細かい書類や通知はがきなんかを「いるもの」と「いらないもの」に分けるのは結構面倒くさいものです。
そういった書類をため込まないことが大事なのですが、片づけが苦手な人は溜まってしまいがち。
今回は、片づけの仕組みを作ることで、頭を使って判断することを減らす仕組みを見ていきましょう。
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片づけを逃げるのは「責任」と「判断」から逃げたいという心理
あー、ここにある書類って、ずーっと前からあるよなぁ。
捨てていいのかわからないし、もし必要な物だったら捨てたら怒られちゃうよなぁ。
そうねぇ。そんなに邪魔にならないし、急いで片づける必要もないからとりあえずこのままにしておきますか。
賛成!ちょっと横に固めておけばきれいに見えるし、これでオッケーにしよう
オッケー(^ー^)b
なんて光景はありませんか?
長くそこにあるものというのは、だれのものかわからなくなって放置というパターンが多いと思います。
いつの間にか置かれたものが、ずーっと占拠していて、動かしていいのかわからないし、とはいっても周りの人にいちいち確認しに行くのも面倒で、「そのうちだれかが片づけるだろう」と思って、責任の所在が分からなくなってしまう事があります。
ここには「判断」と「責任」から逃げたい心理があります。
ひとつずつ見ていきましょう。
責任から逃れる
これもまた複数のパターンがあります。
・面倒から逃げたい
・過去の失敗から逃げたい
責任を負わされる面倒から逃げたい
何かにかかわってしまうと、自分がその担当になってしまう事ってありますよね。
やり始めたんだから全部やってよね
という事は学生時代からあったかもしれません。逆に社会人になってからそういうことを言い出す人は少ないと思うのですが、そういった経験があると、担当者にされそうでなかなか手を出しづらいものです。
面倒くさいことを回避したいという気持ちが働いています。
過去に果たせなかった責任から逃げたい
仕事でミスをしたときの資料や、余計に発注してしまった備品、制作したけれど使えなかった失敗作の試作品など、過去に果たせなかった責任の証拠として、それらのものがあふれてしまうことがあります。
使えない試作品などはぼくも経験がありますが、あまり繰り返し見たいと思えないものです。
それを見るたびに失敗したことを思い出してしまって、やるせない気持ちになりますね。
そして、そういったものは、緊急性がないので、とりあえずそのあたりに置いておこうと思う事になります。
「臭いものにふた」と言われるように、目を背けてそのままにしまうことですね。
そこには改善の手がかりもあるので、すぐに捨てたりはできず余計に放置しがちという気持ちがあります。
判断から逃れる
判断することは一回一回は大したことがなくても積み重なってくると、負担になってきます。
自動的に判断できればいいのですが、様々な要素が絡んでくると、細かく見ていかないとダメなこともあります。
そして、それらの判断が必要なものが多いと逃げたくなってきてしまいます。
捨てるかどうかを判断することから逃げたい
「いるもの」か「いらないもの」という判断をするのは、面倒くさいものです。
捨てるための基準が一つなら、すぐに判断できると思いますが、その基準が複数あると、基準を確認するのがおっくうになってしまいます。
仮に書類を捨てるかどうかだとすると
・書類の新旧
・作成者が誰か
・コピーはあるのか
これくらいがぱっと思いつきます。
・この書類が最新なのか、それとも古いものなのか。
・作成者が自分以外ならその人の了承を得て捨てるのか
・もしこれが必要な資料だった場合、コピー(元データ)は他にあるのか
などを確認したくなります。
これらのもろもろを判断するのが面倒くさくなるので、放置と考えてしまうこともあります。
必要かどうかを判断することから逃げたい
また、判断の放棄は不要なものを増やすことにもつながります。
んー、確か会議の出席者は10人くらいだったから、15部刷っておけば問題ないよね・・・。
このような積み重ねが、無駄を増やしてしまいます。
しかし、これは余裕を持っておきたいという心理が働いています。
・打ち合わせで資料が10部必要なところを8部しかなかった
・サンプル品を配っていたら途中でなくなってしまった
このような状況になってしまった時、相手に対する印象が悪くなってしまったり、商機を逃してしまうことにつながってしまうかもしれません。
このような経験により、
しまった・・・。
と思う事はあるのではないでしょうか。そして、その失敗は心に深く刻まれます。
それならば、多めに作っておこうと思ってしまうのは仕方がない事なのかもしれません。
加えて、多めに作ってしまったことによる無駄は、すぐには仕事に影響せず、また無駄だと認識することが少ないので改善されずにそのままになることが多いです。
しくみによって判断の機会を減らす
しくみやルールを作成することによって、頭で判断する機会を減らすことが出来ます。
これにより、面倒くさいと思う事もなく、無駄も効率的に減らすことが出来ます。
しくみを作ったうえで無駄が出た場合は、その仕組みに沿って動いた人が悪いのではなく、仕組みが悪いことになります。
しくみが悪ければ、仕組みを改善して無駄を減らすことが出来ますし、人に責任を押し付けることもなくなります。
具体的に見ていきましょう。
いるものといらないものを分ける基準を明確にする
ひとくくりで、「資料」とか「データ」として保管しておくと、中身を見ないまま放置してしまい、溜まっていく原因になります。
そうなる前に、大まかにでもいいので分類しておくと判断がしやすくなります。
1.今後使うかどうか
もらった資料だから、せっかく作った資料だから、という気持ちで書類をためておくと、片づける時に本当に必要なのかという事を判断しなくてはなりません。
そこで、今後使うことがあるのかという基準でみて、使わないようなら捨てるようにします。
例として議事録なんかは新しいものが出来た場合は過去の議事録は捨ててもいいかもしれません。
大抵はデータで残っている場合がありますので、必要な時だけ参照するようにすれば紙で残しておかなくても大丈夫でしょう。
この辺りは会社によってルールが違うかもしれませんね。
使うかどうかというのは、少し曖昧表現ですので、「アクションを起こすかどうか」という観点でもいいかもしれません。
・過去の議事録を持ち出して、今後打ち合わせをすることがあるかどうか
・以前にもらった資料を参考にして、開発を進めることがあるかどうか
・以前作った試作品を持って営業に出かけるかどうか
こういった今後のアクションにつながりそうにないものというのは不要であると考えていきましょう。
2.期限で分ける
1で残しておいたものに対してさらにふるいにかけます。
最後に使用した日から、一定期間過ぎたものは捨てるという考え方です。
モノにも賞味期限や旬があると言えばいいでしょうか。
・先月はこの資料はすごく役に立ったけれど、今は情報が古くて役に立たない
・ある案件中は、要件確認のためにチェック表をよく参照したけれど案件が終わったのでチェック表も不要になった
さまざまなパターンがありますが、常に一定の価値があるかどうかを確認する必要があります。
それを個別に検討するのが面倒くさいので、期限によって振り分けます。
この辺りは、業界によって調節が必要になります。
例えば、年単位でプロジェクトを進めているような業界だと、ひと月前やふた月前のデータを参照することもあるでしょうし、逆に短いスパンでデータが更新されるような業界では、ひと月前なんて遥か昔の事になるでしょう。
もしくは、プロジェクトが終わってから、中身を検討するでもいいかもしれません。
どちらも、一定期間を経て、それでもまだ必要かという事を基準にします。
PCのデータで「ゴミ箱」に移したものを、一定期間後に完全に削除するようなイメージでしょうか。
まずは「先月使ったもの」「先々月使ったもの」「3か月前に使ったもの」と分けておき、月の変わり目にその中身をチェックしてみるのがらくちんです。
過去のものになるほど、必要性が減ってきますので、少なくなっていくはずです。
ルールは変えていく
しくみを作っても、なんだかうまく無駄が減っていかないときは、仕組みのルールを見直していきましょう。
上でも書いたように、働き方や業界によって合う・合わないがあるからです。
いったん緩めにルール決めをしておいて、その後、調整を重ねていけば、自分の仕事のスタイルに合うはずです。
しくみがあれば行動が変わる
しくみがあることを前提にすれば、行動も変わってきます。
ペットボトルや空き缶を分別しなければならないとき、全部ひとまとめのごみ箱に捨ててからあとで分別するよりも、先にゴミ箱を分けておけば労力は減らせます。
分別しなければいけないという事を知らない場合は、ただ無造作にごみ箱に捨てるだけですが、分別が必要と分かればどこにペットボトルを捨てたらいいか、表のラベルははがしておいた方がいいのかキャップは別にしたほうがいいのか等にも目が行き届くようになります。
そこにはルールがあるからそうしているだけで、そこまで判断力を使いません。
なので、
ルールを作るなんて面倒くさいなぁ
と思わずに、一回やってみるとよいでしょう。
効果がなければ、そのルールを止めればよいのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ルールがあるとそのルールにのっとって、行動も最適化されていきます。
そこに判断が入り込むことが少なくなるので、めんどうくさいと思うことも少なくなります。
まずは捨てる基準の設定と、それをルール化してみてください。
片づけを上手にして、効率よい作業を手に入れましょう。
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