溜まった物を捨てるのは、判断力も使うし、面倒くさくなりがちです。
そうではなく、そもそも物がたまらない仕組みを作ることが出来れば、労力を減らすことが出来ますよね。
今回は物をためない仕組みを見ていきましょう。
Contents
「モノ」のコントロールとは
モノを使用する時に最適な状態にするには、仕組みを作ってコントロールする必要があります。
必要なものを必要な時に使えるようにする
コピー用紙が切れたのに補充するコピー用紙がない・・・
下の階の総務に取りに行けばいいんじゃない?
お前・・・下の階と言っても10階も下じゃねーか。そこからコピー用紙を取ってくるのかよ・・・
でも、それって確かに手間ですし、何とかしたいですよね・・・
使いたい時にモノがないというのは、仕事をするうえで避けたいことのひとつです。
作業がそこで止まってしまうかもしれませんし、お客様がいるような職種では、待たせたり、次回来てもらうことになったりでイメージが下がったり、商機を逃すことにもなりかねません。
しかし、だからといって過剰に用意しておくのも無駄が発生することになり、余計なコストの増加やスペースの圧迫などにもつながってしまいます。
それらを避けるにはどうしたらいいのでしょうか。
「発注点」を作る
上のコピー用紙の例だと、在庫が無くなってから補充しようとしたために、欠品が生じてしまっています。
これを防ぐには、最後のコピー用紙をコピー機に入れた時にすぐに補充の依頼をかけておくのが望ましいです。
もしくは、コピー用紙を3つまでおいておけるスペースがあるようなら、残りが1つになった時に補充するようにしておけば、欠品というのはなくなることでしょう。
このように、補充や仕入れを行う適切なタイミングの事を「発注点」といいます。
上のコピー用紙の例の発注点は「残りが一つになった時」ですね。
発注点を導入するメリットは以下の通り
・欠品の状態が無くなる
・無駄な在庫を抱えなくてよい
・「いつ発注するか」の判断で迷うことがない
・「在庫切れが起きていないか」というチェック時間を減らせる
ひとつずつ見ていきましょう。
欠品の状態が無くなる
発注点を設定しておけば、「なくなってから注文する」という事がなくなります。
仕事を途切れることなく進めることが出来ます。
無駄な在庫を抱えなくてよい
発注点を設定することで、少なくなってきてから発注することになるので、過剰な在庫を抱えることが無くなります。
事務用品などで特に消費期限がないようなものなら多少多めにあっても問題ないかもしれませんが、食材などの消費期限があるものなどは、無駄な在庫を抱えることは品質の低下にもつながってしまいます。
品質維持のためにも必要以上に在庫を抱えないでおくことが好ましいです。
廃棄になった時はその分の材料代がまるまるロスになってしまいます。コスト削減のためにも在庫は少ないほうが良いでしょう。
発注判断で迷わない
必要なものをどれくらい発注するかということは、結構迷ってしまいます。その時の状況を加味して発注するのは難しいことです。
慣れた仕事なら良いのですが、新人であったりしてその仕事がよくわかっていない時などは適量が分かりません。
それをルールとして作っておくことで、担当する人が変わっても適切に短時間で発注することが出来るようになります。
在庫切れのチェックの時間を減らせる
しくみを作っておかない場合、在庫がどんな状況にあるかは監視しておかないといけません。
上のコピー用紙を例にとると、「残りが一つになったら注文する」というルールにしていますが、チェックしに来ていつまでたっても残りが2つという状況がありえます。コピーの使用頻度が減っていたら、コピー用紙のヘリも少なくなりますが、使用頻度の波は読めません。
そうなると、チェックしに来る時間が無駄という事になります。
発注点を作ってルール化しておくことで、このチェックの時間を節約することが出来ます。
「発注点」を設定するために
「発注点」を設定するためにはやみくもに設定しても効果は得られません。
以下のものが現在どうなっているのかを確認する必要があります。
・使用量
・使用頻度
・リードタイム
使用量と使用頻度を確認することで在庫がどの程度のスパンでなくなるかを予測できます。
なくなる前にリードタイムを考慮した発注をすることで効率の良い注文が出来るようになるからです。
リードタイムについては次項で説明します。
「時間」のコントロールとは
時間のコントロールに気を配ることで、材料や人的資源を有効活用することが出来るようになります。
リードタイムを考える
リードタイムとは「注文してから納品されるまでの時間」の事を指しますが、現場感覚で勝手に解釈すると「モノを頼んでから有効に活用できるようになるまでの時間」ではないかと思います。
手元に届いても使えなければ意味がないので。
またまたコピー用紙の話ですが、都内でアスクルを使って、コピー用紙を頼んだ場合、午前11時までに頼んだら、午後には持ってきてくれます。(会社の住所によります)
午後に頼んだら翌日配送ですね。
この時、午前と午後でリードタイムが違うので、「今日中に補充したい」のか「明日届けば問題ない」のかによって、いつ頼むかが重要になります。
午後にはほしいのに、配送が明日になってしまうと、その分、業務が止まってしまうからです。
発注点のイメージは上の図の通りです。
時間が経つにつれて、在庫が徐々に減っていき、ある基準の量よりも少なくなると、発注します。
これが赤丸で示した発注点です。
そこからリードタイムを経て、頼んだ在庫が届くと、ぐんっと在庫量が増え、そこからまた徐々に減っていく、の繰り返しになります。
余裕のない発注点の設定をしてしまうと、リードタイムの間に在庫が尽きてしまいますので、その場合は発注点をもう少し在庫がある段階に設定します。
人的資源の時間配分も考える
同じ職場の中に、ものすごく忙しそうにしている人と、定時でスパっと帰る人がいることがあります。
ううっ、22時までに終わるかしら・・・
お疲れっす!お先に失礼しゃーっす!
先輩、もう帰れるんだ・・・
忙しそうにしている人が仕事が遅いのかな?と思うかもしれませんが、割り振られた仕事量が違う事が原因かもしれません。
俺は1案件しか担当していないからじっくりやっているよ。
私は4案件担当で時間が足りないことが多いです。
この場合、イメージとしては以下のようになります。
時間が余っている場合は、「案件A」を必要以上に時間をかけて作業してしまうことがあります。
それはヒマと思われたくないからという心理が働いているためです。
時間をかけて作業しても、実はそれが作業の引き延ばしであることもしばしばあります。
1時間で終わるような作業を午前中かけてやったりという事です。
時間をかけているのに、成果が同じならば作業効率が悪くなっているということが分かりますね。
つまり、ムダが発生していることになります。
こちらは逆にひとつひとつに時間を十分にかけられないので、確認不足になったりすることがあります。
確認不足があるという事は、ミスにつながったり、手戻りが多くなり、そのため結局作業量が増えてしまったりします。
その人にしかできない仕事というものもあるので、完全に作業を移行するという事はできないかもしれませんが、仕事の状況を見て分担を割り振ることで余裕が生まれ、効率が上がることがあります。
朝に簡単なミーティング(5分以内で終わるもの)や、各々が互いの作業量を見ることが出来る掲示板やシステムなどを使って、状況を把握することで、適切な作業分担を行えることがあります。
自分の作業を他の人にお願いするのは気が引けることもあるかと思いますので、そういう相談が出来ないタイプの人は、上司に相談して割り振りを見直してもらうことが重要になります。
まとめ
しくみを作って無駄をなくすためには状況の見える化が必要になります。
「発注点」の設定も、「あとどれだけで在庫が無くなるか」ということが分かっていないといけませんし、
「人的資源の時間配分」も、各人の作業状況をわかっていないと難しいです。
この状況を改善するには何がわかっていればいいのか?を突き詰めていくとコントロールしやすくなります。
1 片づけ上手で仕事を効率化!
2 片づけの基本の5Sとは?
3 片づけが苦手な人の心理
4 片づけは「時間」と「モノ」のコントロールが大事
5 主作業を見極める
6 整頓を考える
7 片づけは「判断する機会」がないのがベスト?
8 片づけの維持・定着方法