ポケベルサービスが2019年9月に終了 ~情報端末の終了~

2019年7月19日

空の勇者たち

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ポケベルを使ったことがなかったら何が悪い!

カジヒデキのBGMをバックにすべり台を滑り降り駆け出す広末涼子。
そして、ドコモのポケベル。


僕が高校生の頃はポケベル全盛期で、上記のCMやってましたね。

ぼくは使ったことがないのですが、確かに身近で使っている人もいました。

そのポケベルサービスが来年9月に終了するようです。


ページャー(マジックメール)サービス終了のお知らせ

平素より、弊社ページャー(マジックメール)をご愛顧いただき誠にありがとうございます。ページャーの製造を中止してから、はや20年が経ちました。いまでもご利用いただいているのは、ひとえに皆様が大切にページャー端末を使われてきたからだと感謝申し上げます。かつては平成初期、一世を風靡したページャーですが、いまや利用者も1500名を下回りました。
たいへん残念ではございますが、端末も販売から20年経ったのを一つの契機として、弊社が一都三県(東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県)でこれまで弊社のみが続けてきた個人向けの無線呼出サービスであるページャー(マジックメール)は、2019年9月30日(月)をもちましてサービスを終了させていただく決定をいたしました。

無線呼出サービスは、文字を伝える通信でした。1996年には契約数が120万を超えたことがありました。しかし、それをピークに、携帯電話などの「音声通信」に取って代わられ、急速に衰退したものです。「音声通信」により凌駕された「文字通信」ではありましたが、弊社は今、「文字通信」であるがゆえに受信力という強みが最大限に発揮できる分野として地方自治体向け情報配信サービスに注力しております。特に、防災無線においては受信力が生命線でありますから、まさしく無線呼出の強味が求められる分野であります。
防災無線のための通信というのは失敗の許されない分野であり、弊社の経営資源をこれに集中するためにも個人様向けの無線呼出サービスを終了するという意味もございます。
どうぞご容赦賜りたく、ご理解くださいますようお願い申し上げます。

最後に、皆様が長きにわたりご利用くださいましたおかげで、弊社は無線呼出事業から撤退することもなく、そして新たな分野での役割を見つけることができたものと感謝いたしております。
今後は新たな分野にて社員一丸となってがんばって行きたいと思っておりますので、引き続き温かく見守りくださいますようお願い申し上げます。ありがとうございました。

出典: www.teleme.co.jp

ポケベルとはどんなものなのか

ぼくたちの世代からするとポケベルは通過したアイテムなので、ぱっとわかりますが、わからない方もいるかもしれませんね。
ポケベルは「無線呼び出し」と呼ばれるサービスで、通信機器に情報を表示させるサービスです。

日本ではポケベルで知られていますが、英語ではpager (ページャー)、beeper(ビーパー)と呼ばれています。

今回、サービスを終了する東京テレメッセージはページャーの名前でポケベルを扱っていましたが、文字を表示する端末の方にはマジックメールと書いてあります。

この文の中では便宜上ポケベルとして記述することにします。

端末にモノクロの液晶部があり、そこに送信したメッセージが表示されます。

ポケベル自体は情報を受信する機能しかありません。

ポケベルに情報を送るには、電話機から送ります。
まずはポケベルの番号を入力。これは携帯電話にショートメールを送ることを考えてもらうとわかりやすいかもしれませんね。
ショートメールも宛先として、相手の電話番号を宛先に入力します。その後、文章を入力しますよね。
これをポケベルに置き換えるとポケベルの端末の番号を入力してから、送信情報を入力ということになります。

入力方式は2種類ありましたが、多くの機種が採用したのは2タッチ入力でした。

2タッチ入力

最初に子音にあたるキーを入力し、次に母音を入力して文字を確定する方式です。
子音はあ(1)か(2)さ(3)た(4)な(5)~で選択し、母音はあ(1)い(2)う(3)え(4)お(5)で選択する方式です。
「とおかまち」と入力するとすると
と(45)お(15)か(21)ま(71)ち(42)で「4515217142」と入力することになります。

トグル方式

キーにそれぞれ子音を振り分け、押すたびに順番に変化していく方式です。
子音が あ(1)か(2)さ(3)た(4)な(5)~とすると
と(44444)お(11111)か(2)ま(7)ち(44)で「44444111112744」と入力となるわけですね。文字によっては2タッチ入力よりは多くのキーをたたかないといけない場面が出てきます。

送れる文字と文字数に制限がある

ポケベルの初期は数字しか送ることが出来ませんでした。なので、数字の読み方を工夫して半ば暗号めいた情報をポケベルに送ることになります。

おやすみ 0833

これは…。序の口なのかもしれませんが、いきなり送り付けられたら読めませんね。

お仕事 04510

これはなんとなくわかりそうです。

あいしてる 114106

1をiに見立てたら最初の1は一つでいいんじゃないのかな。「る」が6なのもやや強引か。

さよなら 3470

らを「0」にするのも強引と言えば強引ですね。

ごめんなさい 500731

「めん」と「00」の関係が全く分かりません。


後期になるとカタカナも使えるようになりますが、20文字程度しか送信できません。
でも、ポケベル全盛期の時はまだ携帯電話やPHSも普及する前なので、自分に直接メッセージを即時届けることが出来るポケベルは人とつながっていたい年頃の高校生に人気だったのだと思います。

ツイッターも文字が140文字程度で自由に文章を書けるわけではありませんが、その制限の中で言いたいことを簡潔にまとめるということが必要な技能になってきています。

ポケベル時代はさらに短い文章の中に思いのたけを込めていたのです。

近年のポケベルの利用目的

近年では医療現場や防災無線などの、即時性のある場面で活用されていました。
簡単な液晶なので、電池の消耗が激しくなく、必要な情報をすぐに送ることが出来るという点で重宝されていました。

昨今の携帯電話やスマホのように機能は多くはありませんが、利点を考慮して活用している人たちも多くはありませんが存在していました。

しかし、利用者数が1500人を下回り、かつ、ポケベル端末が生産終了から20年経過していることを加味してサービス終了を決断したようです。

一つの文化の終わり

サービス終了の話を聞いた時にまず最初に思ったのは「えっ、ポケベルってまだサービスが続いていたの?!!」でした。
そして、「ページャーって何?!」「マジックメールって何?!」という疑問でした。
90年代後半には誰しもが知っていた単語である「ポケベル」も今の若い人たちにはわからない単語になっていると思います。
でも、ポケベルが果たした、「個人への通信」という概念は今の携帯電話やスマホの中に息づいていると思います。

ポケベルだけではなく、今現在普通に使っている道具も数十年後には別の道具に置き換わっている可能性もあります。

それが十分に活用した物なら「お疲れさまでした」と言ってねぎらってやるのもいいかもしれませんね。

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