【マンガ】ロジックでさらなる虚構を積み上げ虚構を打ち崩せ! オカルトとミステリの融合した虚構推理 ミステリ好きには賛否両論?
私は知恵の神です
虚構を築くための虚構に説得力を持たせるためなら
どんなものでも利用しましょう
今回は、城平京先生原作、片瀬茶柴先生作画の虚構推理をご紹介いたします。
Contents
虚構推理はこんな人におススメ
虚構推理はこんな人におススメです。
- ロジックを組み立てて、論戦を行うのが好きな方
- オカルト(妖怪、幽霊など)が好きな方
論理を組み立てて話を展開するバトル
虚構推理という名前から、推理ものではないか?と想像されてこの作品に触れる人が一定数いると思います。
ぼくも内容を見る前はタイトルから推理ものだと思い、そしてアニメの公式サイトに行って「ん?」と思ったものです。
というのも、主人公たちの周りに妖怪変化がいて、取り巻いているからです。
実際、マンガでもアニメでも、1話は妖怪とバトルをしていて推理要素が全く見えません。
でもそれは、お話の土台の設定を説明するための部分で、謎解きはしばらくしてからの事になります。
妖怪や幽霊などのオカルトは推理のギミックのひとつ
主人公の岩永琴子は過去に神様になる契約をして、その対価として右目と左足を失っています。
そして、そこで得た力で妖怪たちや幽霊たちと自由に話をすることが出来るようになります。
事件が起きた時に居合わせた幽霊や妖怪からも話ができるようになっているのです。
これにより、謎めいた事件であっても現場に居合わせた怪異たちから話を聞くことで捜査をすることなく真実にたどり着くことが出来ます。
ミステリというからには、犯人を当てるまでの推理を見るのが楽しみだったりしますが、どちらかと言えばこちらは倒叙ものと言われるタイプの作品と言えるかもしれません。
刑事コロンボや警部補古畑任三郎のように、犯人はわかっているけれど、方法や手段や動機をぼやかしておいてそこを解明していくようなタイプです。
犯人や事件の全容を知るための手段としてオカルトが用いられています。
ここで、正当な推理ものを期待している人は拒否反応が出るかもしれません。ぼくも推理ものらしいけどなぜ妖怪たちと和気あいあいとしているのだろうと思ったものです。
でも、不可思議なものを「当然の事」として論理の中に組み込んで話を展開している作品があります。はい、逆転裁判ですね。逆転裁判の世界の中では霊媒という要素が当たり前にあり、そこから証言を引き出したり、行動を制限したりとしてギミックとして使われています。
それと同じようなものと考えればそんなに変な事はありません。
ハードルが上がったのはタイトルのせい?
拒否反応を示してしまうのは、タイトルから受けた印象と内容が違ってしまったことにあるかと思います。
これが、もっとオカルト要素もあるように含んだタイトルなら読む方としても心構えができているので違和感がなかったのかもしれませんが、「虚構推理」という単純な名称だけだと、オカルトをなかなか想像できませんよね。
また、虚構推理を行うのは今のところは「鋼人七瀬」編だけで、その後の話は普通の推理小説のようになっています。
内容とタイトルがうまくかみ合っていないかもしれないなぁと感じる点でもあります。
何をもってミステリとするか
読者の感想として、「これはミステリだ!」「いや、ミステリではない!」という意見が原作者の城平先生の所に届くようですが、ミステリを本格推理ものとして考えている人にとってはミステリではないのかもしれません。
いやだって、超常現象の力で真相に近づくのは、フェアではないでしょ!
という意見かもしれません。
ノックスの十戒の中にこんな一節があります。
探偵方法に超自然能力を用いてはならない
出典: ja.wikipedia.org
ノックスの十戒とは推理小説を書くときに守られるべきルールを示したもので、これが守られていれば、読者に不公平感を持たせないようにすることが出来ます。
推理小説が好きな人ほど、このノックスの十戒が守られているかどうかが気になると思いますし、外れてきた時に違和感を感じると思うんですよね。
でも、この作品は妖怪変化込みでの作品なので、普通の推理小説とは違うと認識してけば問題はありません。
論理の積み重ねて相手を服従させる。
そのやりとりの面白さがこの作品の肝ではないかと思います。
ミステリを推理小説、とりわけ探偵小説だと思っていると中々ミステリとは受け入れられないかもしれませんね。
アニメもやっています
2020年の1月からアニメも放送されています。
1話を見ただけでは妖怪とのバトルものかと思ってしまうような話でした。
2話以降は単行本との話の順序を変えて、短めの話からやっていき、こんな感じの話なんだよというのをわかってもらいにいくようですね。
虚構推理アニメ公式サイト
個人的な感想
以前に原作者の城平京先生原作の絶園のテンペストを読みましたが、なんだか似ているなぁという印象でした。
作品の展開やそれぞれの能力は違うものなんですが、語り方や解決方法が何となく似ていて片りんを感じさせます。
あとは九郎先輩のくだんの能力が直観的にはわかりづらいという印象で、死んでは戻るのを繰り返しているだけに見えてしまうのが残念です。ぼくの理解力不足という点も否めないのですがね。
原作小説は未読なので、そのうちに読んでみたいですね。
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