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【マンガ】「うしおととら」のあらすじと見どころを紹介 曲がったことは我慢できない熱い男、蒼月潮の旅が今始まる!




行っくぞーっ、とらーっ!

うるっせーんだよ、うしおーっ!!

今回は藤田和日郎先生のうしおととらをご紹介いたします。

あらすじ

寺の息子である蒼月潮(あおつき・うしお)は、父の言いつけで、蔵の虫干しをしていた。

その際に地下へと続く、謎の扉に足を取られて転倒する。

扉を開けて地下に転がり込んだ潮の目の前には、長い槍で刺し留められた奇妙な化け物がそこにいた!

槍は全ての妖(あやかし)を滅ぼすという伝説の「獣の槍」
凶悪なその化け物を外に出さないように何百年も前に一人の武士が磔にしていたのだ。

一旦は地下への扉を封印し、見なかった事にしようとする潮。
しかし、地下からあふれ出した化け物の妖気が周囲の妖を実体化させ、人々を襲いだした!

獣の槍を抜くことを条件に、化け物に妖怪退治を依頼する。

ここから、潮と化け物「とら」の冒険が始まる。

・・・というお話。

こんな人におススメ

うしおととらはこんな人におススメです。

  • 潮の熱い男気に触れたい人
  • 丹念に練られたストーリーを読みたい人
  • いろんな方向性の話を読みたい人

まっすぐな男に憧れる

主人公の蒼月潮(あおつき・うしお)は、曲がったことが大嫌いな中学生。
自分が正しいと思ったことを曲げずに生きている。

信念を曲げずに生きるって生き方は、現代では衝突を生んで、疲れるからあまり誰もしない。
明らかにおかしいってことでも、なぁなぁにして生きてる。

それが楽な生き方だし、平穏な生き方。
でも、潮は違う。
批判されても、バカにされても自分が大事だと思ったことや、守りたいと思ったもののためには一生懸命に立ち向かう。

そんな生き方をしている人が少ないからこそ、潮の生き方に憧れたりするし、かっこいいなって思う。

マンガの中の描写じゃないけど、例えば、電車の中で騒いでいる子供がいて、周りの人が迷惑しているようだったら、潮はきっとその子供の事を叱りつけたり、げんこつを食らわせたりするんだ。

その子供の親がいたら、親と衝突するんだろうけど、そんなことはお構いなし。
「ダメなものはダメ」「悪い事は悪い」とはっきり言える人間なんだ。

他人の子供なんてほっときゃいい、あとで人生損するのはその子供なんだから関わらなくていいって大半の大人は思うだろう。
でも、潮は違う。見過ごせない。

自分が傷ついたり、損したりしても相手のため、周りのために行動する潮はいくつになってもかっこいいと思う。

ストーリーが秀逸

いくつもの話が、関係なさそうに見えて、実は最終局面への伏線になっていたりする。

潮ととらの冒険活劇が基本なんだけど、最終到達地点の「白面の者の退治」に向かって話が進んでいくから、「ああ、あの時の事はそういうことだったのか」と思う事がある。
そういった話の繋がりが分かった時は、「つながった」って感じで読んでいてわくわくする瞬間でもある。

序盤で潮のかーちゃんがいないってことになった時に、死んだか別れたりして、いないのねくらいに思っていたけれど、それがあとで妖怪退治の話につながってくるなんて思わないよね普通。

そういったことが色々つながってくると物語として収束してるって感じてなんかすっきりするんだよね。

人情話もあるし勧善懲悪ばかりでもない多種多様な話に惹かれる

うしおととらを好きって人がいたら、その人と話し合うとすると、好きなストーリーが違ったりすることがあるんじゃないかな。

それくらい話の種類が多い。

ぼくがぱっと思い出すだけでも「シュムナとの闘い」だったり、海での「あやかし」の話だったり、「泥なんてなんだい!」の話だったりする。
細かい回想のシーンもたくさんあるので、「俺はこの話が好き」っていう個人個人の思い入れがあるはず。

シュムナとの闘いの時は、もう治らない病気を患った元ヤクザの徳野さんって人が、実家の町に来て、そこに現れたシュムナという化け物を潮たちと協力して倒す話。

地元だから、徳野さんの年老いたお母さんもそこにいて、シュムナに襲われそうになってる。
「俺には関係ねえや」って感じで最初は徳野さんは協力してくれないんだけど、潮が一生懸命その場にいたみんなを助けようとしているのを見て、自分の半生を振り返り、母親からいわれたことを思い出して、行動を変える。

潮がみんなを助けるのって、ほんのちょっとしたことがきっかけ。
ふらっと倒れたから目的地近くまで、バスに乗せてもらったり、カルピスのジュースをもらったからってだけの理由。

普通なら、それだけのために命を懸けるなんてことはしないしできない。
でも、潮は「世話になった人のためになるなら」って気持ちで、死にそうになりながらシュムナと戦ってる。

恩や感謝に大小をつけないで、つまりは打算的に物事を考えないで、やれることをやるって気持ちになんだかじんときちゃう。

徳野さんもやくざ者として生きてきた人生を振り返って「オレは・・・なにしてきたんだっけな・・・」って自分の人生と生き様を振り返るんだけど、その時に浮かんだ母親の「まっすぐに立ちな、信二!」という言葉に、「今までまっすぐ立ってこなかったから、最後くらいまっすぐに立つんだ」って気持ちで潮の手助けに向かう。

半端モンの人生、人様に向けて向き合えない人生、そしてお天道様に顔向けできない人生は、人生の最後に後悔してしまう。
そんなことを感じさせてくれる話で、知らずのうちに「自分はまっすぐに立っているのか?」って自問自答すると思う。

この話の魅力をうまく伝えられない自分がふがいない。

あやかしの話は、海辺に遊びに行った潮とその友達の一行が、地元の小学生にいたずらされる。
その小学生、タツヤは母親がいなくて、そのことをからかわれていてちょっとひねくれてた。

潮もかーちゃんがいないから、同じように小学生の時にひねくれてて、それを直してくれたのが近所の友達・麻子の父ちゃん。
「母ちゃんがきっとみてんだぞ!」ってその父ちゃんに言われる。

あやかし戦での最終局面で、麻子があやかしに飲みこまれそうになって、それを助けられるのはタツヤだけ。
でも、怖くて動けないタツヤ。そんな時に潮が「オレと一緒に母ちゃんにいいとこみせようぜ!」って、タツヤを励ますんだよね。

それで、タツヤは気合を入れることが出来て麻子を助けようって行動ができるようになるんだ。

自分と同じ体験をしている人がいるから、その人の気持ちになって、寄り添って励ますことが出来る。
そういう考え方を見せつけられた気がしたよ。

それと「母ちゃんがきっとみてんだぞ!」って言葉は、いくつになっても心に響く言葉。
子供だけじゃなくて、大人になっても、おじいさんになっても、そばにはいないけど、自分を生んでくれた母親が自分の行動を見てくれているとしたら、自分の行動は母親を悲しませたりはしないだろうかって考える事になる。

誰かを悲しませたりしないようにするって、大事な生き方だと思う。

うーん、これも魅力を完全には伝えられないねぇ。

こんな感じで、いろんな話がこの「うしおととら」にはあって、それぞれ考えさせられるんだ。

きっと、こういう行動規範の話は、読んだ時の年代によって感じ方も変わるから、10代の時、20代の時、30代の時、40代の時に読むことで違った魅力を発見できるって思ってる。

だから、「うしおととら」を知らない人にも読んでほしいって思うよ。

アニメ化してます

漫画の連載は1990年から1996年ですが、アニメ化されたのはOVA(オリジナルビデオアニメ)を除けば、2015年が初。

実に連載終了から20年近く経って、アニメ化されました。
古いマンガなのにアニメ化というのは、それくらい根強い人気があるってことだし、アニメ業界の中に熱烈なうしとらファンがいたってことの証だよね。

でも、内容はというと、限られた話数の中で、全部をやり切ろうとしたもんだから、ちょっと話の端折り具合が大きい。

ぼくみたいに、ピンポイントで「この話が好き!」って人にとっては、その話が削られちゃうと「なんでそこ削っちゃうの?!」って思っちゃうかも。

なので、もしアニメを見たり、原作を読んだりする機会があるなら、アニメ→原作の順に消化していくと不満があんまりないかも。

でも、アニメを見て「いい作品だって言われているけどこんなもんか」と思われるのもしゃくなので、ぜひ両方消化していただきたいですな!
テレビアニメ うしおととら 公式サイト

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おススメマンガ作品まとめ。【2020.03.28更新】 - 十日町PのDTだったら何が悪い!