マンガ【氷菓】省エネ高校生 折木奉太郎が日常の謎を解決!青春ミステリー
やらなくてもいいことならやらない
やらなければいけない事ならば手短に
今回は米澤穂信先生原作・タスクオーナ先生作画の「氷菓」をご紹介いたします。
Contents
あらすじ
折木奉太郎(おれき・ほうたろう)は今年高校1年生になったばかりの新入生。省エネ主義を掲げる彼のモットーは「やらなくてもいいことならやらない やらなければいけない事ならば手短に」
こんなあまり活動的ではない折木に、インドのベナレスに滞在中の彼の姉から命令が下る。
「奉太郎、古典部に入りなさい」
去年で古典部員がいなくなり、今年新入部員が入らないと古典部は廃部だという。
姉に逆らえない奉太郎は古典部に入るために校舎最奥の地学準備室を訪れる。
カギのかかった教室の中には一人の美少女がたたずんでいた。
「こんにちは あなたって古典部だったんですか折木さん」
これが千反田える(ちたんだ・える)との出会いであった。
既に古典部員がいたことを知った折木は、古典部に入部せずに戸締りを千反田さんに任せて帰ろうとするが、千反田さんに引き留められる。
「私、鍵を持っていません」
つまり、千反田さんは地学準備室に閉じ込められていたというのだ。
なぜ閉じ込められていたのか。
日常の小さなミステリーを折木が解き明かす!
こんな人におススメ
氷菓はこんな人におススメです。
- 謎解き話が好きな人
- とは言っても血なまぐさい話は好きではない人
日常に潜む謎解きミステリー
なぜこんなことが起きているのか?といった短編や、何話か使って展開する長編の話まで種類があります。
・なぜ千反田さんは地学準備室に閉じ込められたのか
・図書室で毎週金曜に同じ本が借りられ、その日のうちに返却されているのはなぜか
・放課後に行われた校内放送の真の意味はなにか
などなど。
長編になると謎も入り組んできますが、そんなにドロドロしたような理由での出来事ではないので、流血沙汰とかはありません。
安心して、好奇心だけを満足させることが出来ます。
論理を重ねる会話劇
登場人物は、先に述べた折木奉太郎、千反田える、福部里志(ふくべ・さとし)、伊原摩耶花(いばら・まやか)と各話でキーパーソンになる人がいればその人も加わって話が展開します。
少人数で話がすっきりしているので論理展開についていくことも楽で読みやすいです。
また、主要登場人物のそれぞれのやり取りにどことなくユーモアもあり、コミカルな印象も受けますね。
アニメーションのコミカライズ
本作は氷菓という小説作品のコミカライズ(マンガ化)ですが、キャラクター原案などは、京都アニメーションの「氷菓」準拠になっています。
そのため、本書を手にする人の大半は「京都アニメーションの『氷菓』を観た人」になるのではないかと思います。
そうするとどうしても「アニメとの比較」になってしまいます。ぼくも先にアニメを見てからマンガを読んだものですが、アニメとマンガでイメージが大きく離れることはなかったように思います。
細かいところを見ていくと少しずつ違うのですが、それがタスクオーナ先生の味であり、マンガの持つ見せ方のひとつかなとも思います。
特に文化祭の話の時は、それまでの各話は折木の主観で話が進行してましたが、折木、千反田、里志、摩耶花それぞれが語り手となる時があり、その時は吹き出しの形が各人で違うといった工夫があります。
それと、アニメは動きでキャラの感情を表現したりできるのですが、マンガだと限られたコマで表現したいといけないため、各キャラの表情などとともに背景が楽しそう、とか辛そうな背景になっていたりなどのマンガ的表現が新鮮に映ったりもします。
また、「ああ、アニメのコミカライズね」と思っていると、内容が違っていたり、アニメの時とかっこうが違っていたりとそういった差を見つけるのが面白かったりもします。
原作の米澤先生は本作を執筆するときに特に細かく造形は考えていらっしゃらなかったそうですが、京都アニメーションの西屋太志さんのキャラクターデザインでイメージが作られると、そこはかとなくちりばめられていたキャラクターの長所・短所が絵になって嬉しさを感じたそうです。そして、今回タスクオーナ先生の氷菓はまた違った手法でキャラクターに命を与えてくれたと語っています。
キャラクターは同じなんだけど中に入っている魂が違うという、同じ魅力を持ちつつ、違う魅力も持っている、そんな作品になっているんじゃないかなと思いますね。
アニメもみよう
2012年4月~9月の間にアニメ化もされています。
京都アニメーションならではの美麗な絵も素敵ですが、ぼくは良く作業中に音だけ聞くことがあります。
語りで内容が理解できるので、絵を見ていなくても楽しめるんですね。
時間のある時はゆっくり画面を見て楽しめますし、やることがある時は、聞くだけでも楽しめる。
みなさんもぜひやってみてください。
WEBラジオも聴こう
ニコニコ動画にWEBラジオ「古典部の屈託」が全てアップされているので、古典部ワールドに浸りたい方はぜひ聞いてみてほしいです。
佐藤聡美(千反田える 役)さんと阪口大助(福部里志 役)さんがメインパーソナリティを務めていますが、阪口さんが福部里志以上にデータベースしてて笑っちゃいます。
小説もどうぞ
ぼくはアニメーションから入ったので原作は後回しになっていましたが、原作の方がやはり情報量が多く、新しい発見があったりもします。
アニメ・マンガ・小説と3つの媒体で読むのがおススメ。
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