している方々の力を借りて、運営されていると言ってもいいかもしれませんね。
生産作業について
生産作業は、公益財団法人矯正協会が材料を国に卸して、靴や家具を製造したり、民間企業と刑務作業契約を交わして、製品を作ることを言います。
刑務所で作られた製品は刑務所作業製品(そのまんまですね)と言われていましたが、近年では親しみやすいブランドのイメージとして矯正協会刑務作業協力事業の英訳(Correctional Association Prison Industry Cooperation)の頭文字をとったCAPICが使われています。
確かに、刑務所作業製品なんて言われちゃうとちょっと身構えてしまうところがあるかもしれないよね。
作られる製品は、木工品、金属製品、革製品、ガラス製品など多岐にわたります。
敷地内の工具を使っているので、作れる製品の種類にやや制限があるようですが、結構な数のラインナップがあります。
・神輿
・桐たんす
・テーブル
・剣道防具
・紳士靴
・ワイングラス
・とっくり
・子供向け木製おもちゃ
・コラボ商品(くまモンやキティちゃんなど)
紹介したものよりももっとたくさんの商品があります。
気になる方は、CAPICのオンラインショップがありますので、見てみてください。
終身刑とはどう違うのか?
無期懲役とよく似た刑で終身刑がありますが、これは無期懲役とどう違うのでしょうか。
終身刑とは一生刑務所の中で過ごすことが確定している刑です。つまり、もう娑婆には出られないという事になります。
一方で、無期懲役は刑務所から釈放される可能性が残っている刑という事になります。
それじゃあ、無期懲役の人もいずれは刑務所を出てきてしまうのでしょうか・・・?そう聞くと怖いですね・・・。
いずれは出てきてしまう可能性がありますが、それでも服役してから30年経過した後に仮釈放してよいかという判断が行われます。
つまり、無期懲役になったら30年間は出られないってことなのか?
そうですね。
30年と言えば、人生の大半を消費してしまっている頃でしょう。
それだけの長い時間を刑務所の中で過ごすという事を考えただけでも、気が重くなりますね。
裁判などでよく聞かれる「心神耗弱」とは
無期懲役の話が出る時に、「心神耗弱」って言葉もよく聞くけれど、これっていったいどういう事なのかしら。
それと・・・実は読み方もわからなくって。てへ。
「心神耗弱」は「しんしんこうじゃく」と読みます。
心神は心、耗弱は弱っているとかすり減っているとかそんな意味ですね。
こころが弱っている状態です。
裁判の中で用いられる時は
精神に障害を抱えていて、善悪の判断がつかない状態になる事、または行動に移せない事
となっています。
なんだかよくわからない話ですね・・・
例えば、泥酔状態の時。
お酒を飲んでいて、非常に酔っぱらってしまうと、何をしているのかわからない、酔っていた時の記憶がない人がいるのはわかるかと思います。
また、そんなに酔った状態では、自分の体すら自由に操れません。
ふらふら歩いて田んぼに落ちたり、そこら中に体をぶつけたりというのは、普段ならあり得ませんが、酔っている時なら十分あり得ます。
また、人の家の前で立ちションをすることもあるでしょう。
平常時なら人の家の前で立ちションなどできないと思いますが、酔っている時はその良い・悪いの判断がつかない状態にあることが多いです。
そのため、してはいけない事でも行動に移せてしまう事になります。
自分で自分の行動を制御できないという事も出来ますね。
心神耗弱の原因として扱われているのは以下の通りです。
- 精神薄弱などの精神の障害
- 麻薬中毒
- 認知症
- アルコールの酩酊状態
アルコールの摂りすぎで酔っぱらうのも心神耗弱状態に入るんだね
善悪の判断がつかない、自分の行動を制御できないとなれば心神耗弱となります。
心神喪失とは何が違うのか?
心神喪失という言葉も聞いたことがあるけれど、心神耗弱と何が違うのかしら?
心神喪失と心神耗弱は似たような意味合いですが、その度合いが違います。
心神喪失は、全く善悪の判断がつかない、全く行動を制御できない状態です。
心神耗弱は、善悪の判断能力が著しく劣っている状態、行動する能力がほとんどない状態です。
心神喪失や心神耗弱だとどうなるのか?
裁判で心神喪失と認められれば、一切の責任がないことになり、罪に問われません。
えっ、何しても罪にならないってこと?
心神喪失状態にある人は責任能力がないため、犯罪にならないという事です。
心神耗弱だと認められた場合は、罪の不問、または減刑になることが多いです。
どうしてよく耳にすることになるのか?
裁判では、弁護士が被告人の弁護を行う事になりますが、弁護士の目的は、被告人の無罪を勝ち取るか、刑の重さを減らすことにあります。
殺人事件なら、殺意があったかとか、殺意はなかったとかそういった事実に基づけばよいのですが、そういった客観的な事実がない場合に、心神耗弱状態を持ち出すことがあります。
1つの手段として心神耗弱や心神喪失状態だったからという理由をつけているわけです。
そんなの卑怯じゃないんですか・・・?それに犯罪を犯した人をきちんと裁かないといけないのでは?
と思うかもしれませんが、弁護士は正義の味方ではないという点に注意です。
ドラマや小説では、弁護士は正義方につくことが多いので勘違いしてしまうかもしれませんが、弁護士は依頼人の味方です。
そこは勘違いしないようにしておきましょう。
心神耗弱の読み方について
実は読み方では「耗」の字がちょっと厄介かなと思います。
この字は「消耗(しょうもう)」の「耗」なので「もう」と読んでしまう人がいるかもしれません。
というか、ぼくは「しんしんもうじゃく」だと思っていました。
でも違っていました。
読み間違いしやすい感じなのでご注意ください。
まとめ
無期懲役とは期間の定めのない懲役刑の事。最低でも30年以上。
心神耗弱状態とは、精神障害により、善悪を判断する能力が著しく落ちている状態、もしくは判断に基づいて行動できない状態の事です。
今後、これらの言葉が出てきた時は注意してみてみましょう。