テニスの得点はなぜ数が急に増えていくのか?得点の由来を解説!

2020年4月4日




ボールがコート内に落ちなかったら何が悪い!

初心者あるあるですが、テニス以外の球技って、玉を上に飛ばすことが多いじゃないですか。
だからその癖で、コート内に球を落とすのがすごく難しいですよね。

慣れれば大丈夫なんですけど。

さて、テニスの試合でポイントを取った時に「0(ラブ)」「15(フィフティーン)」「30(サーティ)」「40(フォーティ)」とコールしますが、ここで「ん?なぜ40?45じゃないんかいっ」と思ったことはありませんか?

また、「1ポイント、2ポイント、3ポイントじゃダメなの?」と思う人もいるかもしれません。

今回はこのテニスの得点の数え方の由来を解説します。

テニスの点数の数え方

最初にテニスの点数の仕組みを解説します。
知っている人は飛ばしてくださいね。

4ポイントで1ゲーム


点を取ると

0 ラブ (0ポイント)

15 フィフティーン(1ポイント)

30 サーティ(2ポイント)

40 フォーティ(3ポイント)

1ゲーム (4ポイント)

の様に点が加算されていき、4ポイントを取った時点で1ゲームとして加算されます。

そして、カウントはお互いに0に戻ります。

例えば、30-30のようにお互いが2ポイントずつ取っている時に、片方がそこから2ポイント連取して1ゲーム取ったとすると、お互いのカウントが0-0になります。

1ゲームを取ったほうだけ0に戻して、0-30で始まったりはしません。

見ようによっては、ゲームを取れなかったとすると、それまでにとったポイントはムダになります。

6ゲームで1セット


4ポイントとると1ゲームです。

このゲームを6つ取ると、1セットとったことになります。

試合形式としては1セットマッチと3セットマッチがあり、1セットマッチは1セットとれば勝ちです。

3セットマッチは、先に2セットとったほうが勝ちで、最大で3セット目まで試合が延びるので、3セットマッチといいます。
1セットが大体1時間くらいかかるので、3セットマッチだと最大で3時間ほどかかります。
長いですね。

中継を見るのも一苦労です。

なぜ「0」を「ラブ」というのか

言葉の話からいってみましょう。諸説あり、どれが本当かはわかっていないようです。

「無償の愛」説


「FOR LOVE」は「無償で」という意味があり、無償で(0点のままで)相手をするという状態に対してつけられたと言われています。

どれだけ一途なのか、それとも間違った愛なのかって感じがしますが、実際の試合でラブゲームにされたら、絶対に愛なんて育たないと思いますけど。

実力が拮抗した相手と戦いたいものです。

「愛は0から始まる」説

これはなるほど!と思いましたね。

最初の状態は0-0の状態で、点を取って積み上げていく。

どんな人との関係も最初はまっさらな状態で、そこから関係性を築いていく。

そして、愛も0から高めていく、という表現ですね。

これは何とも詩的な感じ。

でも、ゲーム取られちゃうと、0に戻っちゃうんでせっかく積み上げたものが崩れてしまうので、これも愛の難しさを表現しているのかなぁ。

Love=nothing説

Loveという単語の中に「nothing」つまり「何もない」の意味が含まれていたとされる説です。

そうなると、何もない→0点を意味することになります。

フランス語のたまご(l’oeuf (ルフ))からきている説

0って数字は卵のようにも見えますね。

そして、フランス語で卵の事をl’oeuf (ルフ)といいます。
この0と卵をかけて、l’oeuf (ルフ)と言い始めました。

試合中にルフと言い続けて、それが途中でなまってラブに変換したというもの。

どこの国にもなまったり、言葉が時間の流れで変化していくという事があるんだなぁと思いました。

英国人のお国柄?

テニスはフランス発祥ですが、ポイントのコールは英語ですよね。

発祥はフランスで、その後、イギリスにわたって発展を遂げたとされています。
なので、ポイントのコールもイギリス由来になっています。

ここで、イギリスの伝統的なスポーツである野球によく似た競技クリケットについても触れてみます。

クリケットでは打者が得点を取れずに0点で自分のチームへ帰っていくことを「duck」または「duck’s egg」と言うそうです。
これもつまり、0と卵を結び付けるという発想が英国人の中にあったという事を証明するものでしょう。

0→15→30→40の順になったわけ

最初はきちんと0→15→30→45だった

最初はみなさんのご想像通り、0→15→30→45で数えていたようです。
うん、その方が自然ですもんね。
ただ、その理由はこれまた諸説あります。

【15刻みの訳】時計由来説

昔はポイントのカウントに時計を利用していたらしく、時計の針を15分→30分→45分→0分の位置に針を移動させて、ポイントを確認していました。

これなら、記録間違いとか起きなさそうです。

観客席から試合を見ている場合でも、90°単位で棒の位置を変えていたものですから、今が何点かわかりやすかった、というメリットもあります。

15°刻みとかなら、遠くから見た場合判別できないこともあるでしょう。
なので、カウント方法としても、視認性からも優れた方法だったのです。

【15刻みの訳】修道院由来説


11世紀ごろ、フランスの修道院で「ジュ・ド・ポーム」と呼ばれる競技が盛り上がっていました。
このジュ・ド・ポームはテニスの原型の球技といわれています。

そして、当時の修道院は、15分ごとに鐘が鳴り、生活を管理していたそうです。

そのため、当時の人々の間では15分単位というのが一つの基本のルールとしてしみ込んでいたので、特典もこのように15刻みになったのではないかと考えられています。

【15刻みの訳】通貨由来説

ジュ・ド・ポームは「スー」や「ドゥニエ」の通貨単位が使われていた時代に流行しました。

ドゥニエ(フランス語: denier)はかつてフランスで使われていた通貨単位。

出典: ja.wikipedia.org

ネット上で定説とされているのは

貨幣の最小単位が15スー
これが四つ集まり60スーになると、貨幣の単位が繰り上がって1ドゥニエとなる

これになぞらえて、ポイントとゲームの関係を15刻みにした

という説です。

ところが、ドゥニエについて調べてみると
12ドゥニエ = 1スーという、定説とは逆の貨幣価値であるということが分かりました。

となると、15スーを4つ集めて60スーにしてそれがドゥニエになるというのは少し信ぴょう性が下がりますね。

【15刻みの訳】一試合を円で表した説


一試合というか、1セットですかね。

1セットは6ゲームですので、1ゲームあたりの分配は60°。
4ポイントとると1ゲームがとれるので、1ポイント当たりの割合は15°ということになります。

合理的な考え方ですね。

めんどうくさくなったから変えた

で、最初の通りの得点で試合を進行していました。
審判が得点をコールしますよね

dummy

ラブ

dummy

フィフティーン

dummy

サーティ

dummy

フォーティファイブ
(あれ?長くて言うのめんどくね?)

ってね。

フォーティファイブというのが長くて面倒くさいから、フォーティに縮めようかという面倒くさがりの理由があったんですね。

たとえこれが一人の人の思い付きだったとしても、その後定着した訳ですから、みんなめんどうくさいと思っていたんだなってことです。

40とカウントするのはかなり昔からの慣習である

1555年に発行された球戯論という書物があります。

『球戯論』(きゅうぎろん, Trattato del Giuoco della Palla)は、1555年、イタリア、ヴェネツィアにおいて聖職者アントニオ・スカイノ(Antonio Scaino da Salò, 1524年 – 1612年)が著した、球技、特にテニスに関する解説書。フェラーラ公アルフォンソ・デステに献じられた。近代にローンテニスが成立する以前の、テニスとそれに類するスポーツについて知る際に手がかりとされる著作である。
三部構成で、第一部は16世紀イタリアで行われていたテニスのルールとその判定の根拠について、第二部はテニスの定義と分類、競技で用いられるコートやラケット、ボールなど用具類の特徴や、試合の際の戦略、ストロークについて、第三部は身体運動としてテニスがもたらす効用について書かれている。

出典: ja.wikipedia.org


テニスに関する解説書ですね。

この中で、このポイントのカウント方法について、「この奇妙な考え方ははるか昔からのものである」との記述があります。

今から460年以上も前の書物において「はるか昔」といわれているのですからかなり昔に改変が加わったようですね。

正式に採用されたのは1877年から

この「0→15→30→40」のカウントは1877年に開催された第1回ウィンブルドンの時に実行委員会によって正式に定められたとされています。

曖昧なまま使用していたものが、公式見解によって正式に定められたというわけですね。
逆に言うと、1555年には一般的に広まっていたのに、300年以上も公式に認められなかったというのがすごいです。

40-40はフォーティオールじゃない?!

0-0の時はラブオール ← わかる
15-15の時はフィフティーンオール ← わかる
30-30の時はサーティオール ← わかる
40-40の時はデュース ← ?!

なぜ40-40の時はフォーティオールじゃないのかというと、あと1ポイントでは状況が変化しないから。

デュースの時は連続して2ポイントとらないと、ゲームを取ることが出来ません。

1ポイントとるとアドバンテージになりますが、この状態でもう1ポイントとられてしまうとまた40-40に戻ってしまいますね。

このデュースという言葉の中にはフランス語のドゥ(deux)が含まれています。
アン、ドゥ、トロワでおなじみですが、「2」という意味ですね。

意訳すると「あと2ポイントとると勝ちだよ」ってことになります。

デュースって言葉を使うとわかりにくいのですが、例えばこんな試合展開があったとします。

試合展開 Aの状態 Aの累計ポイント Bの状態 Bの累計ポイント
デュース 40 3 40 3
Aが得点 A40 4 40 3
Bが得点 40 4 40 4
Bが得点 40 4 40A 5
Aが得点 40 5 40 5

A選手とB選手が互いに拮抗して、アドバンテージを取ったり取られたりします。
これは表記上は40-40に戻っていますが、累計ポイントと考えると実はさっきのポイントと同じ状態ではないという事になりますよね。

そうなると、フォーティオール!と宣言しても同じ状態ではない(同一のものではない)のに、同じと宣言してもいいのか?という葛藤が生まれます。

そこで、デュースを生み出して、あと2ポイントという表現の切り替えを行っているのです。

まとめ

テニスの点数はその長い歴史の中で、明確な理由がつかみづらくなっています。

これが歴史の長さの弊害というものかもしれませんが、それほど期限や由来が分からなくなるくらいの期間に多くの人から愛されてきたことの証拠かもしれませんね。