もう書けないなんて言わせない!読書感想文の書き方・考え方のコツを解説。書くことが見つからない人へ。

2020年1月7日

空の勇者たち

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文章が支離滅裂だったら何が悪い!

読書感想文を苦手とする人はけっこういるかと思います。

その多くは、「書くことがない」「何を書いたらいいのかわからない」という悩みがあるのではないでしょうか。

テクニックではありませんが、読書感想文を書くときのコツを簡単に解説します。

読書感想文に求められているもの

なぜ読書感想文は課題として出されるのでしょうか。
これは、学生時代と社会人になってからで意味合いが異なります。

学生時代の読書感想文

学生時代の読書感想文は、主に文章を書く練習のために課題として出されます。

読んでいて不自然な文章にならないか、思っていることを相手にきちんと伝えられるかと言うことが重要です。

もちろん中身もきちんとしていれば、よりよいですが、そんなに上手な文章を書くことは出来ないと思います。
上手な文章が書けると、読書感想文大会などで入賞したりしますが、それはあくまでおまけです。

だから、人を感動させるような文章を書かないといけない、すばらしいことを書かないといけない、そんな気持ちはいったん置いておいて、読みやすい文章を書くことを心がけていれば大丈夫です。

社会人の読書感想文

社会人で読書感想文を書かされる場合は、多くが自己啓発のためです。

読書を通じて、なんらかの気づきや、現状の自分を把握して、より成長するにはどうしたらいいのかということを読書感想文を通じて感じてもらいたいと言う目的があります。

社会人になるともう文章がきちんとしているのは当たり前という前提がありますので、課題を出した人は内容を重視していることが多いですね。



学生時代 → きちんとした文章が書ければよい。
社会人  → 読書を通じて得たことを説明する。

読書感想文を書くときに感じる悩み

読書感想文でなんだか筆が進まないときは、以下のような理由からですね。

  • 何を書いたらいいのかわからない
  • 何も感想がない
  • あらすじを書いてしまう

一つずつ見ていきましょう。

何を書いたらいいかわからない

まずはこの理由がトップではないでしょうか。

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感想?読んでて面白かったしためになったよ。
でも、それだと1行で終わっちゃうんだよなぁ・・・

何を書いたらいいかわからないときというのは、本全体に対して何か言おうとしてしまっていることが多いです。

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読書感想文なんだから本(という作品)の感想でしょ?

それもそうなんですが、もっと視点を狭めてもいいのです。

例えば、桃太郎の場合は、「桃太郎が鬼退治して帰ってくる」という話ですが、「桃太郎が鬼退治して帰ってくる」(大きな話の流れ)と言うことに対してだけ感想を書こうとするとすぐにネタが尽きてしまいます。

でも、お話を振り返ると、いろんな事をしていますよね。



・桃が流れてくる
・桃太郎が生まれる
・鬼退治に出かける
・おともを見つけて仲間にする
・鬼が島に渡る
・鬼を退治する
・お宝を持ち帰る

こうした細かいことにだけ注目して書いてもいいのです。

究極的にいえば、お気に入りの一文があれば、そこに対して熱く語ってもいいのですよ。


全体じゃなくて、ほんの一部のことについて書いてもよい

何も感想がない

これは本を読む習慣がない人に多く見られますね。

というのも、本を読む習慣がない人は、本を読むことで精一杯になってしまっているので、そこに自分の意見を持つ余裕がないからです。

文を目で追っていっても頭の中に内容が入ってこないようなイメージでしょうか。

ぼくも、本を読み終わった後に、頭に内容が残らないことがありますが、文を追う事だけで終わっている読書ではその傾向が強いです。

じゃあ、どうしたらいいかと言うと以下の二つが有効です。

  • イメージを描く
  • (文章に対して)ツッコミを入れる

イメージを描く
桃太郎というキーワードを見たときに、日本人ならきっとほとんどの人が、その姿や行動をイメージできると思うんですよね。
絵本が桃太郎を知るきっかけという人が大半だと思いますので、頭の中にすぐに思い描けます。

活字の本だと、ものすごく心に刺さるような文章じゃないと、覚えていることは少ないです。
言葉とイメージをつなげると話が頭の中に残ります。

児童書って、活字の合間に挿絵が入りますよね。
それによって場面を目で見て確認することができるので、読んでいる内容が頭に入りやすくなります。

字だらけの本だと自分でイメージを作り出さないといけないので、最初は難しいかもしれませんが、文章の内容をちょっとイメージして頭の中に残して行きましょう。

(文章に対して)ツッコミを入れる

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ツッコミ?どういうことですか

文を読んでいるだけだと、その内容を理解しようとして頭を使うので、「感想を持つ」という行動はなかなか生まれません。

そこで、魔法の言葉「ほんとかよ?!」を使います。

書かれていることを疑ってかかるという態度で読んでいきます。

ずっと疑っているとつかれてしまうので、たまに使うくらいでいいかもしれません。

その事柄が本当だったら、どういうことになるんだろう
その事柄がうそだったら、どういうことになるんだろう

って考えがむくむくとわいてくればしめたものです。

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大きな桃がどんぶらこ、と流れてきたって?!マジかよ?!

いや別に流れてきてもいいんですが、ツッコミを入れてみると、「なんで?」という気持ちが沸いてきます。

なぜ?を考えるということは自分の意見を持つことになります。


・そんな大きな桃が流れてきた川の幅ってどんなだよ
・桃が大きかったらどこかに引っかかって流れてこないのでは
・「どんぶらこ」ってなに?

色々出てきますね。

物語じゃない普通の新聞記事の文章とかでも使えます。

27日投開票された参院埼玉選挙区補欠選挙は投票率が20.81%だった。総務省によると補選を含む衆参両院の国政選挙で戦後4番目に低い数字だ。自民党と立憲民主党の与野党第1党がいずれも候補者を擁立せず、上田清司前埼玉県知事に事実上「相乗り」したことで盛り上がりを欠いた。

出典: www.nikkei.com

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投票率が20.81%だったって?ほんとかよ!



・20.81%って少なすぎない?!
・20.81%か、投票率ってそんなものなのか・・・。

ここでは、真実に対してもツッコミを入れていいという点もポイントです。

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少子高齢化で日本の人口が減っている?!ほんとかよ!

疑っているといっても「合っているか合っていないか」「真実か嘘か」を問題にしているわけではなく、疑うようなスタンスで物事を見る、ということです。
正しいことに疑いの目を向ける事で、自分の考えが発展すればそれでいいのです。


「○○だって?!ほんとかよ!」と付けると感想が出やすい。

あらすじを書いてしまう

あらすじを書いてしまうのは、自分の意見がはっきりしていなくて、何を書いたらよいかわからないときに起こります。
手っ取り早く目の前にある文章を要約すると、なんだかそれっぽい文章になりますし、文字数を稼げるからです。

でも、その中には感想が含まれていないか、あらすじ20に対して感想が1くらいの感想が添え物になることが多いんですね。

自分の意見や感想を前面に押し出すことができるようになれば、あらすじを書かなくても文章量を増やすことができるので、あらすじばかり書いてしまうということはなくなります。

「読書感想文」という表現はふわふわしている

読書感想文と言うと、「本を読んで感想を書く」と言うことになりますが、これってけっこうあやふやじゃないですか。

具体的に何をしたらいいのかが実ははっきりしていません。
感想ってどういったことを指すのかわからないです。
「感想」という言葉が持つ範囲がすごく広いんですよね。

ここで「感情」と解釈してしまうと、「おもしろかった」や「楽しかった」、「主人公がかっこよかった」などという気持ちを述べるだけになってしまって、その先を書けない、なんてことになります。

感情を表現するのは大事ですが、その感情は何から生まれたの?ってことまではっきりさせるといいんです。

感想文の形を具体的にする

だから、感想文で書くべきことを具体的にすると



「本に書かれている事柄(A)」 について 「ぼくはこう思った(B)」。 それは「こういう理由から(C)」です。

という形になります。

形が決まっていれば書きやすくなります。

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「そんなに大きな桃がどんぶらこと流れて来たとして(A)」
「そんなにほいほい拾わないと思うんですけど(B)」
「だって、そんな規格外の桃なんて遺伝子操作とか、遺伝子組み換えとかされていそうで怖くないですか?!(C)」

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「もし、桃太郎が入るくらいのおっきな桃が流れてきたら(A)」
「私もすぐに拾っちゃいますね(B)」
「今ならYoutubeにアップしたらアクセスめっちゃ稼げますよね。広告料も・・・むふ(C)」

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「桃太郎の桃って、川の表面を流れてきてますけど(A)」
「あれっておかしいですよね?!(B)」
「桃を水を張った中に入れると水面より上に出る部分って少ないんですよ(C)」
「だから、あれの話の桃ってオーバーテクノロジーで作られた船を示唆しているんじゃないかなって」

こんな感じで意見と理由を言うと、読むほうとしては、読みやすく、かつ理解しやすくなりますね。

物語の場合は登場人物の立場に立つと感想が出やすい

自分がその立場だったらどう考えるか、というのは意見を出しやすい場面です。

この人は、こういう行動をしたけれど、自分がその立場だったらこんな行動をする、と考えれば、本の中での行動と自分の行動の二通りがあって、対比させやすいからですね。

対比させた後に、違いのある部分を取り入れたい!って表現にすると前向きな感想になりやすいです。
自分ならきっとこういう行動をとると思うけど、相手のこんなところがすばらしかったのでぼくも取り入れたい、みたいな調子ですね。

うまく説明できないので、具体例

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桃太郎は成長してから、鬼退治に出かけていきましたけど、ぼくなら無理ですね。

行けって言われてもきっと鬼退治になんて行けないです。

だって、鬼ですよ。手に負えないから、みんなが迷惑しているわけでしょ。
そんなのに立ち向かっても勝てるわけないですよ。

でもね、桃太郎は周りの人が困っているから鬼退治に行って、平穏を取り戻した。

人のためにがんばるってことをぼくも見習いたいです。
出来ないことは無理なんで、出来る範囲でですけど。

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おともの犬・サル・キジはきびだんごでほいほいついて行きましたが、私ならもっと条件を厳しく桃太郎に要求しますね。
退治して帰ってきてから、財宝の分配方法についても事前に契約を交わしておきます。

これは、目先の利益だけで決めてしまうと後で損をする典型的な現代の労働を表していますよ。

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桃太郎は、鬼退治に行って、鬼を武力で制圧しましたけど、私だったら話し合いにしますね。
暴力で解決するなんて、憎しみしか生みませんよ。
江戸のかたきを長崎で討たれるだけです。
桃太郎に討たれた鬼の子供はきっと桃太郎のことが憎くてたまらないはずです。
夜道に気をつけないと、桃太郎の平穏な老後はありません。

自己啓発本などは、説明されていることと、自分の現状を対比させる

これは社会人の人の読書感想文などでよくありますが、「自分で本を選んでそれについて感想文を書く」というパターンのときに自己啓発本を読むことが多いのではないかと思います。

人によります、以下のようなものを選んだりすることでしょう。



・正しい生活は睡眠から!
・お金をためるためのノウハウ
・仕事を効率的に進めるには
・コミュニケーション能力の高め方

健康・お金・仕事についての本ですね。

これらの本は、「こうするのがよい」という主張であふれているわけですが、その主張と自分の状況を対比させると書きやすくなります。

対比させた後でどう改善するかと言うことを具体的に説明すると前向きな意見になります。
型としては以下のような形ですね。



「本に書かれている事柄(あ)」 について 「ぼくは現在こんな状況になっている(い)」。 「これを取り入れるためにこんなことをしたい(う)」

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健康のための本を読みましたが、「1日に8時間以上寝たほうがよい」とあります。(あ)

でも、ぼくは現在1日6時間ほどしか寝ていません。(い)

仕事で遅くなったり、帰ってきてからパソコンで動画を見たり、ネットサーフィンをしていると午前0時を回ってしまうんですよね。(い)

だから、今後はネットをする時間を減らして、その分、睡眠をとるようにしたいですね(う)

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お金をためる本を読みましたが「まず固定費を減らせ」ってありますけど、(あ)

無理なんですよ!女の子なんだから、オートロックも必要だし、バストイレも別にしたいし、通信費も必要で・・・。(い)

固定費を減らすのは難しいから外食や服を買うのを減らそうかなあ・・・。(う)

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仕事が遅いんで、仕事の効率を上げたいと思って読んだ本に「100%を目指すより、80%を目指せ」とありました。(あ)

私はいつも仕事を100%に詰めてから、提出していますが、そこから修正が発生することが多くて、作業が完了するのが結局遅くなったりすることが多いんです。(い)

不足の部分がある状態でチェックしてもらうのが申し訳なくて細部まで詰めちゃうんですよね(い)

本によると、作業が100%になることはないし、また100%にするための時間は0から80%にするよりも時間がかかるとあったので、今後はある程度できたらチェックするようにしてもらおうと思います。(う)

読書感想文は何を書いてもいい

感想文なので、本当は何を書いてもいいはずです。

思ったことを書くと言うだけなら、自由にかけるんじゃないかと思います。

でも、読まれることを想定しているので、うまく書き進められないと言う面があります。

  • 文章が変だと思われたらどうしよう
  • こんな意見を言ったら評価が下がるんじゃないか

書いたものを人に読ませる機会なんてあまりありませんから自分の文章が読みやすいかなんて客観的にはわかりません。
でも、読みづらさだったりわかりにくかったりした場合は、指導が入るはずなので、そこまで気にする必要はありません。

文法などより何を考えたか、ってことを見る事を目的として課題として出すことがほとんどですので、意見がしっかりしていれば、大丈夫です。

感想文は自由ですが、人を傷つけたり根拠なくこき下ろすような表現は控えましょう。
仕組みや体制を批判するのは問題ありません。それも意見のひとつなのですから。

以下は人を傷つけるような感想文。

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この本で、「日本は今後こうすべきだ」ってかかれてますが、こんな意見を言うなんて頭おかしいですよ。
著名人らしいですけど、勉強が足りないし、その場限りの意見でお茶を濁しているだけ。
いっぺん死んできたほうがよい。

その人の意見が自分と違うなら、自分はこんな理由で反対です。という言い方をするとよいですね。

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この本で、「日本は今後こうすべきだ」ってかかれてますが、今の状態では環境が整っていないので実現不可能です。

また、資料が古くて信頼性がなく、別の書籍では反対の意見を言っていたので、信用がありません。

まずは、この意見を実現可能にさせる環境づくりから始めるのがよいでしょう

こんな感じで相手の意見に対して、根拠をぶつけて反対意見を言うのが吉です。

おわりに

感想文を書くというのは、簡単そうですが、コツがわかっていないと難しいと感じる人が多いのではないでしょうか。
ぼくは「感想文の書き方」というのを授業で習った覚えがありませんから、他の人もおそらく感想文の書き方の授業を受けたことがないと思います。

でも、課題として感想文を書いて来いというのは言うのは簡単ですが、やるほうとしてはやり方がわからない状態ともいえますね。

社会人になってもこの読書感想文で苦戦している大人をたくさん見てきましたので、他のどの世代でも苦労している人がいるかなと思って今回書いてみました。

慣れてくると「文章で笑わせてやろう」とか思えるようになってきますので、そうなると楽しいですよ。

この記事があなたの助けになれば幸いです。

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