これまでのおさらい
前回までで以下の事をお話ししました。
・脳は大きな変化を嫌がり、小さな変化は受け入れられる
・やる気は消耗する
・やる気が減っても達成できるような簡単な目標にする
・やる気以外をモチベーションにする
・行動を続けられる仕組みを作る
これは行動前の下準備にあたるものですね。
しかしながら、下準備が出来て、いざ継続しようとしてもどうにも続かないことがあるかと思います。
目に見えないやる気をそぐ要因というものが存在しますので、今回はそれについてのお話です。
Contents
習慣化を邪魔するもの
最初に言うと以下の通り
・心理的な壁がある
・習慣化するもの以外にやることがたくさんある
・優先順位が低い
・結果がでない
・ご褒美がない
・完璧主義
ひとつずつ見ていきましょう。
心理的な壁がある
心理的な壁というのは何でしょうか。
習慣化したいアクションを起こすまでに、やらなければならないことが多いことを指します。
意志の力は消耗してしまいますので、行動を起こす前に何かの判断を繰り返す状況にあると、疲れてしまうのです。
語学学習でCDを聞いて発音練習をするとします。
他のCDがCDプレーヤーに入っていたとしたら、取り出して入れ替えをしないといけません。
語学学習CDが入ったままならば、ボタンを押すだけで、スムーズに勉強を開始できます。
CDを取り出す→CDケースを探す→CDを入れる→語学学習のCDを探す→CDを取り出す→CDを入れる→再生ボタンを押す
7アクション
再生ボタンを押す
1アクション
ジョギングの場合はどうでしょうか。
着替えがない、靴がない、走るルートも決まっていない、走る時間も決まっていないとしたら、その準備のために3分くらいかかってしまい、気持ちが疲れてしまいます。
着替えを探す→着替える→靴を探す→靴を履く→走るルートを考える→走る時間を考える→走りに行く
7アクション
着替える→靴を履く→走りに行く
3アクション
判断や行動が多くなってしまうと疲れてしまって楽な方へと流れていってしまいます。
見つからないなら仕方がないよね
と自分に言い訳ができる環境を作ってしまっています。
やると決めた時にすぐにできる準備を事前にしておくと心理的な壁が少なくなります。
習慣化するもの以外にやることがたくさんある
習慣化したい行動を作るということは、それまでにやっていたことを多少なりとも減らさないといけないということになります。
ぼくは以前仕事が終わって帰ってきた後にジョギングをしていました。
それまでの習慣としては、
家に帰る→PCの電源を入れる→ネットサーフィンをする
というものがあったので、どうしても、ジョギング前にネットサーフィンをしてしまっていました。
それが長時間に及ぶと、深夜0時を回っていたりしたので、「今日はやめておくか」と思う様になったり、時間があっても雨が降っていたりしたら、やめようと思ったりしました。
それまでに習慣化されていたものが力を持っていたと言えるかもしれませんね。言い訳ですが。
時間は有限ですが「あれもこれもやりたい」というものはたくさんあります。
そのなかで、今自分に必要なものをきちんと選んで、必要ないものは切り捨てるくらいの気持ちでいくとよいですね。
自分の中の行動を見返して「これはやらなくていいかなぁ」と思うものはなしにする。
習慣化が見につくまでは他の事を控えめにするということも必要になります。
優先順位が低い
新しい習慣は、後回しにされがちですが、これを一番優先度の高いものにしてしまいます。
上の「習慣化するもの以外にやることがたくさんある」の例では、家に帰ったとたんにPCの電源を入れるぼくがいるわけですが、「PCの電源を入れる」前に「着替える」というアクションがあれば、そのまま走りに行くのに抵抗は少ないわけです。
ほんのちょっとの手順の差が大きな結果の違いになってしまいます。
習慣化したいことの優先順位を上げていきましょう。
そのためには「起点となるアクション」が何かということが分かるといいですね。
ネットサーフィン→PCの電源を入れること
ジョギング→着替えること
ネットサーフィンとジョギングの行動の起点となるアクションは上記の通りです。
ということが分かれば、帰ったらまずやることは是が非でも「着替える」ということになりますね。
じゃあ、自炊を習慣化したい人はどこがアクションの起点でしょうか。
食材を買ってきたけれど、なんかそのままになってしまう…。なんて人の場合ですね。
自炊する→台所に向かう
自炊しない→部屋で落ち着く
ではないかと思うのです。これは個人差がありますね。
腰を下ろす、というものも含まれるかもしれません。
家に帰ってきて自炊をする場合はそのまま台所に向かうのが良いでしょう。
アクションの起点を見つけて、優先順位を上げていきましょう。
結果がでない
何をやっても結果が出ないというのは本当につらいものです。
でも、そこに落とし穴があってまずは成果は度外視というのが習慣化には大切なのです。
えっ、成果を出すために行動しているんじゃないの・・・?
と思われるかもしれませんね。
最終的には成果を出すことが目標なのですが、最初に必要なのは、行動が習慣としてなじむこと。ですね。
努力しているんだから早く成果が出てほしいと思うのは人情ですが、そんな簡単に成果が出るものを目標にしたりしないのではないでしょうか。
身の回りには、すぐに反応が返ってくるものって多いです。
ショッピングなんかは最たるものでしょう。
対価を払って、その結果が商品となってすぐに手に入る。
これはわかりやすい。
仕事はどうでしょうか。
ここではアルバイトを考えてみましょう。
時給1,000円のアルバイトがあったとして、5時間働くと
1000円×5時間=5,000円
が労働の結果として手に入ります。
このようなことが身近にあるために、
行動したんだから結果をちょうだい!
と思うわけですね。
習慣化では、すぐには結果が出ないということを理解して、むしろ継続できた自分をほめる自己満足の世界に浸るのが初期段階では有効です。
ご褒美がない
頑張ったことへの対価は、かなり遠い未来に自分のもとへ届けられる予定なのですが、それがいつになるのかはわかりません。
また、誰に言われてやったことでもないので、誰かから褒められたりすることもありません。
何かいいことがないと頑張る気力も徐々にですが萎えていってしまうかもしれませんね。
そこで、自分自身へご褒美を出すことを心がけてみましょう。
ジョギングを1週間頑張る→ケーキを一つ食べる
勉強を2時間やる→ゲームを1時間遊べる
自炊を1週間頑張る→土曜は外食
線引きが難しいかもしれませんが、自分の中でご褒美を作っておくとあとちょっとという時に頑張れます。
また、習慣化がなじんで来れば、そこが起点になって行動するというサイクルにもなります。
習慣化前
ジョギングを1週間頑張る→ケーキを一つ食べる
習慣化後
ジョギングを1週間頑張る→ケーキを一つ食べる
ケーキを一つ食べたからジョギングを1週間頑張ろう
↓
ジョギングを1週間頑張る→ケーキを一つ食べる
以下ループ
ただし、ご褒美が強烈すぎて、習慣化の足かせになるようならよくありません。
ジョギングを1週間頑張る→ケーキを一つ食べる
→ケーキ美味しい!明日も食べよう
勉強を2時間やる→ゲームを1時間遊べる
→ゲーム面白い!クリアするまでやろう
自炊を1週間頑張る→土曜は外食
→外食楽ちん!明日も外食
軽めのご褒美を設定しておくといいかもしれませんね。
完璧主義
立てた目標をなんとしてもやらなくてはいけない、という気持ちでいると気持ちが重くなることがあります。
勉強2時間はやる気が出ない…
ということもあるでしょう。
そうしたら、時間を減らせばいいのです。
30分だけ勉強するか
となれば、なんとなくやる気が出てくるでしょう。
やろうとした目標を修正するというのは大事なことです。むしろ、試行錯誤して最適な方法を見つけることが重要なのです。
継続していれば、自分にとってやりやすい方法を見つけることが出来ます。
21時から見たいドラマがあるけど、それまでの隙間時間に勉強できるかもなぁ
という思い付きが出てくるかもしれません。
完ぺきにこなそうとしないで、できるところからやってみる。というスタンスでいると行動しやすくなりますよ。
まとめ
習慣化を邪魔するものがあるので、それらをなくす方向にもっていく。
・心理的な壁を少なくする(事前準備を増やす)
・習慣化するもの以外でいらない行動を減らす
・習慣化するアクションの優先順位を高くする
・結果を出すことより、継続する習慣をつける
・ご褒美を自分に与える
・完璧主義をなくして、無理そうなら目標を変更する
いかがでしたでしょうか。
ひとつひとつを見れば、そんなに大変なことはしていなさそうですよね。
少しづつ修正して習慣化できるようにしていきましょう。
次回に続きます。