ウーバーイーツはもう稼げない?特定の事業主に依存する働き方の怖さを解説
学生の頃はよく自転車に乗っていたのですが、もう長時間乗るのは難しいですね。
という訳で、ウーバーイーツ(Uber Eats)の報酬体系が変わり、なんと報酬額が60%も下がるという大幅値下げになりました。
この事から、事業主に依存する働き方について考えてみたいと思います。
Contents
Uber Eats(ウーバーイーツ)とは
まず始めに、ウーバーイーツについて簡単に説明しますね。
ウーバーイーツとは、ウーバーイーツに登録してある料理店から、一般の人が依頼を引き受け、料理を届けるサービスです。
一般人と言ってもウーバーイーツに登録している配達員です。
配達までの流れ
ウーバーイーツに登録してあるお店から届けて欲しい料理の依頼が発生します。
スマホから配達員の方に、アプリで仕事の依頼が来ますので、配達員の人は自分の近くにあるお店からの依頼を受けることが出来ます。
依頼を受けた配達員の方は、お店に出向いて料理を受け取ります。
その料理を配達員の方は、注文してくれたお客さんに届けてお仕事完了です。
配達員のお給料は?
配達員のお給料は、
1kmあたりの料金 × 移動距離
で計算されています。
今までは1kmあたりの料金が150円でしたので、例えば、お店からお客さんまでの距離が10kmの場合は、料理を運ぶと
150円(1km当たりの料金) × 10(km)=1500円
1500円の収入になります。
ウーバーイーツの料金改定が行われた
2019年11月29日に料金体系が見直され、1km当たりの料金が今までの150円から60円に値下げになりました。
給料が60%カットという事になりますね。
配達員の方々は団体交渉の申し込みを行い、料金の再改定を申し入れようとしましたが、現在の所、単体交渉の場はウーバーイーツ社から拒否されているようです。
ウーバーイーツの慣れた配達員の大体の平均時給が1500円くらいだそうなので、ここから60%カットとなると、もう全然稼げませんね。
他の仕事を探したほうが得になりそうです。
給料の額は事業主の手に握られている
今回の件でのポイントは、給与額の決定権をウーバーイーツ社に握られていることにあります。
交渉の余地がなく、相手の気持ち次第で、給料が左右されてしまうという事は怖い事です。
毎日一生懸命働けば、日給1万2000円くらいになったとします。これに慣れてきたとすると、日給1万2000円を基にした生活プランを考えてしまいます。
しかし、今回のように60%も値下げされてしまうと、同じような労働をしたとしても、1日4800円にしかなりません。
そうすると、支出に対して収入が追いつかなくなり、生活スタイルの変更を迫られてしまいます。
収入を一つの事業主からだけ得ている場合は、環境が変化した時に、自分の収入も変化してしまう危険性を持っているのです。
役割の変化で、金額は変化する
今回の件ですが、おそらく、ウーバーイーツが世の中に浸透してきて、「あるのが当たり前」の段階になってきたのだと思います。
使えるのが当たり前になってくると、使えないとなると不便という感情が生まれてきます。
今までは、人々の生活の中に浸透させるために、多めの金額を払って、ウーバーイーツの配達員に仕事をしてもらっていました。
金額が高ければ、配達員になりたいという人が増えます。都内では実際に走っている人も見かけますし、ウーバーイーツの配達用の自転車を見かけることもあります。
そうして、ウーバーイーツというスタイルや仕事が認知されるようになりました。
現在、ウーバーイーツが一部の地域では生活に組み込まれたので、広告としての配達員は必要なくなりました。そのため、広告塔としての配達員は必要なくなったので、給料の値下げを行ったのだと思います。
ある時まで必要だったものが、突然いらなくなった、という事態は今までの産業の歴史の中でもたくさんありますので、今自分が働いていることが世の中でどのポジションに位置しているのかを意識する必要があります。
過去の事例
すごい古い話ですが、日本で石炭が掘られていたころは、炭鉱がある近辺の町は栄えていました。
しかし、国産の石炭よりも輸入品が安く入ってくると、国産の石炭の生産量が落ちてきて、町もさびれていきました。
炭鉱夫として働いていた人たちはおそらく職を失ったことでしょう。
炭鉱がさびれた理由は3つあります。
- 炭鉱資源の枯渇
- 代替エネルギー資源の出現
- 外国産の石炭
そもそも、炭鉱内の資源をとりつくして炭鉱の中に石炭がなくなったことが挙げられます。
また、石油へエネルギー資源が移り替わりつつあったことも要因のひとつです。
加えて、輸入石炭の値段が安かったこともあります。
こうした環境を感じ取ることが出来れば、「炭鉱産業はあぶないかもなぁ」という事をが予測できたかもしれません。
当時は、現在ほど情報があふれていたりはしないので、情報をつかむことが難しかったかもしれませんが、「なんだか最近石油製品が増えてきたな」とか「石炭使っているところが少なくなってきたな」と感じる事ができれば、炭鉱産業の行く末が細くなっていることも予想できたかもしれませんね。
収入を分散させることが出来ればよい
ウーバーイーツだけに収入を頼っていたとしたら60%収入源というのは大打撃です。
しかし、もしウーバーイーツ以外にも収入があれば、多少打撃は受けますが、そこまで深刻な問題にならないでしょう。
ウーバーイーツ 150万円 × 40% =60万円
その他 150万円
年間収入が上のような内訳だった場合、ウーバーイーツが60%カットされても総額では210万円が残ります。
収入が複数あれば、一つの事業の打撃を直接受けることがなく、和らげることが出来るということが分かりますね。
ウーバーイーツ 300万円 × 40% =120万円
ところが、ウーバーイーツだけで年間300万円を稼いでいるとすると、総額が120万円にしかならなくなります。
1つの事業主に依存していることがどれだけ怖い事かわかりますかね。
相手が変わるならこちらも変化する
今回の問題で申し立てを行う配達員の方がいますが、これは、会社との関係を変えるという視点がないように思います。
申し立てをする配達員の方々はウーバーイーツを主な収入源とするという意識にとらわれているので、何とかしなくちゃという思いなのだと思いますが、ウーバーイーツで働かなくてもいいやという視点を持てれば、行動が変わってくると思います。
相手が変化するなら、その変化と自分の状況を見て考え方を変えていかないといけません。
この記事の上の方でも一回述べましたが、ウーバーイーツの平均的な時給は大体1500円前後という事ですが、60%カットになると、時給は600円になります。
これなら金額だけで言えば、コンビニやファミレス、ファーストフード店で働いた方が稼げることになります。
お金のためにウーバーイーツで働くということなら、他の選択肢も検討してみるのもよいでしょう。
働く意識を変えてみる
では、お金の為ではなく、別の事を目的のため、と考えてみてはいかがでしょうか。
ウーバーイーツでは自転車で配達している人が多いので、自転車に乗ることも楽しめてお金ももらえると考えれば、ウーバーイーツというシステムを利用して楽しんでいるとも言えますね。
お金のために働く、という意識から抜け出せないとウーバーイーツで働く意味は今回の改定で大きく損なわれたでしょう。
でも、お金以外に意味を見いだせればウーバーイーツで働く意義はあります。
変化を感じたなら自分も仕事に対しての意識を変え、その仕事の価値を再認識する必要があります。
その再認識を怠ってしまうと、「不当に働かされている」ような気持ちになります。
自分と相手の関係をもう一度整理し直して、アップデートすることで、相手の変化に納得できる場合もあります。
まぁ、納得できないから、申し立てを行うんでしょうね。
まとめ
- 収入が一か所だけだと、相手が変化した時に、こちらも変化をしなければならない場合がある。
- 相手が変化した場合、自分との関係性をもう一度確認し、必要ならば自分の立場を変化させるとよい
終身雇用制が崩れてきたりと、働き方の環境が変わってきています。
環境が変わってきたら、自身の働き方を見直すきっかけと捉えていきましょう。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません