薙刀女子の青春を描く【あさひなぐ】感想とおススメ部分は?

2019年11月12日

空の勇者たち

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高校生活の幕開けは、みんな胸に希望を抱いている。
アメリカンドリームを思い描いた少女の入部先はなんと薙刀部だった?!

薙刀を題材とした少女たちの青春を描くこざき亜衣先生の【あさひなぐ】をご紹介いたします。

こんな人におススメ

ビッグコミックスピリッツで連載中の「あさひなぐ」はもしかしたらこんな人が読んだら面白いと思えるかもです。

  • 薙刀(なぎなた)ってなんやねん?って人
  • 恋愛成分が少なめでもいい人
  • アクションよりも心の成長を追いかけたい人

薙刀を知らなくても楽しめる

主人公の東島(とうじま)旭(あさひ)は、中学時代は美術部で薙刀とは縁もゆかりもない生活。
そんな中、電車の中で先輩の宮路真春(みやじまはる)によって露出狂から助けられ、高校で薙刀部の部活勧誘に乗ってしまったところから物語は始まります。

旭が完全な初心者なので、薙刀になじみのない読者と同じ目線で話が進んでいくため、旭に対する薙刀についての説明が読者への説明ともなっていてすんなりと受け入れられますね。

恋愛成分は少なめ

主軸として旭の成長と、後半になるにつて登場キャラクターそれぞれの精神的成長を描いていますが、恋愛成分は少なめです。
誰かを好きになることで力を発揮するのではなく、自分と向き合って葛藤を乗り越えて成長してく様子を描いています。

恋愛もその葛藤の中の一部であり、大部分を占めるものではありません。
高校生マンガの中で、男女が登場すれば、どうしてもくっつけたくなってしまいますが、31巻の中で恋愛に割く部分は少なめです。

でも、その分、漏れ出す気持ちの純粋さは読んでいて「いいなぁ」とため息が漏れんばかりですね。

恋愛がなくはないですが、恋愛マンガではないので恋愛目当てだと肩透かしを食らいますよ。

いい意味でリアル

ファンタジー系の漫画だと、必殺技を持っていたり、それに対して攻略を考えたりして相手を倒すという、「いかに敵を倒すかという」ことに主眼を置いています。
相手を観察し、弱点を見つけ、初戦は倒せなかった敵をなぎ倒していく。ここに気持ちよさを覚え、マンガのファンになっていくわけですが、「あさひなぐ」ではそういったことはありません。

普通の女子高生ですから、エネルギー弾を出したり、ジャンプの滞空時間が1週間を超えたり、シュートしてからゴールするまでの間に数ページの解説が挟まったりはしないんですよね。

そして、試合も戦術を練りに練った戦いをするわけではない。
これは、薙刀という競技の特性上、バリエーションをそれほど多く作れないからという面があります。

剣道や薙刀はどんな風に技を繰り出してもいいわけではなく、型が存在し、また勝負をつけるには特定の部位を狙う必要があります。作中では高校生競技なので、面、胴、小手、スネを狙う事になります。
なので、試合を重ねれば重ねるほど、キメのための技というのは同じものが出てきて、マンネリが出てきてしまいます。

そこで、「あさひなぐ」では、薙刀の見せ方を「相手をいかに倒すか」ではなく「どういう流れで倒すか」というストーリーとして見せています。
ストーリーで見せるので、読者としては各選手の気持ちを理解して共感することが出来ます。

ただ、そのため、見る人によっては一試合一試合が物足りないと感じる場面がないでもありません。試合を見せるか、気持ちを見せるかという二つの選択の中で、この作品は気持ちを見せる方をとったのだと思います。

好きな試合

そんな中、22巻での大田女子学院三年生の島屋瑠璃子との対戦で旭がとった戦法がぼくはお気に入りです。

むずかしいと言われる、脇構えをとっさの判断で取り入れ、それを使って勝利するという展開は、旭の非凡なところをより明確にしたシーンです。

難度の高い技を使って強敵を打ち破る姿というのは、いかにも少年漫画的な展開ではありますが、かっこいいと思えました。
短いシーンですが、

キャラクターにそれぞれの信念がある

自分の中で正しいと思っている事を貫くことは、周りとの摩擦を生み、衝突を生むことになります。
そこをまだ高校生だから未熟というように見るのではなく、ひとりの生きざまとして捉えると、ぼくは自分にはできなかったことをしている人たちだなと思います。

現実にはこんなに尖って生きる人は少ないかもしれないけれど、気持ちをまっすぐにぶつけて、思ったように生きるのは若い時にしかできない事なのかなと思ったりしました。
羨ましいですね。

映画化や舞台化も

映画

乃木坂46のメンバーを主要キャストに据え、2017年9月に映画が公開されています。

東島旭 – 西野七瀬
八十村将子 – 桜井玲香
紺野さくら – 松村沙友理
宮路真春 – 白石麻衣
野上えり – 伊藤万理華
大倉文乃 – 富田望生
一堂寧々 – 生田絵梨花

出典: ja.wikipedia.org

舞台

2017年5月20から公演が以下の日程で行われた

2017年5月20日 – 31日(東京・EX THEATER ROPPONGI)
2017年6月2日 – 5日(大阪・森ノ宮ピロティホール)
2017年6月9日 – 11日(愛知・愛知県芸術劇場 大ホール)

出典: ja.wikipedia.org


キャストは以下の通り。
映画とは全然違いますね。

東島旭 – 齋藤飛鳥(乃木坂46)
八十村将子 – 井上小百合(乃木坂46)
紺野さくら – 新内眞衣(乃木坂46)
宮路真春 – 若月佑美(当時乃木坂46)
野上えり – 生駒里奈(当時乃木坂46)
一堂寧々 – 堀未央奈(乃木坂46)

出典: ja.wikipedia.org

まだまだ続きます

2019年11月9日現在、まだまだ作品は続いています。

31巻ではインターハイ団体戦の真っ最中ですので、もう10巻以上は続きそうですね。

現在、旭は2年生で、3年生の代も主要キャラクターですので、この2年生大会が終わり、3年が引退したところで完結を迎えるのではないかと思います。
わかりませんけどね。

完結まで追いかけるマンガがまた一つ増えました。



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