【4月24日追記】特措法の使用制限って何?パチンコ屋が休業要請に従わないので使用制限をにおわされていることについて
という訳で、コロナが徐々に忍び寄ってきている中、パチンコ店も、そこに通うお客もやめられないとまらないことになっている状況が地方ではあったりします。
警戒地域ではない地方では「不要不急の外出をしない」という意識が薄かったりしますが、それによって普段通りに営業していると、「休業要請に従わない」とみなされて、さらに一段上の「使用制限」が適用されてしまう可能性があります。
今回は、この「使用制限」ってなんなの?という事を見ていきましょう。
Contents
新型インフルエンザ等対策特別措置法の条文のひとつ
使用制限って何?
何かを使っちゃいけないって事かしら?
特措法の中に「施設の使用の制限」って言葉が出てくるんですよ。
「使用制限」だけだと、なんだかよくわからないですよね。言葉が省略されているんです。
なるほど・・・。で、それってなに?
・・・。
はい。順番に解説していきますね。
特措法とは
現在、よく耳にする「特措法」というのは、正式には「新型インフルエンザ等対策特別措置法」といいます。
第一条にこうあります。
第一条
この法律は、国民の大部分が現在その免疫を獲得していないこと等から、新型インフルエンザ等が全国的かつ急速にまん延し、かつ、これにかかった場合の病状の程度が重篤となるおそれがあり、また、国民生活及び国民経済に重大な影響を及ぼすおそれがあることに鑑み、新型インフルエンザ等対策の実施に関する計画、新型インフルエンザ等の発生時における措置、新型インフルエンザ等緊急事態措置その他新型インフルエンザ等に関する事項について特別の措置を定めることにより、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号。以下「感染症法」という。)その他新型インフルエンザ等の発生の予防及びまん延の防止に関する法律と相まって、新型インフルエンザ等に対する対策の強化を図り、もって新型インフルエンザ等の発生時において国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにすることを目的とする。
これ全部で一文なんだ・・・。
わかりにくいわけね・・・
注目ポイントはそこじゃないです・・・。
「免疫がない病気が発生した時に、被害が大きくなることが心配だから、なんとか対策して国民の命と経済を守るよ」ってことですね。
なるほど
この特措法の中に、必要な時に、色々なお願いをするという事が盛り込まれているんですね。
い、いろいろ・・・。ごくり。
指示してお願いするというものから、強制力を発揮するものまで様々な段階があるわけです。
すべてに強制力があるわけじゃないのね
はい。強制力を持たせてしまうと、強制された方の権利を奪う事になります。
今だと、不要不急の外出を控えるように言われてますが、これって「外に出かけたい!」という行動の自由を奪っていますよね。
外出は買い物だったり、仕事だったり必要な行動のために行われることが多いのでこれを制限すると不便・不都合が生じます。
確かになぁ。買い物行けなかったらメシとか買えないもんな
アメリカでは外出禁止令をだして、日本よりも強制力を強めにしています。
罰金を課したりしてますし。
外出で罰金!いやね・・・。
状況が変化していくと、特措法でも強い行動制限をかけることが出来るというのがポイントです。
現在は24条をもとにした「要請」がメイン
現在はどんな感じなの?
現在は24条をもとにした「要請」を行っている段階です。
以下に条文を載せますね。
第二十四条
都道府県対策本部長は、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、当該都道府県及び関係市町村並びに関係指定公共機関及び指定地方公共機関が実施する当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策に関する総合調整を行うことができる。9 都道府県対策本部長は、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、公私の団体又は個人に対し、その区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施に関し必要な協力の要請をすることができる。
この「必要な協力の要請ができる」ってのが外出自粛だったり、飲食店の休業要請ってことなのかな
そうですね。強制力はありませんが、休業要請が大きく報道されているので守らなければいけないという空気ができていますし、自粛という意識も高まってきていますね
自粛は経済活動が止まって苦しいけれど、今はコロナが収まるのを待つ我慢の時期ってことね。
そうなんですが、一部の業種ではなかなか我慢ができないみたいで・・・。
まさか・・・
はい、お察しの通り、ぱちんこ業界です。
あまり目に余るようだと次の段階の「使用制限」に進んでしまう可能性があるので、注意してもらいたいところですね。
「使用制限」は45条の中の一文
その「使用制限」になるとどんなことが起きるのかしら?
はい、じゃあ、また条文から見ていきましょう。ちょっと長いんですけど、全部引用しました。
第四十五条
特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、当該特定都道府県の住民に対し、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間並びに発生の状況を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間及び区域において、生活の維持に必要な場合を除きみだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないことその他の新型インフルエンザ等の感染の防止に必要な協力を要請することができる。2 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間において、学校、社会福祉施設(通所又は短期間の入所により利用されるものに限る。)、興行場(興行場法(昭和二十三年法律第百三十七号)第一条第一項に規定する興行場をいう。)その他の政令で定める多数の者が利用する施設を管理する者又は当該施設を使用して催物を開催する者(次項において「施設管理者等」という。)に対し、当該施設の使用の制限若しくは停止又は催物の開催の制限若しくは停止その他政令で定める措置を講ずるよう要請することができる。
3 施設管理者等が正当な理由がないのに前項の規定による要請に応じないときは、特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため特に必要があると認めるときに限り、当該施設管理者等に対し、当該要請に係る措置を講ずべきことを指示することができる。
4 特定都道府県知事は、第二項の規定による要請又は前項の規定による指示をしたときは、遅滞なく、その旨を公表しなければならない。
んー、こっちも要請だけど、24条と何か違うの?
はい。24条はあくまで協力をお願いするという感じで、自発的な行動を尊重していた感じですね。
でも、要請ならこっちもあまり変わらないんじゃ・・・
こっちは、段階的にやっていくことがかかれています。
1.不要の外出を控えてもらう。そのほかの協力も要請する
↓
2.施設の使用を停止したり制限したりする。またイベントの開催も停止したり制限したりする
↓
3.上の2に従わない場合は従うように命令を出す
↓
4.2および3の段階が行われた場合は速やかに公表する
強制されちゃうってことなんだな・・・
それに最後の公表ってのがなんかいやね・・・
そうですね、この45条の3を適用した場合には施設名などを公表する必要がありますので、簡単に言うと、身バレしますよってことですね。(にっこり)
企業だったらイメージダダ下がりじゃねーか!
営業してもしなくても死活問題!
そういった面があるので、45条の適用は慎重に行われるようです。
東京都・大阪・京都・奈良は使用制限を行っている
東京都・大阪・京都・奈良(奈良は23日から)は、使用制限を適用していて、休業要請をしています。
その他の都道府県で使用制限されていないような業種や分野でも、悪目立ちしてしまうと使用制限を適用されてしまう可能性があります。
それがぱちんこ業界という訳です。
休業要請されている業種はたくさんあるのになぜパチンコ業界の名前を出すのかしら?
それは、イメージが悪いからですね。
イメージが悪いとやり玉に挙げられやすいです。
たたいてもそれが正当化される雰囲気があるからですね。
パチンコ屋の使用制限が全国的に広がるかどうかは続報を待ちたいと思います。
【4月24日追記】店舗名の発表
大阪で店舗名の発表
大阪で、休業要請に従わない店舗に対して店舗名の公表に踏み切りました。
施設名称 | 所在地 |
丸昌会館 | 大阪市 |
だるま屋 | 大阪市 |
P.E.KING OF KINGS 大和川店 | 堺市 |
HALULU | 堺市 |
ザ・チャンスα | 堺市 |
ベガス1700枚方店 | 枚方市 |
店舗側の言い分としては「固定費がかかるので営業しないとまかなえない」ということでしょう。
それは確かにそうね・・・
ぼくはお店を営業したことがないので、その大変さはわかりません。他業種でなんとか経営をしている方のコメントなんかを見ると「胃に穴が開くようだ」という人もいて大変なんだろうなという事はわかります。
今回の流れ
大阪の吉村知事は突然発表をしたわけではなくて、段階を踏んで、その後に公表に踏み切りました。
「僕らも1店舗ずつ、電話でまず(自粛を)お願いして、それでも聞いていただけない。次は文書でお願いして、それでも聞いていただけない。それで聞いていただける紳士的なお店もたくさんあって、協力していただけた。それでも、どうしても協力していただけない6店舗については公表したということ。知事として、命を守るということで決断しました」
電話で休業協力依頼
↓
文書で休業協力依頼
↓
それでもだめなら公表
という段階ですね。
今後、このような流れが一般化してくるのではないかと思います。
逆に宣伝になるから公表を控えるところもある?
今回の件では、公表をするという事は、営業していますよという事を宣伝していることになる面もあります。
現在はほとんどのパチンコ店が休業しているので、打てるお店というのは皆無でしょう。
でも、この公表によって
おっ、営業しているならちょっと遠いけど行ってみようかな
と考える遊技者の方が少しはいるかもしれません。
越境移動は控えるように言われていても、そんなことはお構いなしに来てしまう人もいるという事が考えられるので、要請に従わないお店の公表を控えるというところもありそうです。
東京都も28日に公表へ
東京都の小池百合子都知事は24日の定例会見で、新型コロナウイルス特別措置法に基づく休業要請に応じず、営業を続けている都内のパチンコ店に対し、「28日から特措法に基づき、休業要請と店名公表を行いたい」と話した。
出典: hochi.news
東京都内では休業率が7割程度らしく、まだまだ全店休業ではないようですので。
休業要請と店舗公表をセットにしてさらに休業してもらう構えですね。
許可営業に影響はあるのか
パチンコ店は届け出を出して行う許可営業なので、例えば要請に従わないでいるとあとで営業許可がおりなくなる可能性ってのもあると思いますね。
もしそれが確定するとしたら、絶対に営業はしなくなりますが、その可能性の示唆はないみたいですね。
業界の未来に影響はあるのか
業界としては、6号機になり、6.1号機になって規制緩和の流れが見えてきていました。
パチンコの方も継続率の上限が緩和されてきていたタイミングでの出来事なので、今回のことが規制強化の動きにつながることも考えられますね。
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