反社会勢力という言葉が最近飛び交っていますが、特殊詐欺という言葉も出回っていますよね。
この特殊詐欺とはどういう詐欺の事を言うのでしょうか。
詐欺について調べてみました。
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」ではないですが、知ることで防げることもあるはずです。
特殊詐欺についての知識をつけていきましょう。
特殊詐欺の被害状況
引用:平成30年における特殊詐欺認知・検挙状況等について警察庁HPより
特殊詐欺の被害額の推移グラフです。平成30年の被害額は10年前と比べて4倍弱の363.9億円となっています。
過去最高の平成26年の565.5億円から200億減っていますが、それでもかなりの額です。
引用:平成30年における特殊詐欺認知・検挙状況等について警察庁HPより
こちらは認知件数の推移グラフです。認知件数ですから、警察が把握している数という事ですね。発覚していない事件もあると思いますので、これより多くの件数が発生しているとみるべきでしょう。
平成29年をピークに一旦下がっていますが、これから伸びていくかもしれませんし、安心はできません。
平成30年は年間に16496件も発生しており、10年前と比べると2倍以上になっています。
一概には言えませんが、総被害額が200億も減って、件数が上昇傾向にあるという事は一件当たりの額が下がっているという事ですね。
単純に計算して一件当たり220万円の被害額です。もっと低いかと思ってましたが、かなり高かったです。
このくらいの金額を取られてしまいますので、注意が必要です。
特殊詐欺とは
特殊詐欺の定義
特殊詐欺とは、面識のない不特定多数の者に対し、電話その他の通信手段を用いて、対面することなく被害者をだまし、不正に入手した架空または他人名義の預貯金口座への振り込みなどの方法により、被害者に現金などを交付させたりする詐欺です。
難しいですね。少しずつかみ砕いていきましょう。かみ砕きすぎな部分もあります。
面識のない不特定多数の者
面識のない不特定多数の者→赤の他人
不特定多数の者→手あたり次第
電話その他の通信手段を用いて
電話その他の通信手段とは
・電話
・メール
・手紙(ハガキ)
・FAX
です。対面する必要がない通信手段で声のみ・文字のみ
の通信方法を使います。対面したらばれちゃいますからね。
VTuberなんかも流行っていることですので、匿名性を出すならアバター越しに話しかけるというのもそのうち出てくるかもしれませんね。
不正に入手した架空または他人名義の預貯金口座への振り込みなどの方法
具体的には
・架空の預貯金口座への振り込み
・他人の預貯金口座への振り込み
・身分を偽って、自宅へ訪問しての金銭の受け取り
・特定場所で合流して金銭の受け渡し
・直接の金銭ではなく、預金口座の通帳やキャッシュカードなどの受け渡し
・特定住所への金銭または通帳などの送付
・電子マネーを購入して、登録番号を伝えさせる
等があります。
被害者に現金などを交付させたりする
ちょっと上と被る部分もありますが、
被害者→騙された人
交付させる→受け渡しさせる
ですね。
通して読むと
手当たり次第に赤の他人に電話やメールやハガキやFAXで連絡して、顔を合わせないまま相手をだまし、騙された人がお金やお金に関するものを受け渡したり、郵送したり、振り込みしちゃう詐欺
という事になります。
口語にするとなんとなく具体的になってきているのが分かりますね。
特殊詐欺なんていうとわかりづらくて、他人事のようですが、上のような手段を使って詐欺にかけようとしているんだなと思うと、用心しようって気持ちになりますね。
特殊詐欺の分類
振り込め詐欺
振り込め詐欺は以下の4種類
・オレオレ詐欺
・架空請求詐欺
・融資保証金詐欺
・還付金等詐欺
「オレオレ詐欺」の表現が「振り込め詐欺」に移行した時期がありましたが、新しいしっくりした言い方が現れれば、名称も変わっていくものと思われます。
振り込め詐欺以外の特殊詐欺
・金融商品等取引名目
・ギャンブル必勝情報提供名目
・異性との交際あっせん名目
・その他の名目
名目=表向きの理由、口実という意味ですので、上の詐欺を翻訳すると
・金融商品等取引という理由の詐欺
・ギャンブル必勝情報提供という口実の詐欺
・異性との交際あっせんと騙った詐欺
・その他の騙し手口の詐欺
となります。
各項目については詳しくは次回以降に見ていきましょう。
詐欺の刑罰
詐欺行為を行った場合、どのような刑罰になるのでしょうか。
(詐欺)
第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
10年以下の懲役です。
詐欺は重い罪とされていて、罰金刑がありません。
よくある条文では「罰金50万円または3年以下の懲役に処する」などと書かれていますが、上の条文には「罰金いくら」の部分が書かれていないのが分かるかと思います。
つまり、起訴されれば、則懲役という事もあり得ます。
オレオレ詐欺などでは主犯格がいたり、電話をかける「かけ子」、お金を受け取る「受け子」などいますが、すべて詐欺罪に問われる可能性があり、10年以下の懲役になることがほとんどです。
詐欺に手を染めることはやめましょう。
次回
次回は特殊詐欺の分類ごとに見ていきましょう。