オレオレ詐欺は人のやさしさにつけこむ詐欺でしたが、架空請求詐欺はやましさに訴える部分があります。
架空請求詐欺についてみてみましょう。
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架空請求詐欺が振り込め詐欺に占める割合
オレオレ詐欺が被害額のトップでしたが、架空請求詐欺は第二位です。
こちらも用心しなければならない振り込め詐欺になります。
引用:平成30年における特殊詐欺認知・検挙状況等について警察庁HPより
前回も見た認知件数と被害額のグラフです。
青色の部分が架空請求詐欺の占める割合です。
平成30年はそうでもありませんが、それまでの年を見ていると、トップになりそうな年もあります。
つまり、こちらも相当な勢いで被害を生んでいる種類の詐欺になります。
気を付けて被害に遭わないようにしていきましょう。
架空請求詐欺について
架空請求詐欺の定義
架空請求詐欺とは以下のようなことを指します。
架空請求詐欺(かくうせいきゅうさぎ)とは、契約した覚えのない、商品やサービスをあたかも「どこかで契約した」かのように見せかけ、「架空」の費目で請求し、金品をだまし取ること。
出典: ja.wikipedia.org
事実はないのに「やったじゃないか」と言いがかりをつけて、お金を取っていくようなものね
架空請求詐欺の流れ
・メールや書面でコンタクトを取る
・書面内容は、規定の金額を振り込むか、記載の連絡先に連絡を取ることを要求
・書いてある連絡先に連絡してしまうと、こちらの情報(電話番号・住所)がばれる。
・ばれた情報により、相手から執拗な電話や連絡が入るようになり、最終的には言葉巧みに振り込むことに
そのほとんどが、メールや書面でまずコンタクトを取り、不安を煽って、金品をだまし取る方法を用いています。
期限が迫っているので急いで連絡をください!という期限を切る方法で焦らせて連絡を取らせようとします。
書面の連絡先に連絡をしてしまうと、こちらの情報が相手にばれてしまう(それまではこちらの情報はほとんどわからない)ので、向こうから執拗に攻撃してきます。
電話攻撃などに耐えられないと、お金を振り込んでしまうことになります。
メールじゃないこともあります。例えばブラウザ(Internet Explorer,GoogleChrome,Firefoxのようなインターネットのサイトを閲覧するソフト)に突然表示されるとかですね。
なぜ騙されてしまうのか
架空請求詐欺に騙されてしまう原因は、不安と記憶や認識の曖昧さからきています。
不安というのはこれを放置していたらさらに損害(問題)が大きくなるのでは?という未来への不安の気持ちです。
記憶や認識の曖昧さというのは、自分がやったことをきちんと認識していない・覚えていないという事ですね。
ぼくたちは日々膨大な情報にさらされているという事実があり、細かいことまで詳細に記憶していないという事が原因の一つであり、
インターネットの知識不足によって、何が起きたのかよくわからないという事が原因の一つです。
自分がやったことも、やったうえで何が起こったのかもわかっていれば、「いや、そんなことはない」という一言ではねのけられるはずですが、そこまで確固たる自分を作ることができていないので、被害に遭ってしまいます。
架空請求詐欺は様々なパターンがありますので見ていきましょう。
架空請求詐欺のパターン例
知らないうちにお金がかかることをしていますよパターン
代表的なのは以下のようなものです
・利用したサイトの無料期間が終わって有料期間になっているが退会手続きが取られていないので料金が発生している
・無料の○○サイトに登録した時に一緒に有料の××サイトにも登録されているがそちらの支払いが滞っている
気づいてないかもしれませんが、料金が発生していますよという体で、連絡してくるわけですね。
この件に関して対応したいので、直接連絡をくださいといって、メールなり書面なりの連絡先に連絡をしてくるように仕向けます。
その後、この問題を放置しておくと大変なことになりますよという脅しをかけてきます。
脅しの例は以下の通り。
・訴訟手続きを行う
・差し押さえを強制執行する
・お客様の情報がブラックリスト入りして、いろんなところに出回るので今後の活動に支障をきたす
実際に起きたら怖いですね…。
最終的にそうならないようにお金を振り込んでください。という流れになります。
・頻繁に電話が鳴って催促してくる
・一回払ってしまうとさらに、別の口実で支払いを求めてくる
といった事態になってしまいます。
名義貸しは違法ですよパターン
・何かを優先的に購入できる優先権・優待券
・スポーツクラブなどの会員権
・株などを先に買える優先権
もちろん、そんな事実はなくて、架空の話ですが、さも当たったかのように話してきます。
これがものすごく高額だったり、興味がないジャンルだと「いりません」となりますが、そこで犯人側は別の人が優先権を欲しがっているという話を切り出します。
大抵の人は自分に必要ないもので、他の人が欲しがったいたなら、よかったらその方にどうぞと譲ってあげることになりますよね。
するとその事実を元に、犯人側の別の人が電話をかけてきて、あれは譲ることが出来ないんだとか、法律に反しているという脅しをかけて、お金を巻き上げようとしています。
個人情報を削除してあげますよパターン
市や団体職員を装って電話をかけてきます。
個人情報が洩れているので削除しましょうか?
その個人情報で、契約が結ばれていたり、何かの名義になっていたりして、このままだと名義貸しになっちゃいますよ?
と言って、トラブル解決の名目でお金をだまし取ろうとしてきます。
コンビニで支払いをお願いするパターン(プリペイドカード・収納代行)
こちらも「知らないうちにお金がかかることをしてますよパターン」のひとつですが、振り込みの方法が銀行などではなくコンビニを利用しています。
・コンビニ料金収納代行
・プリペイドカード
を利用しています。
「退会費」や「サイト利用代」として、上記の方法でお金や利用権をだまし取ろうとします。
コンビニ料金収納代行
犯人側から番号を通知され、その番号を打ち込んで支払わせるようにします。
プリペイドカード
プリペイドカードを購入後、その認証番号を犯人側に送らせるようにします。
これらは比較的金額が少なく、トラブルを避けようとする心理から払ってしまうケースが多いです。
なりすましパターン
amazonやyahoo!などの有名サイトの名前を騙って連絡してくるケースがあります。
これは、大手から連絡が来たから本物だと思わせて、連絡させようとしています。
確かに、amazonから「訴訟に持ち込む」なんて言われたらビビってしまいますね。大手企業ですから、どれほどの戦いになるのかわかりません。
SMSなどのショートメールで連絡が来ることはありません。
どのような形で送られてきたのかという事にも注意昼必要がありますね。
架空請求詐欺の対策
架空請求詐欺にはどう対策したらいいのでしょうか。
以下の対策が効果的です。
・無視する
・書いてあることをよく読む
・自分の行動を把握しておく
・詐欺キーワードを覚えておく
・連絡方法を疑う
無視する
書いてあることは基本的にウソなわけですから相手にする必要はありません。
相手をしてしまって、こちらから相手の連絡先に連絡(電話やメールで応対すること)してしまうと、相手はこちらの情報を取得してしまいます。
メールや書面が届いた段階では、相手はこちらの情報を何も握っていない可能性のほうが高いです。
メールが届いたのになぜ?と思うかも知れませんが、メールアドレスは自分でネット上にばらまいたりしているかもしれませんし、プログラムを使って手当たり次第に送っているだけかもしれません。
例えば、自分のメールアドレスを見た時に完全にランダムなアルファベットの組み合わせにしている人は少数派かと思います。
自分の好きな物のつづりだったり、会社ならば人の名前のつづりにしてアドレスを作成しているのではないでしょうか。
アルファベットなので英単語にしていることが多いかもしれませんね。
three apples → three_apples@hotmail.com
田中太郎さん → t-tanaka@xxxx.com
何かしらの言葉になっていれば、それを組み合わせてメールアドレスとした場合に、使用しているアドレスに行き当たる確率は高くなります。
なので、アドレスを知られていても、他の情報は知られていないと思ってください。
また、送ったアドレスのうち、どれが正しく送られたのかというものを相手はわからないので、アドレスも実はわかっていない可能性があります。
書いてあることをよく読む
宛先が「サイト利用者様」とか「(メールアドレス)様」と書かれていて、名前が一切ない場合は相手はこちらの事をわかっていません。
まず自分の名前があるかどうかという事が一つのポイントとなります。
また、利用したサービス名などが聞いたことがなかったり、そもそも発信元のアドレスが、携帯番号だったりフリーメールだった場合はもう完全にクロですね。
自分の行動を把握しておく
常日頃から、自分がとった行動を記録するなどしておくと、架空請求のメールやハガキが来ても、「NO!」と自信を持って言えます。
自分の行動や記憶があいまいで、そんなサービスを利用したかな…と思わないようにすることが大事ですね。
詐欺キーワードを覚えておく
本来ならあり得ない行動をとらせようとしてきます。
なので、その行動を指示してきた段階で「おかしいな」と思えるようにしておきましょう。
・現金を送れ → 普通郵便や宅配便でお金を送ることは法律や約款で禁止されています
・名義貸しは違法 → 違法だからと危機感を煽っている
・個人情報の削除 → 提案してくることがおかしい
・コンビニでの支払い → 普通はコンビニでの支払いを求めません
・今日中に必要 → 期限を切って焦らせようとしています。 普通は○月○日と書かれています
他にもバリエーションがありますが、上記のものは頭の片隅にでもおいておきましょう。
連絡方法を疑う
きちんとした請求ならSMSなどで送ってくることはありません。
メールにしても、きちんと自分の名前が入っていますし、相手の連絡先もきちんと明記されています。
メールもフリーメールなどではありえませんし、また、企業からなのに汎用メールアドレス(OCNなど)は可能性が低いです。(個人事業主がそういう汎用メールアドレスを使うことはあります)
そういった点も注意してみてみましょう。
まとめ
架空請求詐欺は、メールが発達した現代だから、多く見られるようになったのだと思います。
また、メール機能が優秀になって、怪しいものは迷惑メールに振り分けてくれるようになりました。
怪しい文面のメールは迷惑メールフォルダーなんかに入っていますので、試しに見てみるのも勉強になるかもしれません。
ただし、その時は、文章内のリンクをクリックしてはいけませんし、添付ファイルなんかを開いてもいけませんよ。
次回
次回は融資保証金詐欺と還付金等詐欺についてみていきましょう。