マンガ【あなたがしてくれなくても】体だけじゃなく心もつながりたい・・・セックスレスを題材にした夫婦の物語 の感想と解説
好きだったら、愛し合っていたら、セックスをしたいと思いますよね。
男の場合はその限りではないかもしれませんけれど。
今回はセックスレスをテーマにしたハルノ晴先生の「あなたがしてくれなくても」をご紹介します。
Contents
こんな人におススメ
「あなたがしてくれなくても」はこんな人におススメです。
- これから結婚する方
- 結婚してセックスレスになっている方
- セックスに対しての考え方を知りたい方
セックスに対する考え方というのはやはりいろいろあるもので、気持ちいいからという意見もありますし、愛情を確かめたいからという意見もあります。
どれもきっと間違いのない意見でしょう。
ただ、それでも全員がそう思っているかというとそうでもなく、少しずつズレが出てきます。その時に、「きっとこうだから」と決めつけて対応してしまうと相手を傷つけてしまう事になりかねません。
これから結婚するからは明るい未来しか見えていないかもしれませんが、いずれは歳をとって考え方に違いが出てきます。
その時に、こんな事を想ったりするんだなと予習しておくことはいいかもしれません。
セックスレスになっている方は、もし本作を読んで思い当たることがあれば改善できると思いますし、セックスレスでなくても性に対する気持ちというのは違いがあるんだなという事を理解できればいいと思います。
とにかく、日本では性の事、お金の事、色々と口に出して相談できないことが多くありますので、楽しみながらこういったマンガで触れておくといざという時に役に立つかもしれませんよ。
ちょっとだけのわがままが響いてしまう
このマンガ、今のところ、嫌な人は出てきてないです。なので、基本的にいい人なんですが、ちょっとしたことで角が立つ場面があります。
キーケースが壊れて、新しいケースを買おうとしたら、旦那の陽ちゃんが似たようなキーケースを買ってきてくれました。しかも知り合いの所に頼んだ特注です。
主人公のみちは、買ってきたキーケースが趣味じゃないと思わず漏らしてしまいます。
かつては、趣味じゃなくても「つけてくれたんだから」と思って何も言わなかったのですが、今回言ってしまったことで、自分が変わってしまったことに気が付きます。
みちの先輩の新名(にいな)先輩も奥さんの楓のためにと思って予約したディナーとホテルですが、楓の仕事が長引いたためにディナーは一緒にとれず、遅れてきた楓に対して「今日だけでも・・・今だけでもオレの為に頑張ることはできない?」と投げかけてしまいます。
みちも新名先輩もちょっとだけ、自分の我を通してしまいます。二人とも相手の気遣いや、状況をわかっていたはずなのですが、つい言ってしまった。そして、その後、二人とも自己嫌悪に陥ってしまいます。
わがままを言わずに我慢しろ、ということではなくて、本当にちょっとした事なのに相手が機嫌を損ねたり、傷ついてしまうことがあるという事です。
陽ちゃんは「せっかく作ってきてやったのに」という気持ち、楓は「こっちも頑張っているんだから仕方ないでしょ」と、なぜ受け入れてくれないのか?なんでわかってくれないの?と思っています。
みちと楓も実はちょっとだけわがままをしていて、相手の気持ち寄り添うことが出来ていませんでいた。
そういったケースが結婚してしばらくすると出てきてしまうし、その積み重ねが信頼を損ねていきます。
真剣に向き合わないことで気持ちが冷めていく
みちが陽ちゃんを呼び出し、今後の事を話し合う時に、陽ちゃんは「ED・・・かも・・・」と逃げてしまいます。
このとき、みちは陽ちゃんへの気持ちが冷めていくのを感じます。
片方が真剣に思っている事でも、相手がそれを取り合わなかったら会話が成り立ちません。そして、真面目に話をする気がないと感じてしまうと相手との対話を無意味なことに感じてしまい、気持ちが冷めてしまうのです。
行為の先の気持ちを見ている
みちが陽ちゃんとセックスをしたかったのはその行為の先に愛情を感じたかったからでした。
新名先輩がホテルで楓と事に及ぼうとしたのも、男として必要とされている自信が欲しかったからでした。
ふたりとも、セックスばかりを望んでいたわけではなく、その先の自分に対する感情を確かめたかったのです。
その後、陽ちゃんから花をもらったみちは機嫌を直しています。花を贈られる行為で陽ちゃんが自分を想っていてくれることを確認し、不安がなくなったのですが、その夜、セックスをした際に陽ちゃんが目を合わせてくれず、虚しさを感じてしまいます。
そこに陽ちゃんの気持ちを感じる事ができなかったからです。
みちが望んでいたセックスでしたが、逆に満たされていないことを確認することになってしまいます。
細かい情緒が詰め込まれている
上記のような、気持ちの移り変わりが細かく描写されているので読んでいるうちに「あっ、こういう事か」とおもってしまうんですよね。
今は当てはまらなくても、いつか自分もこんなことをしてしまうかも、というリアルさがあります。
リアルでは相手の機微を見逃さずにいたいものです。
感想
結婚をして長く暮らしていると、相手に対して無関心な部分が出てきてしまいます。
それは甘えととれなくもありませんが、相手の気持ちをないがしろにしてしまう原因にもなります。
作中では、みちの気持ちと新名先輩の気持ちにそれぞれの伴侶が気が付くことが出来ません。気が付けたのは他人である、みちと新名先輩でした。
他人同士であっても気が付けないことはありますが、お互いの境遇が近かったため気が付けたのかもしれません。
疲れている人、参っている人はそれとなくサインを送っています。
そのサインに気が付けるかどうかというのは恋愛だけでなく他の分野でも大事ですね。
読んだ人は是非、気が付ける人になって欲しいです。
ぼくはそもそもの機会がありません(笑)
おわりに
まだ完結していないので、これからも物語を楽しみにしていきたいと思います。
「あなたがしてくれなくても」の紹介でした。
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