人は集団による圧力に弱い?人の意見に流されてしまう同調圧力とは?
というほどの事はないかもしれませんが、誰かの意見によりかかるのは楽なものです。
「ご飯何食べたい?」「なんでもいい」というようなやり取りはどこのご家庭でもある風景かと思います。
そのたびに、「『なんでもいい』が一番困る!」と言って奥さんが怒っていたりしそうです。
それはさておき。集団でいる時に他人の意見に同意することがあると思いますが、それはもしかしたら自らの判断ではないかもしれません。
今回は同調についてみていきましょう。
Contents
人は周りに流されやすい
人は自分の意見を持っているようでも、実は周りの判断を気にして、自分の意見を変えることもあるのです。
とある日のオフィス
いやー、暑い。暑すぎますね。
そんなことないわよ。ほら、室温だって25℃になってるし。過ごすにはちょうどいい温度ね。そうよね?
そうですよ、先輩。暑くもなく寒くもなく快適じゃないですか
そうかぁ、じゃ、俺の勘違いかなぁ。確かに言われてみれば言うほど暑くない・・・のか?
暑いと思うから暑いのよ。しっかりしなさい。
そうですよ、逆に考えればいいんですよ。ここは涼しくて寒すぎるって思えば、なんとでもなります。しっかりしてください。
そうかぁ。そうかもなぁ。
って、エアコンがそっち向いてるから涼しいんじゃねーか!
ばれたか
恐ろしい女どもだぜ・・・
同調実験
同調実験は以下の問題を使って行われました。
三本の棒の中から見本と同じものを選んでくださいという単純問題です。
正解は「C」です。
しかしここで、サクラを仕込んで全員が「Bが正解」という答えを出すと
自分では正解は違うと思っていても周りがそう言っているならきっとそれが正解と思ってしまうのですね。
この時に、1人でも正解がいると、同調圧力に左右されず、正解を選ぶことが出来ます。
サクラの人数も関係があり、2人だと同調する人は12%程度です。
3人以上にすると、それ以降は人数にかかわらず、約3割程度の人が同調することが分かっています。
・自分以外の人が答えた内容が間違いだとわかっていても約3割はそれにつられて意見を間違ったものに変えてしまう
・大多数は間違った答えを言っていても、1人でも正解を言っている場合は同調は5%にまで下がる
・同調の効果は3人以上で得られる
・2人だと12%程度まで下がる
日本人は同調圧力に弱い
日本人は足並みをそろえる、という習慣があるので、同調圧力に弱いです。
出る杭は打たれる、ということもあるように、人と違ったことをして非難されるのが怖いという意識があるからです。
昔から集団生活を営んできたので、その中から外されることは一人だけ不利益を生んでしまう事につながります。
そのため、集団から外されないように、周りと意見を同じにして波風を立てないようにする気質があり、それが同調してしまう原因とも言えます。
一方で、外国の方は主義主張がはっきりしていて、自分の権利をとことん主張する性質がありますよね。
そのため、外国の方は日本人ほどは同調圧力に屈しないと言えるでしょう。
ただ、実験を行ったソロモン・アッシュさんも外国の方で、その方の実験で3割が同調してしまうという事なのですから、外国の方も3割は同調しています。日本人はそれ以上の人が同調している事でしょう。
同調圧力に屈しないためには
周りに流されてしまわないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。
・同調圧力を持つ集団に近づかない
・自分の意見を持つ
上の同調実験では、質問に対する答え、という形式でしたが、日常生活ではこのような質問形式というのはあまりないと思います。
日常では集団でいる時の意思決定が多く見られる同調ではないでしょうか。
よーし、2次会行くか!
そうそう、明日は休みなんだから2次会行きましょ。行くよね?
(帰ってゆっくりしたいけど・・・)あ、はい。そうですね、行きましょう!
こんな感じで、何かをする、どこかへ行く、という場合に、集団でいると同調を求められやすくなります。
そこで、そういう同調を求めてくる集団から少し距離を置いておくと、同調圧力に巻き込まれにくくなります。
自分の意見を持つ
意見を求められた時に、周りに配慮することも大事ですが、自分でしっかりと意見を持つことで、同調に負けないようにすることが出来ます。
事あるごとに、発言をしなかったり流れに身を任せていると
あいつはいつも誘いに乗ってくるし、今回も来てくれる
という、流れになりがちです。
そうではなく、日常から意見を言ったり、自分を持っている振る舞いをしておけば、周りにもそれが伝わり、圧力に負けない流れができてくるのです。
今日仕事終わったら飲みに行く?
すみません、今日はどうしても見たいアニメがあって・・・。毎週木曜はお出かけできないんです。また誘ってください。
同調は悪い事ばかりではない
同調圧力という言葉がいけないのか、マイナスイメージを持っている方もいるかもしれません。
圧力という言葉の響きがきっとよくないのだと思います。
人の意見を受け入れて賛同するという事は、同じ意思を持った集団ができるという事になります。
それは例えば、企業の中では同じ方向を向いて日々の仕事に邁進できるという面にもつながり、お互いに信頼できる仲間として団結力が上がるという面もあります。
組織を編成するうえでは同じ価値観を持っている仲間がいるという事が大切になります。
意見をまとめる時に活用できる
大勢の意見に賛同しがちという性質だけを見れば、意見をまとめる時に役に立ちます。
例えば3つほどの意見があり、どの意見にするかという会議を行う場合、いろんな立場の人がいるのでなかなかまとまらなかったりしますよね。
ムダに時間だけ過ぎていくという事があります。
その時に、事前に一定数の人に
A案でお願いします
と言っておけば、A案支持の人が多数を占め、それならばという事でスムーズに話が進むこともあります。
事前に交渉しておくことで会議の同調の流れを作り、意見をまとめる手法になります。
まとめ
・自分以外の意見がまとまっている時、間違っていると思っても3割程度はその意見に流されてしまう
・同調しないようにするには自分の意見を持つことが大事
流されてしまうという事は、自分で判断していないので、失敗したときとかに後悔しやすくなります。
また、自分の意見かもしれないと思っても、同調圧力によって、操作された意見かもしれません。
同調圧力の仕組みを知って、流されないようにし、また活用できる部分では活用してきたいものです。
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